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震災後話題になった「ガイガーカウンターの正しい使い方」を含む震災ルポ漫画。非常に綿密な取材と、冷静な描写をされています。特に「震災と経済」の部分について、個人的に疑問に思ってた部分が解決。ためになりました。
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とにかくわかりやすい。震災を正しく怖れるために是非たくさんの人に読んでほしい。本の売り上げが義捐金にもなるしね。
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震災がテーマなのに肩の力を抜いて読める貴重な一冊。デリケートな問題に筆者ならではの切り口の描写で描かれている。ギャグが入っていても後ろめたい気分にならないのが流石、筆者といったところ。この本の収益が義援金になるからかな。
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震災を語る上での距離感が絶妙で、客観的すぎないところが良いです。
特に放射線測定の問題や食品の問題はタメになります。
経済の項で被災地が復興ではなく復旧しかできない旨の話は暗澹たる気持ちになったけど、小幡績さんの話はちょっと?な部分が多かったかな。
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「放射能に近道なし!」いい本です。私程度(大して心配してない派)には1冊で充分、心配だけどどうしていいかわからない人には入り口になるよ。
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鈴木みそさんのルポタージュはいつも痒いところに手が届く内容で大好きなのだが、この3.11のルポタージュも例に漏れず、テレビ報道では大きくクローズアップされなかった部分をみそさんらしい切り取り方で描いてくれていた。
『正しい放射線の測り方』ももちろんだが、どの話も興味深く、勉強になる内容ばかりだった。
特に、『先端科学編』が今まで見聞きしたことのない話ばかりで面白かった。
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タイトル通り、著者の震災当日の体験やその後の取材で学んだこと•感じたことを著者の目線で描かれています。「○○編」といくつかの章で構成されてます。マンガです。
このマンガが読みやすいのは、著者の取材における立ち位置とその描き方にあるかもしれません。たとえば「食品汚染編」で、暫定基準の食品を毎日食べても年1ミリ以下の被爆量だと分かり、
「全然平気じゃん」
と安心する場面があるのですが、隣にいた勝川先生(放射線に詳しい)に、自然放射線やカリウム40のことも考慮にいれるべきであること、特に内部被爆に関しては
「予防的に(できるだけ)避けておくべき」
とたしなめられてしまいます。このように、一般の読者と同じように反応したり質問したりしてくれるので、読者としても理解がしやすいです。
また、随所に「おっ」と思わせる発言があります。たとえば、上と同じ編で
「安全か危険かという結論を出すよりも判断の土台となるデータを出すことが大事だと思いますよ」
という発言がありますが、全くその通りだと思います。が、実際は差別に繋がる恐れがあるからといって、そのデータを出すことも(もしかしたら取ることさえ)も渋っている現状がありますね。本当に悲しいことです。
今回の作品はこれはこれで良かったのですが、もし次があるとすれば思想の領域にまで踏み込むことを期待します。そうでないと、誰にでも書けるようなスタイルなので面白みに欠けます。次は底に期待します。
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滅多に読まないルポ漫画などを。
ルポ漫画を多く手掛ける鈴木みそが実体験を通して震災について描いている。
先に評価の内訳を描けば、内容は星4、漫画として2(好みの問題)。それで結果が3。(なぜ漫画として評価が辛いのかは末尾↓)
「自分と家族の話」「自分と出版業界の話」「放射線の話」「食品による内部被ばくの話」など多岐にわたって、軽いタッチでしっかりと描かれており、総括的に震災について考える一助となる。
電子書籍については、待望する作家と読者がいるのに、実際に調整しなければならない出版社側(編集者側)は見通しの悪さに半ばあきらめに似た気持ちを抱いているという三者の想いを捉えながら、「やっぱり『ハード』の種類が多すぎ」という突っ込みでさらりと流すところなども好感を持てた。
アマゾンで特に評価の割れている経済学者小幡績氏の捉え方として、確かに一人の論をそのまま受け入れただけになっていないかという指摘は尤もだけれど、この頁数で反駁を入れるのは難しそう。私的には極論だからこそあえて紹介(するに留めた)のではないかと思う。
さて、問題の漫画としての評価。
漫画である以上、わたしは絵もリズムも評価対象。
実在の場所や人物を描きつつ、放射性物質などの説明を織り込んでいくのは非常に難しいのではと思う。場の流れとか転換とか、つなぎ部分は特に難しい。しかし、漫画はこの流れがスムーズであればあるほど読みごたえが生まれると思うのですが…
いまいち。
ルポコミック読み慣れていないから?とは思ったけど、ルポに近いだけの説明を織り交ぜた『もやしもん』の方が断然読みやすい。(こちらは私のよく知る分野でもあるけれど)
その最大の理由が、登場人物の「目」の描き方ではないかと思った。
主人公である著者以外の「目」の感じが時々恐い。それも、わざわざ恐くしようとしていない時でも恐い。無表情?みたいな。
野尻先生についてはそんな感じしなかったから…ご本人のキャラクターを投影しているのかもとは思うのですが、漫画家さんとして画筆がアップしてもっと表現豊かになると、ルポでも息もつけないほど面白い作品に仕上がるのではという期待を込めて、辛めの評価。
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良書です。買って読んでください。是非。
雑誌連載時の原稿料は、すべて義援金になっているようなので、コミックの売り上げが、この作者に対する正当なる報酬となりますので、是非、新刊で、近所の書店で、お求めください。(Amazonにリンクがありますが、むしろ、近所の書店でこそ買っていただきたい。理由は、本書「僕と出版が震えた日」参照のこと)
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ぼくは個人的には、3.11により、大きな被害は受けていません。
自分自身にも、また身内にも、特に被害はありませんでした。(ヨメが帰宅困難状態にはなったけど、幸い仕事仲間の方々のおかげで、特に問題はなかったようです)
なので、3.11関連でネットやメディアで様々なことが取りざたされても、特にそれらに対して意見を言うのは控えてきました。
なにせ、我が身における情報がない。
何ら被害を受けていない人間が無責任なことを言うのははばかられるし、科学的な知識もなければ、ボランティアに行くような精神的経済的余裕もない中、実体験がないままに、「震災の被害」に関して、想像することや情報収集することはできるけど、それらの情報を精査して自己判断することができないのです。
ネットやメディアの情報が、すべて正確であるとは思いませんし、さりとて、すべてが間違っている、とも思いません。(隠蔽や陰謀という言葉をよく聞きますが、おそらく、日本はそんなマンガみたいな「裏社会」の土壌は、特になく、実際にはたいしたことないと思ってる。もし隠蔽や陰謀などが行われているのだとしたら、とっくの昔に、首相レベルの政治家たちが、5,6人は暗殺くらいされていてしかるべきです)
なので、3.11の話題は、とにかく避けてきました。
僕には何らの責任を持った発言ができないからです。
ぼくの周りにも、震災による被害をことさら大声で言い立てる人、放射能被害による危険性を声高に警告する人、とにかくすぐにでも日常に戻ろうとする人、これをチャンスとばかりに震災ビジネス(とまでは行かないにしても、お金儲けに走る)人、様々です。
そしてツイッターなどを見ても、放射能問題、原発問題、電力不足問題、様々な観点に立って、賛成・反対、激論が毎日交わされています。
時にその激論は、相手をなじるだけの暴論に成り下がり、一方的に相手にケンカを売るような、見にくい状態にもなります。
それは、それぞれが、それぞれの正しいと思っていることを、本気で言い合っているからこそなのでしょう。
そしてそんな言葉を見るにつけ、目を閉じて、顔を背けてしまいたくなる思いを持ってしまいます。
なぜそうなるのか。
誰にも正確なところがわからないからです。
専門家と言われる人たちは、専門家である以上、無責任なことは言えない。
正しいことを伝えようと思えば思うほど、意見が言えなくなる。
それでも、知らなくちゃ行けないし、知るのであれば、できるだけ正確に知るべきなのです。
「何となく危険だと思う」じゃなくて、「正確に知って、その上で、怖がるか安心するか、個人で判断する」ということを、このマンガは、ルポルタージュとして、丁寧に冷静に伝えてくれています。
もしかすると、このマンガの記述も、すべてが正しいとは限らないかもしれません。
でも、まずは「ちゃんと知る」ところから始めるべき。
それを教えてくれて、できうる限り正しく、丁寧に情報を広めようとしてくれている本書を、たくさんの人に読んでいただきたいと、切に願います。
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以下、内容紹介。
・僕と家族が震えた日
震災当日の、作者本人の家族の話。
ディズニーランドも含めた千葉の現実。
まさに作者の娘さんが、TDSにいたらしい。すごいな。
・僕と出版が震えた日
「紙」媒体である「書籍」が被害に遭った話。
出版業界がどれほどの被害を受けたのか、わかります。
紙がいかに脆弱か、それと同時に、紙がいかに強いか、わかります。
100人以上の子どもたちが読んだ、一冊のジャンプの話は、紙媒体ならではです。(電子書籍では無理なこと)
・僕と加速器が震えた日
つくばにある加速器の研究所の話。
かなり有名な研究施設ですが、かなりの打撃を受けていたらしい。
全然知りませんでした。
換気は重要。
・僕と経済が震えた日
ミセス・ワタナベと、円高についての話。
この話に出てくる経済学者の方のお話は、とても興味深い。
物事の判断の仕方が明確で、力強い。
「メディアで自由な発言ができない」
「政府もメディアも信用を失っちゃった」
そして、「復興は誰も望んでいない。ただの復旧しか望んでいない」
この考え方、現実感には、がつんとやられる。
・僕と放射能が震えた日
食品の、正しい放射能の測り方の話。
細かいことは気にしない派、まあまあ慎重派、リスクを最小限派、それぞれ、間違っているわけじゃない。
ただ、個人の判断による。(これは致し方がない)
ただし、「気にする気にしない以前に、単位は正確にね」→これが一番大事な気がする。
あと、銀だこが素晴らしい。(たこ焼き屋さんね)
・僕と日本が震えた日
実際に岩手旅行をして取材してきた話。
人っ子ひとりいない村。
すべてが流された町。
でも、「生きてさえいたら何とかなる」
正しい放射線の測り方(※以下の二編は、パブリックドメインで無償配布されていますので、興味のある方は実際に本編をお読みください)
I・ガイガーカウンター編
http://p.booklog.jp/book/30823
II・食品線量計測編
http://p.booklog.jp/book/43253
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繰り返しますが、この本は良書だと思います。
もちろん、すべての記述が正確なわけでもないとは重々承知していますし、震災から、また雑誌掲載時からある程度時間も経っているので、情報の精度、という意味ではまたいろいろと変化しているかもしれません。
でも、今��この本を読むことには、意味は必ずあります。
ネットで情報収集もいいですが、玉石混淆でどれを信じていいかわからないのであれば、極力、情報を偏らないように丁寧にルポルタージュとして描いてくれている本書は、一読の価値はきっとあります。
ぜひ、お近くの書店で手にとって、購入してください。
おすすめします。
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未知の恐怖を知る。怖いから見ないのでなく、まず正しく知ることが大切。
知らずにうやむやになっていたことが少しは見えてきたかも。
そしてこの本を買うことが義援金の一部になっているというのは幸いです。
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東日本大震災のレポートマンガ。当初Webで全部無料閲覧できたのだが、いまはできなくなっている。それに、本の売り上げは義捐金になるということなので、購入。
主に放射能問題について割かれたページが多い。大上段に構えることなく、一市民の素朴な視点で描かれているものの、もう少し多面的検証というか、体系的にレポートしたほうがよかったのではないか。ややエモーショナルになってしまった感がある。
まぁ、エッセイマンガとしてはこれでもいいのかもしれないけれど。
ガイガーカウンターの正しい使い方(これはまだWEBで無料閲覧可)は、わかりやすくよくできていた。
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東日本震災のルポルタージュコミックだが、被災地として浦安をとりあげたほか、出版業界、筑波の加速器といったあまり知られていない被災にスポットをあてていて面白い。その他、日本の経済は震災でダメージなど受けていない(震災がなくても衰退しているという意味で)という経済の視点や、放射線との共生は、気にする気にしないはともかく、それは正しい測定からはじめるべきだという放射線問題の視点などとても説明がわかりやすい。著者がそうなのだが、直接の被災をこうむらなかったという人にとっての震災を考えるうえでとてもよい一冊だと思う。
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例の震災で起きた大小様々な変化の一庶民的視点からの記録漫画。
正確な情報をなるべく恣意や感覚的な判断が入らないように提供することで各自がより正しくリスク判断をできるように、という趣旨には賛同できるし、「放射線の正しい測り方」や経済への影響など参考になる記事もたくさん。
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ある漫画家が取材した、震災、経済、放射能などなど。末期状態と言えるネットの議論とかとは一線を画しており、わかりやすく、偏りがなくてとても良いと思いました。
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ルポコミックの名匠・鈴木みそが、等身大の被災を元に取材して描く、あの日からのドキュメント全8編!
ルポコミックの名匠とはよく言ったもので、(他のルポコミックをそんなには知らないが)この人の漫画は面白くて読みやすい。
恐らく取材の仕方も上手いのだと思う。
専門家から色々な話を聞き出せるとゆーか。
そしてそれを自分の中で噛み砕き、独自の視点でしっかり漫画としての表現してくれる。
今回のこの本は、ルポコミックの決定版と言ってもいいと思う。
誰もが敬遠してしまいそうな題材、”東日本大震災”を取り上げて、自分の意見も盛り込みながら、ここまで客観的に描けるって凄いと思う。
かつ分かりやすい。
震災から一年半。
まだまだ問題は山積みだけど、被害に合わなかった人も、同じ日本人として向き合っていなかければならない問題だと思う。
また、この本の原稿料は全て義援金に行くそうです。