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最初の「原始人」ネタの奇妙さに、精一杯ひいたところで明かされる苦い真実に絶妙なバランスとオリジナリティを感じた。またそうした苦い真実からの時間的な距離感も程よい読み心地をつくっている。とはいえ主人公の自虐的な性格は苦手。最終章による伏線の回収も、自虐の裏返しのナルシシズムを感じてひいてしまう。どちらかといえば、サンドリヨンのシリーズのほうが好み。
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言葉選びのセンスがめちゃめちゃ秀逸
タイトルからしてかっこいい!
じょじょに変化していくシバくんと
変わらないマツリカさんのキャラクターもすごく良い!
続編をぜひ読みたいです
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姉さん大変です。僕は今、原始人を探しています――――。
どこのホテルマンだよとツッコミを入れたくなる冒頭文から、どんどん惹きこまれていった。リーダビリティの良さが、本を読むという行為の、熾烈な時間獲得競争の中で生き残っていくための一つの条件になっていると思う。
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相沢さんの作品は好みの問題でしょうけど、ヒロインがイマイチ…。
ちょっとこう、ミステリアスな感じの淡々とした人が好きなんだろうなあ、と思わされます。
好みじゃない…。
あとは微妙な凝り方をされているので、途中で何の話だったっけとちょっとごちゃごちゃになりやすいような気もします。
私の頭が悪いだけなんでしょうけども、ちょっと整理しないと、っていう部分はあるような。
しかし本当にヒロインが謎。
何を考えているのかもいまいちわかりにくいし、何でそんな所に居坐り続けるのかもちょっとよくわかんない。
もう少しその辺り掘り下げてください!となってしまいました。
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学校近くの廃ビルから学校を双眼鏡で観察する少女・マツリカさんによって柴山くんが遭遇する謎が解き明かされる形式の一種の安楽椅子探偵ものか。
最初の謎はそれほどでもないけれど、文化祭の消えたアリスの衣装の謎と、ラストの一編は良かった。いたずらディスガイズ:フーダニットとワイダニット、アリバイが絡み合って、真相が明らかになった時スッキリ。ラストのワイダニットは全編通しての伏線がやっと回収。
終わり方を見ると続編出せそうだけど、どうなるやら。
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冴えない男子柴山が謎の変人美少女マツリカとの出会い、もたらされる物語。
「柴犬」と呼ばれながらも、マツリカの色香に翻弄される物語。
というか、胸とか太腿とか見てばかりいる。
特に太腿。これは、作者の趣味だろ。
青春ミステリというけど、ミステリ部分はそれほどのことじゃない。
けど、青春ものとしては、確かにほろ苦い。
「原始人ランナウェイ」
柴山とマツリカとの出会い。
原始人の噂、教育実習生の行動、マツリカさんが安楽椅子探偵のように根城の廃墟ビルでその謎を解明する。
「幽鬼的テレスコープ」
小西さんに誘われて行った肝試しで、幽霊と思しき声を聞いた柴山の物語。
マツリカさんの全裸を見て動揺したり、猫がおっぱいに挟まれてるのを見て意味わかんなかったりする話。
「いたずらディスガイズ」
文化祭で消えたアリスの衣装とゴキブリ男を捜すことになった柴山の話。
小西さんのメイド姿にドギマギしたりする話。
「さよならメランコリア」
アルバムから切り取られた姉の写真の謎。
三年生の卒業、マツリカさんの今後。
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装丁がかわいくて読んでみたくなった1冊。
廃ビルに自称住んでるマツリカさんと、それに振り回される男子高校生柴犬の話。派手じゃないけど「おお!」ってなるミステリー仕立ての短編で、さくっと読めるのでオススメ。
作品を通して、柴犬がちゃんと成長してるとこがなんか良かったなー。
マツリカさんがスタイル抜群の美少女な設定なのは仕方ないとしても作者は太ももフェチとみた。笑
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タイトルと表紙で気になっていたこの作品。
フォロワーさんから「太ももミステリ」と教えてもらったことが、
読むと決意した最大のきっかけに。
「太ももミステリ」その言葉に偽りなし。
マツリカさんの太ももや姿態に見惚れてしまう柴山の
気持ちが痛い程によくわかる。
脚フェチ、太もも好き男としてはその視線になってしまう。
わからないのは、そこで我慢してしまって、
触るという行動に移さないことか。
それをしてしまったら、作品ジャンルが変わってしまうけど…
「氷菓」に続く、人死にがない日常のミステリ作品。
こういうのもいいね。
男女二人のキャラクターの会話で話が進んでいくという点で
「謎解きはディナーのあとで」を憶い出した。
その作品よりも圧倒的にこちらの方が面白い。
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前作が面白く、表紙の絵にもひかれ読みました。
― 冒頭の原始人をさがしています ―という文言でググっと
その世界観に引き込まれました。
プチストーリーが4編で、その一つ一つに伏線が張ってあって、最後のストーリーにつながるという手法は前作同様。
この張り方がうますぎて、毎回気づかずにとても楽しく読ませていただきました。
事件にもならないような話。だけど、心の問題としては重大な事件を怪人〇〇として、のどかに解決するというのがより楽しく読めました。
これで終わりなのかな、続編があれば読んでみたいです。
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2011年日本推理作家協会賞(短編部門)候補作になったという『原始人ランナウェイ』を読みたくて本を手に取る。
「姉さん、大変です。僕は今、原始人を捜しています」
いまひとつ学校になじめない高一男子柴山は、雑居ビルの屋上から飛び降りようとしている同じ学校の女子生徒を見かけ、おもわず助けに向かう。その女子生徒は『マツリカ』と名乗り、この廃ビルに棲んでいるという。かくしてシスコンでMっ気がある『柴犬』柴山は、マツリカに無理難題を押し付けられ、こき使われることとなるのだが...
青春ミステリというよりは、ミステリ風味のジュヴナイルといったほうがよいのか。積極的な謎解きよりも、思わぬ真相が明かされるといった要素の方が強い気がする。
収録作『原始人ランナウェイ』は、タイトルの語感の能天気さからは想像できない真相で、学生生活の残酷な側面を見せつけられた。全体的に『青春の苦さ』を超えた痛ましい話が多い。
主人公柴山がちょっと卑屈過ぎるとも思ったが、そこがこのミステリの主題だったのかもしれない。マツリカの描写も、いわゆる『萌え』や『エロ』が少々あざといと感じたが、それも柴山の目を通した姿だと思えば理解できる。
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再読、ですが感想を書くのは初回。82点。
**
柴山祐希は夏のある日、廃ビルの上階の窓辺に腰掛けていた不思議な魅力を持つ女子高生マツリカと遭遇する。
彼女から放課後校庭に現れる原始人や文化祭に出没する恐怖ゴキブリ男の噂を調査するように命じられて、、、
そんなやり取りを通して少しずつ彼女と接していく。
4編収録の連作短編集
**
相沢沙呼3作目、酉乃初シリーズ以外の初の連作短編集、マツリカと名乗る不思議な少女の魅力満載の小説。
正直なところ前の2冊はミステリとして見た場合上手く連作短編集として仕上げられていると感じましたが本作はその部分が非常に弱いと感じてしまいました。
基本的にはマツリカさん、それと柴山のクラスメイトの小西さんのフェティシズム溢れる描写を楽しむ小説だと思います。
最初の短編の「原始人ランナウェイ」は学校の怪談、噂話が出来上がる過程を上手く解き明かす点で舞台設定とマッチした良い短編だと思いますが他の短編はそこからやや外れて行ったのが少し残念。
最後の短編も連作短編集として、それまでの短編に真相の伏線は張られていましたがこのタイプならもっと存在感が欲しいところ。
また『午前零時のサンドリヨン』と比較するとドラマ性に大きく欠けるのも残念な部分ではないかと思います。
殺人事件、それも密室殺人や首切り殺人をミステリの華を喩えられるのに対して、日常の謎は地味だと言われる、言われてしまうのが身に染みる作品だとも言えるでしょう。
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設定がとてもメルヘンチック。廃ビルの中で双眼鏡を片手に主人公を待つ謎めいた女子高生。上から目線を最初から最後まで崩さない。心に傷を持つ主人公を手のひらで転がす様は読んでいても苦笑する場面も。もう少し若い頃に読めばもっと面白かったのだろうなと思った。高校を舞台に日常の謎となると使い込まれた題材だけにちょっと変わったことをしたのかったのだろうなと作者の意図は理解。
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学園ものってちょっと苦手なんですけどね。なんというか、青春とか思春期的な鬱陶しさとかあんま興味ないというか。
読み始めて感じたのはその鬱陶しさですかね。ぼっちを気取りながらも結局はかまって欲しい感じの主人公がまた鬱陶しい。そしてエキセントリックな女子生徒がからんで……といういかにもラノベっぽい流れが。。
それでもなんとなく楽しんで読めたような気がします。この作者さん特有の「最後になんだかんだうまくまとめて」というのが。なんだか丸め込まれたような気もしますがw
序盤から中盤のだれっぷりを綺麗にまとめる才に長けているんだろうか?読後感はそんなに悪くなかったです。
しかし、太ももに関する描写が多すぎ。どんだけ太もも好きなんだww
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〈内容〉柴山祐希、高校1年生。冴えない学園生活が、彼女――マツリカと出会い一変した。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされる憤りと男子的モヤモヤした感情の狭間で揺れながら学園の謎を解明する。ビタースイートなミステリ!
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学園物推理小説といったところか。学校近くの廃墟のビルでであった先輩と思われる女性徒と主人公の関係を通じて、主人公の姉コンプレックスのなぞに迫っていく。これまた学校になじめないちょっとオタク気味の少年の物語。二作続いてオタク気味の少年の小説を選んだのはちょっとおかしいのかなあ自分が。時間つぶしにはいいけど。