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明治幕末。いつも注目されるのは坂本竜馬や志士たちの戦いですが、日本を発展させる為経済面からあらゆる手だてを打った澁澤栄一の生き方が眩しい。
500を超える会社の起業に携わり、日本で興した事業には ・銀行 ・保険 ・肥料 ・製紙 ・砂糖 ・証券取引所 などがあり、企業では ・帝国ホテル ・京阪電鉄 ・東洋紡 ・キリンビール ・東京ガス 等がある。
本書は大きく3部で構成されている。
①志士活動から幕府重役へ
②海外での視察活動
③明治後の事業家
澁澤栄一の自伝を抜粋して現代語訳されている。
明治政府樹立後の重鎮達とのやりとりも面白い。
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本多静六先生の本に、ちらっと明治の実業家の渋沢栄一氏がでていたので、ちょうどてごろの本だと思って買ってきた。
農家の出から始まって、一橋家に仕え、いやいや幕臣になってしまい、そののち大蔵省の役人をとびだして実業家になったという、波瀾万丈というか、いいかげんな人生を淡々と話している。
能力もあったのだろうが、よく、出世したものだとおもう。どういう能力が優れていたのか、リスクをとってどんどん先にいくという点ぐらいしか、能力として光る部分がない。
しかし、今の日本社会にはそれがいちばんかけているのかもしれない。
おもしろかったのは、明治の偉人への評価
(1)伊藤公は、何事においても「常に自分がいちばん偉い者である」ということになっていたかった人である。(p194)
(2)井上馨(侯)は、世間によくしられている通り、とても悲観的な傾向のある御仁で、すべての物事を悲観するとともに、他人の過失を性急に責めるような気質を帯びていられた。(p214)
(3)大久保利光侯は、私が嫌いだった人で、私もひどく大久保侯から嫌われた。(p206)
なんだか、明治の元勲も、当時の仲間からみると、普通に悪口をいわれていたのがわかる。
なお、最後に、渋沢栄一氏自体が、王子製紙の会長を引きづりおろされるエピソード、だれも栄一氏にさかられなくなって考えなくなってしまったことをも載っていて、考えさせられる。
まず、部下にできるだけ権限を譲って責任をもって考えさせることが大事だと痛感する。
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明治時代の実業家の渋沢栄一さんの自伝。
思い立ったらすぐに行動し,ブレない姿勢が素晴らしい。(どこぞの元首相とは違いますね。)
自分の信じた道を,リスクがあるにもかかわらず突き進んでいく姿は,目標になる。同時代の偉人と言われている方への評価がとても面白い。
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幕末は本当に酷いもので、読めば読むほど末期だったのだと思い知らされる。
運もあったのだろうが、志さえあればこうまでもなんでもできるのかという。
しかし、国創りのため有能なものが皆官になだれ込む中で民の無気力を嘆いて飛び込んだというのは自伝とは言え面白い。
もう少しこの人のことを知りたくなる本だった。
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訳した守屋先生を悪く言うつもりは全くないのですが、回想録って「自分は偉かった」に終始する気がする。この本もその例に漏れていない。
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渋沢栄一と言えば、日本実業界の父ということで、現代に残る多くの企業の設立に関わってきた人です。
そんな人の生き方に、現代の行き詰る企業へのヒントがあるのでは?と思って読みました。
…が、超行き当たりばったりの人生でビックリ!!
倒幕派のはずだったのにお金がなくて一橋に仕え、やる気なくなったところに水戸藩のご子息のお供でフランスに行く話が出て、その間に幕府は瓦解、色々考えながらも結果的には人に誘われて新政府に入る。
これが、「キャリアは偶然性を大事に」ってことか~
実業界に出てからのエピソードが薄めだったのがちょっと残念。
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渋沢栄一が晩年に語ったのだろうと思うのだが、特にその背景にある自分の考えを説明する箇所は、きっとそうなんだろうなと納得できる。
自分が70,80になった時に大学時代の出来事について、当時の自分の行動した理由やだれが何を言ったのかまで、正確に覚えて伝えられるかと思うと、やはり尋常ならざる秀才であり、日本実業界の父として、称えられるだけのことはあると納得した。
渋沢栄一の本は他にも多数出版されているので、読んでみたいと思う。
気になった言葉。
資産あっての事業、事業あっての労働あると同時に、
労働あっての事業、事業あっての資本である。
賃金を与えるものが貴いと言うのなら、労働を与えるのもまた貴い。
いやそのいずれも与えるのではい。資本と労働との持ち寄りに他ならない。
さらに適切に言えば、資本家と労働者との人格的共働がすなわち産業である。
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渋沢翁の功績をよく聞くが、具体的に何をしたか知らなかったため購入。
読了し、渋沢翁の功績は思っていたより低いと感じた。なんか普通に働き、運よく引き上げられた感が否めない。
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論語と算盤を読む前に、渋沢公がどのような波乱万丈な来歴を経た人物なのかを知る為に拝読。
意思は堅いが、時代の風向きを読んで水のように立場を変え、運を味方につけるのが(もちろん数え切れない辛い不運もあったことであろうが…)うまい人だったのかもしれない。
幕末~明治がいかに政治・社会の激動激変の時代だったかが伝わってくる。
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日本資本主義の父とも言うべき渋沢栄一。本書は渋沢が残したいくつかの自叙文を時系列に再編したものだ。その実績から、さぞかし思いのままに才能を発揮していたのだろうと想像していたが、さにあらず。むしろ望まない境遇に押し込まれるシーンが多い。尊皇攘夷を思いつつも幕臣となり、一橋家の供で洋行していたら幕府が倒れ、いっそのこと長期留学と目論んだら呼び戻され、実業の世界に身を投じようとしたら大蔵省に引っ張られ。しかしその境遇を悲観せず、それぞれの場所で能力を最大限に出力していた。我が身を振り返り甘さを悔やむ。がんばろー!\(^o^)/
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朝倉さんの書籍、「論語と算盤と私」を読了後に関連書として手に取った。渋沢栄一名前はよく聞くが詳しくは知らなかったが、なるほど日本ビジネスマンの開祖とも言うべき人物だった。幕臣、官僚として苦労しながらも、実業界に転じてからは成功の連続。自伝ということもあってか、成功の秘訣はわからないが、本書によれば正しいことを主張することをはばからず、通じなければ職を辞すのは我が身と重なり気分がいい。
「算盤と論語」というサブタイトルはあまり本書の趣旨と重ならないが、道義と倫理には優れた人であったのだろう。自伝なので裏もあるのだろうが
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論語と算盤、すなわち道徳心を持って経済活動を行うことを体現してきた渋沢栄一。尊敬する偉人の1人。これでも相当抑えたのだろうが、少し自慢話みたいな語り口が残念。それでも、自分の目で見て、自分の頭で考えて、当時の日本と社会に必要だと確信したことを、実行してきたその生き方はかっこいい。
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すごい人。もっと深く知りたくなった。
資産あっての事業、事業あっての労働あると同時に、
労働あっての事業、事業あっての資本である。
賃金を与えるものが貴いと言うのなら、労働を与えるのもまた貴い。
いやそのいずれも与えるのではい。資本と労働との持ち寄りに他ならない。
さらに適切に言えば、資本家と労働者との人格的共働がすなわち産業である。
木戸孝允のこと
一人登用をしようとした人物がいた。その人物の評価を聞きに、当時特に役職も高くない渋沢の家を訪れた。
人を引き上げるということの重要性。
大久保利通のこと
何を考えているかさっぱりわからなかった。気味が悪くて、渋沢は嫌いだった。
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・百姓の身分の渋沢を雇った一橋家も凄いし、その中で才覚を発揮していく渋沢もまた凄い。
・何故、初めてやることに対して、最適解を見出せるのだろうか?
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明治の時代に470あまりの会社の創業と発展に関与した渋沢栄一の自伝
士農工商という階級社会において農民だった人が、倒幕を目論んで志士となったハズが、幕府に仕えることになり、さらに渡仏し明治維新が起きたことをフランスで知る。明治新政府で大蔵省官僚になるが、辞任して銀行の役員になる。そこから、数々の会社に関与していくことになる。
労働の根本的な意義は社会奉仕である。社会の必要とする物資を生産して社会に貢献する。