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内容紹介より
「15歳の晴海は、旅先のニューヨークで母親が突然姿を消し、とまどっていた。「高校へ行かない」と言い張る自分に対する、怒りの表明なのか?しかし晴海の胸のなかには、両親に口が裂けても言えない〈秘密〉があった。高校に行きたくない理由となる、ある〈秘密〉が・・・・・・。 一方、母親の可南子にも、決して小さくない〈秘密〉があった。フィギュアスケーターとして活躍していた自らの10代にまでさかのぼる、ある〈秘密〉が。胸の奥底に、棘のようにずっと刺さったままの過去と向き合うために、彼女は娘を置いてペルーへ向かう――。」
晴海のニューヨークから日本への一人旅。そして日本へ戻ってからの父との生活。
母・可奈子のマチュピチュをめざす日記。
その2つの話がパラレルに語られる。
しかし読み進めるうちに、マチュピチュをめざす日記が可奈子のものだけではないことに気付く。
日本の父娘、ペルーを目指す可奈子、そしてペルーを目指すもうひとつの日記・・・
望月青果店とは一味違う母と娘の物語である。
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旅先のニューヨークで娘の前から突然姿を消し、母はマチュピチュ(空中都市)に向かった。(母の立場から言わせてもらうと、こんなこと本当に実行できる人がうらやましい)
異国ペルーの地で過去を見つめ直す母と、日本に戻り現在の自分と向き合う娘。それぞれが前向きで好感が持てる。そして、二人を包み込むような夫であり父の存在がまた良い。『望月青果店』とは一味違った母と娘の物語。
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一人の女として、マチュピチュに行ったのは、何となく解るけど、母親が海外で子供を放ったらかしての行動となるとウーンと唸ってしまう。小説としては有りなのかも?
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マチュピチュが舞台というので手に取った。
構成がおもしろい。
細かい心の動きには納得しながら読んだけど
ここぞという決断や行動には、母にも娘にも共感できなかった。
なんだろうこれは?
『ガラスの森』『はだしで海へ』に続く三部作らしいけど
単独で読んでも問題なし。
クスコからマチュピチュへの紀行が楽しい。
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母と二人でNYに来ていた15歳の晴海は、マンハッタンのど真ん中で母に置いてきぼりにされる。途方にくれながらもホテルにもどり、どうやら一人で日本に帰りつく。父・宗ちゃんは、普通に空港に出迎えに来てくれる。突然姿を消した母は、一人マチュピチュへ向かう。
と、なんだか唐突な始まりで面食らうのだが、晴海が高校へ行くことを拒んだことから話が始まっている。
母と娘のそれぞれの自分探しが始まる。
そもそも、この話はフィギュアスケーターであった母・可南子と流をめぐる3部作の3作目である。…という事を知らずに読み始めたので、最初は結構悩んだ。結果、悪くはないけれども、この作品だけ読むと、いろいろ唐突過ぎて面白みに欠ける。「ガラスの森」から呼んでいる人は、面白いのかも。では、「ガラスの森」から読み直してみようか、という気にはならなかった。
いろいろと、消化不良でした。
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マチュピチュが出てくるまで、題名の空中都市が結び付かなかった。
それにしても、時間、空間、世代を超え、母親と娘が同じようなことで悩んで、同じような結論を出すとはなかなか面白い。
やはり似たもの同士だから、時には激しいくらいに憎しみ合い、時には妙なぐらいに一致していることがある。経験談。
父(男)には分からない絶対領域というのが、女性にはあるのかもしれない。
ただ男側の責任がかなり大きいということに気付かされた。
不用意な一言は注意が必要。
面白い構成の物語。
母娘の絆を再確認できるストーリーです。
人生を模索するのは早い遅い関係なく、いつでもできる。
だた唐突すぎて、自分を含めて周りは付いて行けない節がある。
自分探しは最大にして最高に難しいものです。
未だに彷徨っています。
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本屋さんで飾ってあるのを見つけて、なんとなく手が伸びた。
ぱらっとめくって、少し読んだら読みたくなっちゃってお買いあげ。
文庫じゃないけど買っちゃった。
この小手鞠るいさんの名前って結構見かけてきたんだけど
今まで手を出したことがなくて、今回初。
すごく読みやすいです。
過去を振り返る母と、現代を生きる娘との時空が行き来する。
あっさりと読めるのだけれどもなんか素敵な話だった。
なんとなく昼下がりの午後に読みたい。
そして元気がなくなったとき、何かを見失いそうな時に読んだらよさそう。
あとがきで知ったのだけれども、これっていくつかのシリーズがあって
それの完結編だったみたい。
知らずに読んでも全然楽しめたけど、
このシリーズを読んでまたこれを読み返すのもいいかも。
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マチュピチュに行きたくなった。爽やかで読みやすい本。これって3部作の最終回だったんだ。これしか読んでないからアッサリしすぎてるように感じたのかな。他の2冊、時間があったら読んでもいいかなあという程度だから読まないかもな。
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ガラスの森、はだしで海へ、に続く森海空・青春小説三部作の完結編。
るいさんというと、どこかで再会して終わるのかと思ったけど違っていた。
でもこの場合、普通に再会してというのはむつかしそうだと、読み終えてから思った。
マチュピチュへのガイドブックにもなりそうな一冊。
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青春小説というだけあってキラキラした、淡い感じの物語でした。
ふんわりした気分になります。
最初は娘がNYに1人おいて行かれるので、どうなるのかとドキドキでしたが、母である可南子にとっての青春を振り返る旅の始まりでした。空中都市に行ってみたくなりました。情景が浮かんでくる文書でした。
3部作のラストだったようなので、残り2作も読んでみたいです。
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しなやかな個々の人間の本質、娘と母親であっても、、、過去を確かめる母と未来を築きあげようとする若い娘、トボけた父親だが包容力と大局みている。何か信頼し合えたイイ関係です。
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ふと久しぶりに小手鞠るいの本を読むか、と思い立ち、タイトルが気に入って読んでみた。
けしてつまらないわけではなかったのだが、、。
なぜ娘を旅先のニューヨークに置き去りにして、ペルーに旅立つのか、実のところよくわからないし、ピュアな親子愛(母と娘、父と娘)、家族愛、淡い恋心が織り交ぜられたストーリーは青春感が溢れてて、ちょっとくすぐったい。
甘い砂糖菓子みたいなものが好きな人にはお薦めな気もするが、ちょっと私にはピュアすぎた。
といいつつ、ペルーの旅行記と思って読むと、、割と良かった。ウルバンバ川のことが書かれた小説なんてないかも!と思ったり。
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「物語」より「街の紹介文」が長くて飽きた(^_^;)
好きな言葉メモ。
P60 人が何かを選ぼうとしている時、他人にはその自由を奪うことはできない。たとえその選択の自由の先に待ち構えているのが、不自由であっても、敗北であっても、絶望であっても。
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母には母の、
娘には娘の人生がある。
社会的な立場や常識にとらわれず
自分の生き方を選んでいく
お母さんと娘。
そしてそれを温かく見守ってくれる
お父さんの存在。
空中都市 マチュピチュを目指す
旅の日記のような部分も多く、
どんな場所なんだろう?と
想像して読むのが楽しかったです。
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【印象】
層のある話。
人生に迷っている少女と、遠く離れた異国の山岳部にある遺跡へ向かう手記と。
【類別】
小説。
青春、ロマンス、紀行、ほんの少しミステリ。
【構成】
並行的に語られていく作品であり、この点において類するものには村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』があります。
あからさまに隠されたり、わざとらしいほどに満を持して明かされたり。
【表現】
平易。
なぜか料理関連の情報が豊富です。
【備考】
筆者によれば本作は「森海空・青春小説三部作」の締めに当たりますが、各作品が独立的であるために単体で読むこともできます。