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プロ無職とは随分気になる響きではないか。僕も入門したい。と思ったが、プロ無職、という職業に入門できるものではなくて、プロ無職たる著者に入門するための本だった。読書した、という記録をつけるのも憚られるような、適当でいてグルーヴ感のあるどうでもいい話が満載。プロ無職に入門できなかったことは残念だけど、それ以上に残念なのは、僕だってプロ無職だったのでは、という後悔に似た念に襲われたこと。この本にこんなことをいうのはどうかとも思うが、あえて言おう。玉石混交!
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高木壮太"プロ無職入門"を読む。
職業ミュージシャンでありながら/であるからこそ「プロ無職」を名乗る著者がネット上に書き殴ったお言葉集。
と、これだけどペラペラのサブカル本のようにも見えるがそれにとどまらない。真顔でふざける著者の思想がにじみ、現代哲学の雰囲気を感じさせる。
このような発言が解説なしに並ぶ様は圧巻。
○ニューギニア奥地のある部族の言語には「ノー」にあたる言葉がない。この部族の人に「金を貸してくれ」と言えば、「担保の査定に数ヶ月かかるがよいか?」と答えるそうだ。
○TVに出てくる学者は放射能を「科学的」に説明しようとするからダメなのだ。一般の人にとって放射能とは「呪い」「タタリ」「怨霊」の一種である。
○さて、さおだけ屋のバイトの時間だ。自分の受け持ち区域は丸の内、大手町、霞ヶ関。「上司を殺すから短く切って先を尖らせてくれ」という注文が多い。
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この本は、無職になって生き抜くためのノウハウが書かれたものではありませんし、〝職がなくても生きていけるぞッ〟なんて希望の光を見出せる類のものでもありません。だいたいこの世知辛い世の中、な~んにもせずに食べていけるわけないじゃないですか。
そもそも著者(?)は無職の人ではありません。不安定な職業といえるかもしれませんが、一応ミュージシャン、映像作家、エッセイストなどの肩書を持たれ、活躍していらっしゃるようです。
本書は、ツイッターの鬼才と呼ばれる氏の、ネット上の様々なつぶやきがまとめられたものです。内容はウソかホントかよくわからない(てゆーか、どうでもよい)くだらないことばかりが綴られているのですが、よくもまぁ、脈絡もなくいろんなことを思いつき、しかも次から次へと短い文章にまとめて発信できるなぁと感心させられます。でも、中には〝おぉ、なるほどッ!!〟〝そーだ、そーだ、そのとーりだッ!!〟なんてことも含まれていたりするので、なかなか油断なりません。無職とうそぶきながら、実はけっこう世の中に関心があり、あちこちアンテナを張り巡らせておられるんでしょネッ。著者は良く頭の切れる、切れすぎて常に顔面血だらけの人のような気がします。
べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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