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フェルメールの絵画をすごく詳しく解説しています。特に原寸大の写真は、美しくかつ迫力があります。同時期の他の画家の絵も紹介されていて、初心者にも分かりやすいです。36点のうち数点しか取り上げていないので、ぜひシリーズですべての解説本を出してほしいです。
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フェルメール全作品を観賞された唯一の知人、中村(Tak)さんが、フェルメール30作品の解説執筆と全体の編集に携わったパーフェクトガイド。
オールカラーの大判です。
各作品一枚一枚の絵に矢印を入れて「ここがポイント!」としてさまざまな鑑賞法を教えてくれて、一度に作品のポイントを俯瞰できるようになっており、非常にわかりやすい構成になっています。
全作品を丁寧に取り上げている本は初めて。
現存する37点の作品のうち、30点が室内画だそうです。
青と黄色の組み合わせを好んだ画家で、フェルメール・ブルーと呼ばれる青色は、確かに美しく上品。
青はラピスラズリからできた高価な絵の具で、普通の色の100倍もの値段がしたとのこと。
当時、ラピスラズリは純金と同じくらい高価なものだったそうです。
時間による色の劣化が少ないために、今の時代の私たちも彼の青色を楽しむことができるのです。
また、彼の絵具には砂が交ぜられていたりもし、かなり絵の具にこだわっていたことがうかがえます。
当時は東インド会社が海外貿易を独占し、オランダはバブルに湧いていました。
そのために、希少なラピスラズリを入手できたそうです。
デルフト焼きもフェルメールブルーを連想させる静かな青色が特徴的。
また、市民階級の台頭で風俗画がはやり、フェルメールも多数手掛けたという歴史的背景もわかりました。
作品の背景に地図が描かれているのがあるところに、オランダ印刷業の発達が見て取れます。
海洋国オランダは地理学が発達していました。
ちなみに当時の日本は織田信長の時代だったそうです。
青は、キリスト教圏では聖母マリアの衣装に使われる気高い色ですが、彼は庶民の普段着に使ったのが斬新な試み。
そのためか、市井の人々を描いていながらも、落ち着いた気品がかもし出されています。
作品に黄色いマントを羽織った女性が頻出すると思ったら、全部で6点も同じ服の女性が登場するそうです。
オコジョの毛皮帰りにあしらわれた最高級品で、フェルメールはそのマントを死ぬまで手元に置いていたとのことでした。
もともと黄色は青の反対色で、彼の作品には色の対比効果がよく見られるそうです。
フェルメールの作品を見ると、画家本人も物静かな人生を送ったようなイメージを持ちますが、実際の彼の実家は酒場つきの宿屋で、家督を継いだ彼は、宿屋のオヤジだったそう。
さらに14人の子だくさんで、常に賑やかな環境にいたことがわかりました。
手紙を読んだり書いたりする女性をモチーフにした作品が多いのは、当時の手紙ブームを反映してのことだそうです。
下院の発達を背景に、近代郵便制度がヨーロッパではじめに整備され、ラブレターが利用されたため、読み書きができる新しい女性は、フランスやイタリアに比べてオランダで圧倒的に多かったとのこと。
風俗画家は、そうした社会現象をいち早くとらえたのです。
逆に、風俗や流行を越えた「真珠の耳飾りの少女」は「オランダのモナ・リザ」と呼ばれると知りました。
「デルフトの眺望」は、プ���ーストの『失われた時を求めて』本文中で「世界で最も美しい絵画」と書かれた作品。
この絵の購入をアムステルダム国立美術館とマウリッツハイス美術館が競い合い、国王が仲裁したという逸話も残っているのだとか。
フェルメールが最後まで手放さなかった「絵画芸術」は、私も彼の作品の中で一番好きなもの。
なんとダリもお気に入りだったそうです。
正反対の作風でも、ファンだったんですね。
男性のようにも見える女性「眠る女」は、タイトルに「女」と明記されていても、男性っぽく見えます。
しかし実際には恋に悩む女性を描いているそうです。
穏やかな真面目なモチーフばかりかと思いきや、誘惑がテーマだったりただならぬ中の三角関係風の絵があったりと、なかなかドキドキするテーマが潜んでいるようです。
楽器が恋の小道具だとは知りませんでした。
プロテスタントの国オランダでは偶像崇拝が禁止され、聖母マリア像をおおっぴらに描けなかったということも初めて知りました。
フェルメールは隠れカソリックだったということも。
今でこそ大人気の画家ですが、暮らしは決して楽ではなかったようで、彼の死後妻は破産申告をします。
その後200年間すっかり忘れられていました。
フランス美術史家トレ=ビュルガーがフェルメールを再評価し、それを知ったプルースト、ダリ、ゴッホによって、ようやく日の目を浴びることとなったそうです。
また、盗難に遭いやすいのもフェルメール作品の特徴で、ダブリン郊外のラスボロー・ハウスはかつて個人邸宅だったため、警備の隙を突かれて「手紙を書く貴婦人と召使」は2回盗まれたとのこと。
2回目に無事戻った時には、もう盗難されないよう、アイルランドナショナルギャラリーに寄贈されたとのことでした。
また、世紀の贋作者、メーレヘンにも言及されていました。
ナチスに国宝級の作品を売った罪よりも、贋作を描いたと告白し、そちらの罪を受けることを決心したメーレヘン。
しかし、詐欺罪という軽い判決だけですみ、「ナチスをだました英雄」と称賛を浴びたというのですから、時の流れは不思議なものです。
フェルメールの各作品から、印象的なパーツを寄せ集めで描いているメーレヘンの作品もありました。
それらも贋作ながら、美術館で展示されているそうです。
オランダの専門家たちが見破れなかった悔恨を忘れないためだとか。臥薪嘗胆ですね。
全て読みこめば、かなりフェルメール通になれる満足度の高い一冊。
フェルメール好きの親にも読ませました。
ただ一つ残念な点をあげるとすれば、メインの執筆者である中村さんの写真が一枚もなかったことでしょうか(!)
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入門書たるもの、かくあるべし、ありがたし。
なぜかはよく解らないけれど魅かれるものあり。その「なぜ」を知りたくなり、まずは入口に辿り着いた状態から始まる。
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フェルメール全37枚を詳しく解説した入門書。入門ならこの本がベストというくらい、情報量も多く、親しみやすい構成。弐代目青い日記帳のたけさんも執筆に携わっており、鑑賞のポイントも詳しく載っていてとても丁寧。 ただ、ノドの部分に絵や線が結構隠れてしまっており、見辛い箇所が多かったのが残念。
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フェルメールの全作品をあらゆる視点から徹底解剖。通り一遍の画一的なアプローチではなくそれぞれの個性に応じた分析が施されている。とくに原寸大で表す一風変わった趣向は間近で現物を鑑賞しているような感動があった。描いた順の大きさ比較も画業の変遷を理解するうえで非常に有益である。このほかデルフトでフェルメールの光を体現できる部屋の紹介など興趣を誘う企画満載となっている。
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フェルメールの全37作品についての解説を始め、当時のオランダ文化や、同年代であるレンブラントやフランス・ハリスらとの関係性なども非常にわかりやすく紹介したフェルメール入門本。ためになりますー^^
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昔ギャラリーフェイクという漫画で、フェルメールはよく出てきたので、背景等は何と書く理解していた。
当時この技術がいかに衝撃的だったのか?裏にどんな意味が隠されているかなど分析されている。
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大好きなフェルメールに また会える!
⇒ URLはこちら https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/12376691368b91c95cd5e5e5f766293d
『フェルメールの真珠の耳飾りと首飾り』 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」
フェルメール 光の王国展 フェルメール・センター銀座 Vermeer Center Ginza 1/20-7/22
福岡伸一 監修 フェルメール全37点のリ・クリエイト作品を一堂に展示。
5/5 行きました。よかった!
2012/5/5「フェルメール光の王国展と銀座歩き」 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」
⇒ https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/11037c7011147832f3d4a168d77dd097
MIXI知人のブログ → URLはこちら http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2786 『『フェルメールへの招待』』 : 弐代目・青い日記帳 2012.02.24 Friday
この本は、フェルメールの全作品の解説が載っている。
特に有名な絵は細部にわたって、要点が示されているので、見る時の参考になりそうです。
その他、フェルメールの時代や 絵に使われた楽器や小道具のことなど、わかりやすい本です。
2012/6/30 予約 7/5 借りて読み始める。7/10 読み終わる。
内容と著者は
内容 :
画家フェルメールの全37作品を読み解く入門書。
絵のポイントを徹底解説するパーフェクト鑑賞講座、フェルメールを「語る」ための5つのキーワード、全点踏破のための美術館ガイドなどを掲載。
額装できるB5判カード付き。
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数少ないフェルメールの作品を存分に楽しめる本。
いくつかの絵については詳しく解説もされているので、実際に実物が観たくなる。
「真珠の耳飾りの少女」が有名だが、他にも「真珠の首飾りの女」や「絵画芸術」など光の魔術師と呼ばれる所以が分かる作品が目白押しだった。