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メモ、スケッチ、写真など旅の記録が作家それぞれの旅のスタイルを表現している。特に林芙美子、村松梢風、田中小実昌、宮脇檀がいい。
「毎年、冬になるとあったかいところ、夏は涼しいところでふらふらしている。取材などではない。昼間はバスにのり、映画を見て、夜は酒を飲んでいる。」田中小実昌
「元来、僕が写真機を持っているのは、記録写真のメモリイを作る為でもなく、また所謂芸術写真を写す為でもない。一言にして尽せば、僕はその器械の光学的な作用をかりて、自然の風物の中に反映されている、自分の心の郷愁が写したいのだ。」僕の写真機 萩原朔太郎
いつも旅に出ていたい、と思わせる一冊。
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作家たちは、何を求めて、何を見つけて、
旅に何を感じたのだろう・・・。
そんな興味を抱いて、手にした一冊。
人に会うため、何かを経験するため、
確かめるため、発見するため・・・
それぞれの作家らしい旅の目的が
「ここではない、どこかへ」行くことの
愉しみをおしえてくれる。
表紙にある寺山修司の詩より
「漂白とは、たどりつかぬことである。
たとえ、それがどこであろうとも、
われわれに夢があるあいだは、
‘たどりつく’ことなどはないだろう」
たどりつかないから、次の旅の夢をみる・・・。
旅は、何かを創造することに似ているのかもしれない。
そんな旅へのあこがれを、より一層強くした。
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何の変哲もない商店街。無意識の興味に促され思わず足を踏み入れる。近所と何ら変わりない商店街なのに空気の肌理が突如として細かくなる。漠とした動機が言い知れぬ充足感と親近感を味わわせてくれるという。未知なるものに触れる喜び、それが旅の喜び。小泉八雲、萩原朔太郎、寺山修二、種田山頭火・・・・・。名だたる作家のそれぞれの旅を美しい写真とともに綴られている。ありし日の作家たちの目線で追体験を楽しんだ。
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このシリーズの中ではそれなりに好き、というぐらい。
「作家のおやつ」や「作家の酒」のほうが個人的には好み。
このシリーズで吉田健一さんを知った。いつか読んでみたい。
澁澤 龍彦「フローラ逍遥」もページをめくって眺めてみたい。
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小泉八雲、萩原朔太郎、林芙美子、村松梢風
寺山修司、山口瞳、田中小実昌、吉田健一
種田山頭火、宮脇檀、竹中労、
春日井健、堀内誠一、澁澤龍彦、須賀敦子
それぞれの旅の記録が面白い
特に林芙美子、宮脇檀さんは好きなので興味深かった
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旅と文学の気分を味わうに好適な一冊です。文学と人生を気軽に考えはじめてみようか、という気分になったら手にとってください。個人的にはコミさんが取り上げられているので、それだけで満足です。
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①ラフかディオ・ハーン・小泉八雲(1850~1904):海を渡り、日本人となったギリシャ人。1890横浜、1890松江、1891熊本、1894横浜、1896~1904東京。②林芙美子(1903~1951):下駄で歩いた芸術の都パリ。身長142㎝。1931.12~1932.5(途中1ヶ月ロンドンに)③吉田健一(1912~1977)新酒の時期には毎年、酒田、金沢、灘へと旅した。④種田山頭火(1882~1940)旅と酒を愛し、歩き続けた漂泊の詩人。コロナ・ブックス「作家の旅」、2012.3発行。