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大どろぼうホッツェンプロッツ 改訂2版 みんなのレビュー
- プロイスラー (作), トリップ (絵), 中村 浩三 (訳)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:偕成社
- 発売日:1990/05/01
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紙の本
甥っ子に
2017/05/31 23:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koko - この投稿者のレビュー一覧を見る
甥っ子が興味を持って、読んでいました。
買ってよかったです
紙の本
TVゲームや遊戯王カードのバトル、塾やおけいこも大切。でも、ナンセンスやユーモアをみがくのも大切な小学中学年に…。
2001/03/31 14:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの本離れが問題化されて久しい。本を読まないと言葉が育たない。言葉が育たないと、算数の文章題を解く力を養うこともできないし、人間関係や自分の行動などについて考える力もつかない。…それは大変ということで、「読み聞かせ」とか「朝の10分間読書」が多くの大人の手で進められている。
読書運動だけが何やら一人歩きしているような感もあって、子どもに本を読ませれば、それで成功、「考える」ための読書という根本的な目的につながっていかないような現象もなくはない。
一方、書店において子どもの本の売上はジリ貧状態。赤ちゃんや幼児に対しては「絵本」を読み聞かせようという意識の親が多いが、小学校に上がると、絵本は小さな子の本だから…とちょっとバカにされる感じ。字が読めるようになったのだからと、読み聞かせが遠ざけられ、他の遊びやおけいこや勉強が忙しくなって一人読みするような童話に目を向ける機会が少なくなる。
童話が売れない。児童書売場の棚から外されていく。読書感想文を書くための課題図書や選定図書がわずかに売れるだけ。出版社はそこを目がけて、あるいは学校向け図書館向けに本を制作していくことになる。公共投資を当てにしているゼネコンを何となく思い出す。消費はテコ入れで活性化されるのではなく、ほしいと思う商品をどれだけユーザーに提供できるかの結果なのに…。
ホッツェンプロッツのお話は3作ある。7本の短刀やコショウピストルという武器も愉快なら、盗み出すものは、ケーキづくりが得意なおばあさんの「コーヒー挽き」というのもご愛嬌。ハンドルを回すと歌を演奏するというしゃれたもの。
日曜日に、おばあさんが焼くプラム入りケーキをいつも楽しみにしているカスパールとゼッペルは警察に協力して、大どろぼうをつかまえようと一計を案じる。
「黄金注意」と書いた木箱を目につくように手押し車で運んでホッツェンプロッツに奪ってもらう。箱には小さな穴があいていて、車を押していくと中に詰めた細かい白砂がもれて、線を描く。それで大どろぼうの隠れ家がわかるというわけ。
追跡に当たって少年二人は、相手に気づかれないように変装をする。カスパールの赤いとんがりぼうしとゼッペルの緑のチロルぼうを取り替えたのだ。
結局大どろぼうにつかまってしまった二人は、名前を間違って呼ばれたまま、いろいろなことをさせられる。ゼッペルのぼうしをかぶったカスパールは魔法使いのところへ送られ、魔法使いの好物のマッシュポテトを作るため、ひたすら芋の皮むきをさせられる。大どろぼうの元に残ったゼッペルは、カスパールの帽子を火にくべられてしまい…。
ユーモアとナンセンスに満ちたエンターテイメント童話である。映像化され、日本でも以前にNHKで放映されたりした。
まだ童話が子どもたちによく読まれていた頃である。ぼうしという小道具を使ったドタバタ劇は、古き良き時代の、たとえばマルクス兄弟の喜劇を彷彿させる。
「モダン・クラシック」って何か妙な言葉であるが、小学校中学年ぐらいからの子が読む童話として、そんなニュアンスの定番のイメージだ。「ナンセンス」をみがくことも大切で、それにうってつけの童話だと思うけれど、読者をどうさがそうか。