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見事。
恩田陸と言えば、演劇業界的には、『猫と針』を挙げずにはいられない。
http://www.caramelbox.com/stage/nekotohari/
あの作品を思い返すと浮かぶ一文は、そう。
「人はその場にいない人の話をする――」
バラバラだった人々の思い、思惑、立場、行動、過去、そして、今。
一つ一つのピースは小さく儚い。
それが、次第に情報が展開して行くにつれ、過去のある一点を元に、収斂していく。
その感覚を、この小説でも感じた。
やはりこの物語でも、人は、その場にいない人の話を、する。
そして冒頭一文。
「来客を告げるベルが鳴った。」
嵐の山荘に、現れる「訪問者」。
そして、訪問者がもたらす新たなる展開。
第一幕から終幕までの構成の見事さ。
話が進むにつれて、余計に謎めいていく「過去」。
そして、全ての謎が収斂していくカタルシス。
『猫と針』のように登場人物固定ではなく、もう少し大人数だから、役者としてはちょっと「うまみ」(出番の多少とかとか)が少ないかもしれないけど、これは、是非、舞台で見たい。
きっと、面白い。
人はその場にいない人の話をし――そして、来客を告げるベルが鳴る。
おっと、誰か来たようだ。
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恩田陸さんの本は、ツボにはまって一気に読むものと、
あまりのめり込めず、ポツポツと時間を掛けて読むものの
2パターンある。
今回は後者。
何故だろうと考えたら、登場人物の中に入り込めるほど
魅力的な人がいなかったからだと思う。
ただ、ラストはちょっとビックリした。
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恩田陸さんの本としては、
あっさりと読むことができた。
読み終わった後の余韻が少なかったのは何故だろう。
やや物足りない。
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恩田陸さんの新作。
いつものように緻密な謎ときが散りばめられていた。
うわあーっと広がった解かれないままの謎の終結地点は、
意外にも身近な感じ…というか、現実離れしていないものだった。
小さいコミュニティーの中で起こる事件だけど、登場人物が徐々に追加されてきてにぎやか。
最後に登場する青年はきっとかっこいいと思う。
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新進気鋭の映画監督が死に、彼が幼少期をすごした山荘に、訪問者がやってくる。
山荘は、資産家の持ち物で、その女主人も謎の死をとげている。
まぁ、タイトルでどうしても、萩尾望都さまの「訪問者」を思ってしまうわけで…。
なんつーか、もーさまの「訪問者」に対する、慰めというか、レクイエムというか、とにかくそういうものなのかなと思った。
家の中にいるみどり子になれなかった少年の物語に対して、家にみどり子がいるこその物語になっているのだと。
うん、現在も含め、過去もなんだかんだと、子供がいる家ってなっているものね。
まぁ、だからといって救いがあるわけでもないんだけど。
救いではないにしろ、光はあるか。
探偵役(?)の役者くんが、いい味だしてます。
出番はちょとだし、あんま活躍するわけじゃないんだけど。
恩田陸は、やっぱ、ちょっとした人物造形が上手いなぁと思う。
ってことで、もーさまの「訪問者」を読みかえすのであるww
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複雑な謎解きやから、これぐらいがちょうどいい長さ。前に読んだやつは長すぎてあかんかったし。
私は小説に出てくる味のあるお年寄りにいつも惹かれるなぁ(笑)
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文庫化!
濃密ではないけど恩田ワールドは十分。
湖のほとりの豪邸、
女傑の死の謎、
幼い少女の目撃者、
信用ならない登場人物たち…
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恩田陸の作品の中では、割とサクッと読めたほう。
後半から登場した人物が、何だかあっさりしていて、そこから展開が加速、「そういうことかー」と納得して終盤を迎えられた。
どちらかというと、ハッピーエンド。
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事故か殺人か❔父親は誰か❔訪問者の目的はいったい❔
最後、自分が思っていた感じと違いあっさりしていて、ちょっと拍子抜けしました。
程よい分量だし、スイスイ読めて面白かったけど。
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0806
恩田陸らしい、不気味なミステリー。色で例えたら濃紺。
あっと驚くような場面も結末でもないが、最後までどろどろの嫌な気分で読まされる。
全ての謎を解決せずに終わらせるところも、恩田陸らしいどろどろ感を与えるところだ。
まだ先に続く様な、続編があるようにも感じる終わり方。爽快感はなし。
恩田陸ワールドに引き込まれる。
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陸の孤島、クローズドサークル、館モノ。王道のミステリ。結構難しい。もう一回ぐらい読まないとよくわからない。
よくわからないなりに読ませる小説。
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恩田流クローズドサークル・ミステリ。
舞台劇を見ているような感覚で読み進められる。
各章の始まりが舞台転換の合図のようだ。
同じ言葉で始まり、そこから展開の読めない物語が始まる。
ちょっとラストに納得がいかないが、そこそこ綺麗にまとまってるかな?
各章のタイトルが無関係に思えるのだけが気になる。
好きな絵本のタイトルばかりだったので期待しすぎたか。
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恩田陸作品を読むのは「六番目の小夜子」に続き二作目。
正直、”六番目”の方がミステリーに深みがあったような気がする。
本書はあとがきで著者が述懐するように、各章を同じ文章で書き出すなどのこだわりが裏目に出ている気がしないでもない。
一番のポイントである5人の暇を持て余した(という設定の)老人が、それぞれ秘密を持っていて、それが複雑に絡み合って・・・という展開を期待していただけに、仲悪そうに見えていたのは芝居で実は仲良しだったというオチには正直ぶったまげた感さえある。
一方ラノベとして捉えてしまえば、ほどよく読みやすい内容であり展開もスピーディーなので、さらっと軽くミステリーを読みたい、そしてあんまりグロテスクな殺しのシーンは要らない、という人にとっては本書は適しているかも知れない。
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久々に読んだ恩田ミステリ。一気に読んでしまった。「来客を告げるベルが鳴った。」訪問者に気を付けろ、か…
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「訪問者」恩田陸
クローズドサークルミステリ。枯れ木色。
久しぶりに自分の好きな小説を読んだ気がする(笑) 一気読み。
『夏の名残の薔薇』とか『木曜組曲』と似た雰囲気だなあ。
良質なお芝居を見ているように雰囲気にまかれる本格推理、みたいな。
カバー装丁もいいですよ!(4)