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2012/06/01読了。
本書では、何かを気づかせたい・伝達したい際には、適度に距離を置いて客観的に見れるもので、かつ現実に類似しているものを呈示することが有効であるということを強く感じた。
中世の日本という舞台で、世俗に染まっていない主人公が、慣習・常識に疑問を感じたり、生について考えを巡らしたりする中に、沢山の主張や投げかけが散在している。それを辿るだけでも読む価値があると言えるだろう。
また、物語としても個人的な好みの部類に入る。短文で詩のように描写されるシーンは、想像力を大いに掻き立ててくれた。否応なしに続編に期待してしまう。
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ゼンシリーズ第2弾。
通りがかったある村で庄屋の用心棒をする話。
前作よりは物語性があって読みやすかった。
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年に一冊なのか!~ゼンは道を歩いている内に雨に降られ,小屋で休んでいると鳥の夢を見た。人の気配で目が覚めると,侍二人が言い争いをしている。若い侍は今にも剣を抜きそうだが,年配の侍は金を渡して村から出て行くことを懇願した。年配の侍・クズハラは自分の仕事を助けないかと誘い,気が向いたら道場を訪ねるように言い残して去る。宿屋でうどんを食し,弟子が一人いるきりで,先程の若い侍が言いがかりを付けてくる。道場で見た弓を自分で作ってみたくなり,竹藪に入って竹を伐ると,庄屋の娘ハヤに引き留められ,離れでもてなしを受け,竹の石の話を聞いて,一晩を過ごすが,明け方気配を見せない人物にはやく立ち去るように忠告される。家宝である竹の石を伐りだしたのが師のカシュウであると聞き,それを狙う盗賊が庄屋宅を狙っていると聞いたゼンは,ハヤの身を守るために加勢する決心をする。縁談を持ち込んだ都の叔父に手紙を送るハヤを宿屋へ送る際に,姿を見せた侍キダとは立ち合わざるを得なくなり,後ろに控えた二人に斬りつけ,平常心を失ったキダも討ち果たすことができた。カジハラは祭で人が出てくる晩が危ないと云い,警戒するが,翌晩の雨をついて賊が東の塀をよじ登って敷地内に侵入した。数人に斬りつけたが,屋敷内に侵入した賊を追うが,主シシドと女は既に息がなく,竹の石も奪われていた。無用の闘いを避けようとするバサカの日本の太刀の筋を読み,剣を打ち合わせることなく倒したゼンは,闘いの最中に聞いたパンという鉄砲にクズハラと弟子が倒されたことを知る。14人を討ち倒したにも拘わらず,宝は見つからず,賊が残した馬に乗ると,賊の根拠地に連れて行かれた。そこには意外なことにクズハラが鉄砲を構える商人風の男と待ち構えていた。必死の筋を読んだゼンは,商人がシシドの弟であることを知り,竹の石を持ち帰るが,クズハラの剣はゼンの肩に傷を負わせていた。屋敷に帰ると,ハヤは全てを承知しており,竹から石を取り出す方法をゼンは教授する~年に一冊かぁ・・・。ゼンがどう成長していくか楽しみだが
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待ってました、シリーズ2作目。
ところどころ、可愛らしいゼンの姿が見れて嬉しい。
心理学をほんの少しかじった人間からすると、ウンウンとうなずける箇所がちらほらと見える(かも?人によって考え方は異なりますからね)。
ヴォイド・シェイパの時にも同じようにレビューしましたが、映像化が待ち遠しいです。スカイ・クロラよりも受けそうな気はするのですが、どうでしょう。
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言われてみれば相性抜群の「森博嗣×侍」の第二弾。読んでいるうちに息が止まるような感じ。ハッとする文章がいっぱいでした。「戦うとは、つまり自分が変わることだ。何故変わるのかといえば、それは一度死ぬからだ。」
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森博嗣さんのシリーズ作品でこれが一番好きになってしまうかもしれない。
と思うほど良かったです。扱うテーマが良いのだと思う。ぜひお試しください。
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森博嗣さんが描く時代小説。ヴォイド・シェイパの続編。ゼンのあてのない旅路は静かに進んでいく。どこの時代のどの場所の話なのか。明確な描写がほとんど無いためか、霞みがかったような不思議な雰囲気が物語に漂う。考えるとはどういうことか。静かに心に響いてくる。
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読んで、物事を振り返って考えるということが楽しいと感じるようになりました。
すっかりゼンの行動や考え方にはまってるのかもしれません。
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立ち寄った村で用心棒を乞われるゼン。気乗りせず、一度は断る彼だったが……。若き侍はなにゆえに剣を抜くのか? シリーズ2作目。
Amazon内容紹介 より
謙虚に常に目の前にある状況に対処する.その場の状況を見て、自分の心の声を聴き、何を選択するのかを決定する.思うだけなら誰にでもできること、実行するには意思が必要.何を信じるのか、信じて何を目指すのか.
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やっぱり深いなぁ。
でもエピソードが一つな分物足りない感じ。
前作の方が濃くてよかったかも。
戦いのシーンは一編の詩のよう。
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「ヴォイド・シェイパ」の続編。スカイ・クロラみたいに主人公が変わったりせず、妙なギミック(性別の分かりにくさだとかそういうの)もない完全なる続編。大変面白かったです。もともと思想としての禅とかが好きだからでしょうね。ただ、帯の表に抜き出す言葉は間違ってるというか、センスが悪い気がしました。そこじゃないなぁ。裏面の言葉は好きなんだけど。
主人公ゼンが、斬りあったり話をしたりしながらいろいろ学びつつ、何かを得つつ、前に進んでいるようないないような、そんなお話。前作よりは血腥い。
斬り合いのパートは相変わらず、短文でぽんぽんぽんぽん、とテンポよく流れるように、リズムよく進んで行く感じ。ただ、人間同士が生身でやりあっているので、血と汗と鼓動がより身近に感じられる。
ハヤさんとの会話、クローチ様との会話がそれぞれとても面白い。正直、森博嗣という作家は思考の展開のされ方を楽しむ作家だよな、と思ってます。ストーリィの面白さではなく。だからこそ話の内容があまり頭に残らない。それでも十分に楽しかった、と思えるのはさすが、と言うべき。
The Blood Scooper、直訳すれば「血を掬うもの」。意味を知らずに読んだ方がいいだろうと、ぐぐったのは読み終わったあとですが、一番印象に残った場面がやっぱりバサカとの打ち合いだったので、上手いタイトルだと。
抜粋。
血を沢山流せば、やがて死んでしまう。流れたその血を掬って注いでも、生き返らせることはできない。
12.06.17
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「ヴォイド・シェイパ」の続き。
今作を読んでいると、前作が登場人物及び設定の
紹介的な位置づけになるのを改めて感じる。
連作短編的な描き方をされていたから尚更そう感じるのだろう。
2作目はひとつの村に滞在中の出来事が描かれるので、
物語性が強いのかな?
1作目の果たし合いとは違い、戦い・争いが描かれていて、
剣劇アクションとしての違いが際立ってる。
森博嗣曰く「外国から見た日本」のイメージを
基調としてるらしいけど、どこか浮世離れというか、
和だけど和ではないファンタジーっぽい感じを
受けるのは、そういうイメージで描かれてるからか!
なのと納得。
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ヴォイド・シェイパシリーズ二作目。
竹の石にまつわるお話。
ハヤ様をお護りするゼンかっこよかった…
そりゃ泣いちゃいますよね。
聞け、天空の調べ。
届け、無言の波濤。
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とにかく表現が美しい。
森の中の青々しい匂いがこちらまで漂ってくるようだった。
戦闘シーンも静かだけど勢いがあって良いですね。
とりあえず未読の前作『ヴォイド・シェイパ』も読んでみよう。
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『ヴォイド・シェイパ』の続編。
前作よりはストーリィ性があるが、派手な展開は一切なく、だいたい同じような雰囲気。
主人公・ゼンが次々といろんな人間と関わることで、少しずつ人間らしい部分が増えて来た。未だ冷たく感じるような部分は残るが、それについてのクローチの解釈になるほどと頷ける。
さて、次作は都行き。ゼンの気になる過去がどこまで描かれるか。一から十まで種明かしするようなことを嫌う作家だから、説明不十分な終わり方をする可能性は十分にある。が、楽しみだ。