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ちょっと変わった小学生3人の愉快な日常・・・だと思い込んでいたので、正直、軽くショックを受けました。
「岸和田少年愚連隊」の小学生版として、ただ楽しめばいいのか?・・・私には無理でした。
母ちゃんとして、悲しく切なくやりきれない気分です。
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★3.5 初めて読む戌井作品。なんとも不思議な雰囲気の文章。でも、おもしろくスイスイ読み進められた。
松竹梅+姉ちゃんは、たくましいというより、自分に素直なんだと思う。
一見うまくいきすぎなみんなの人生の変化を、すんなり受け入れられてしまうのは、みんなのキャラクターのせいか、淡々とした文章のせいか。
松竹梅の、「心のお腹」が、満たされる日を願う反面、ずっと満たされずにガンガン生き進んで欲しいような気持ち。
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戌井ワールド炸裂!
母がスナックを経営する、のどが自慢の松岡、プロボクサーになりたい父子家庭の竹村、吉原勤めの姉ちゃんと二人暮らしの転校生・梅田。フィリピン人の母を持つ仲田さんなど魅力的な脇役も。
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生きていく中でどうしても絡みついてくる、へんな見栄とかプライドとか常識とか。そういうものを持たない (持てなかった) 大人や子供たちの、なんと自由でたくましいこと! 常識に縛られた教師の半田の生活が、対照的に描かれていておもしろかった。 痛快、読後感良しで、星5つ!
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主人公は小学5年生。松竹梅のでこぼこ三人組。少々外れてはいるがどうにかこうにか常識の範囲内。小さな起伏を繰り返しながら時間が経過していく。微笑ましくながめながらも幾分食傷気味になっていた終盤、「これから先、もっと悔しいこともあるし、もっと嬉しいこともあるんだから」の一文が飛び込んでくる。不覚にも涙ぐんでしまった。いつの間にかこの三人組に心をもっていかれてしまっていたのだろう。無駄口たたくことなく一生懸命洗い物をする姿、拳闘、歌に打ち込む姿も胸打つものがあった。「このまま続けていたら抜けられなくなるだろうし、いい加減に見切りをつけないと、何かがズルズルとおかしくなっていくと感じた。」人間には必ずより良くあろうとするリセットボタンがついているのだと。何だか凄く元気になれた。
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2014年9月28日に行われた、第19回ビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「友」。
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小学校5年生の男子、松岡、竹村、梅田はちょっと変わった存在だ。実家がスナックでのどが自慢の松岡、プロボクサーになりたいお調子者・竹村、吉原勤めの姉と二人暮らしの転校生・梅田。クラスでも少し浮いた存在で、いつしか“松竹梅”と一括りで呼ばれるようになった。バカでまっすぐで少しやさしい、愛すべき松竹梅はどこへ行くのだろうか。
毎日バカなことをして過ごしていた3人だが、自分の進むべき道を各々は歩み始める。「こいつらバカだな~」と思いながら読んでいたのに、まだ小学生にも関わらず将来をしっかり見据えている姿に感心した。他の小学生との違いは、他に染まらず“自分”というものをしっかり持っている点ではないだろうか。3人は気が合うから一緒にいるのであって、良い意味でそれぞれが独立している。周りの人間には松竹梅と一括りにされるが、本人たちは自分と他の2人は違うのだと潜在意識できちんと理解しているのだと思う。よく、仲間にすぐ影響を受けて服装や言動が変わったり、仲間の中で他人に同調ばかりして自分の意見が言えなかったりする人間がいるが、松竹梅の3人は違う。互いの存在を、互いの夢を尊重して応援して、きっとずっと良い友人でい続けるに違いない。
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両親が心中してしまい、年の離れた姉がソープランドで
働きながら面倒をみてくれているいじめられっこの梅田、
母親はいなくて、ギャンブル好きの父親と二人暮らしの
ボクシングの得意な竹村、
母親しかいなくて、母親のスナックで歌を歌っては
小遣い稼ぎをしている歌の上手な松岡。
三人そろって松竹梅。学校では少し問題児。
この小学5年の三人が出会って成長していく物語。
みんな恵まれない環境ながらも、飄々と生きている。
この三人と対照的に両親ともにひどい親の、不良の中学生
林田が出てくる。三人は自分の現状を受け入れて
将来をみすえて頑張っているのに対し、
林田はすべてが不満で仕方ない、
世の中すべてに恨みがある。そして人を恨み、
自分の現状は周囲が悪いと攻撃し、
最終的には刑務所のお世話になる生き方をしている。
目の前だけを見ていたら何も見えなくなってしまう。
今は子供で何も出来なくても
ボクシングでチャンピォンになる、
歌手としてデビューする、寿司やで修業して料理人になる
って目標をもって、小さいながら一歩一歩進んでいく
松竹梅は子供だけれどかっこいい。
梅田の姉はとっても優しく包容力があって
三人にいろんなことを経験させてあげたり
見守ってくれてとても素敵だ。
読後感がすがすがしいとっても楽しい本だった。
子供がある程度大きくなったら読ませるのも
いいかもしれない。
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風通しの悪い川っぺりの街で、たいへん個性的な人々に見守られて、子供たちはどんな夢を見る? しょうもなくまっすぐで、ちょっとやさしい、愛すべきバカ三人組の物語。
子どもを主人公にした小説はどうしても大人が書くと「こんな子どもいない!」というのが多いけど、本作は各自のキャラがしっかり立っていてなかなかの傑作。でも戌井昭人の作品にしては珍しく芥川賞候補にならなかった。
(B)