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大崎梢(@o_kozue)先生、ありがとうございました。
本ができる(店頭に並ぶ)まで、というくくりで『青い鳥文庫ができるまで』と続けて読もうと決めていました。勢いで、こちらが後になってしまったのだけど。
『青い鳥~』はルポルタージュのようなドキュメンタリのような、ノンフィクションだったけど、こちらはまるっきり小説で、ひとりのイケメン(笑)の成長物語でもあります。
作り話なんだけど、所々に実在の作家さんの名前や作品名が出てきてお!っと思う。
「雨」という単語(文字又は事象)の内包する印象の多彩さ。『きみはいい子』で、ある書店の店長は「傘を届けたい」と言っていました。でもこの本では逆になくてはならないもの、染み込み潤し癒すものという位置。こんなに違うのかとしみじみ感動しました。
ラスト、届けたいと切に思っていた人にちゃんと届いていた。ああ、よかったなぁと思ったら涙が流れていました。涙脆くなってるなぁ。
「本を届けること」についても少し考えました。私の仕事は書店の外商で、しかも内勤で、お客様というのは学校図書館の司書さん?学生さん?それすらも曖昧だし、直接お目にかかるわけでもない。最終的には学生さんたちの知的精神的な血肉になると信じて普段はお仕事している訳ですが、本当にそうなのか確認するすべも無いわけで。そんな状況でもっと出来ることはあるのか、ないのか、とか。余計なことを考えているかな? 結論にはまだ時間がかかりそうです。
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「プリティが多すぎる」と同じ出版社が舞台。
ですが、こちらは文芸部なので雰囲気全然違います。
えがったー。
『シロツメクサの頃』、書いてくれへんかしら…。
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めちゃくちゃよかったー!
本に対する優しく暖かい気持ちが、文面からあふれでて、読んでるこちらまで嬉しくなり優しい気持ちになる。
きっとラストはこうなんだろうなと予測がつき、その予測がぴたりと当たってもちっともガッカリした気持ちにはならず、むしろほっとした嬉しい気持ちになる。
大崎さんの本に関する作品は、本当に愛に溢れ心地よくなる。
作中にでてくる「両刃」読んでみたい
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大崎さんの描く働く人ってどうしてこんなにも読者の心にすっと入り込んでくるのだろう。
一生懸命なのにいろんなことがうまくいかなくて、へこんだりヤケになったり八つ当たりしたり。
でも、それでもまたもう一度がんばる姿に、みんな自分を重ねちゃう。
特に、一冊の本が出来上がる過程で起こるあれこれに心がざわざわし通し。
ここでは一冊の本が、数年後の誰かのために、その人を感動させるために、今、種を蒔いたり水をかけたりするお話だがこの「本」を「気持ち」に置き換えて、すべての人の心へと届けたい。
一冊の本が、誰かの気持ちが、結びつける縁があるのだ、そう思った。
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大手出版社でそつなく仕事をこなしてきた主人公が、ある日、このところあまり売れていない作家さんの原稿を目にして何としてでも本にしたいと奮闘するお話……なのかな。
どちらかというと、それにともなって自分を振り借り、周囲をふり返りする主人公の心情の方が重要? 後半、あー恋愛にいくんだーと、ちょっとびっくりしましたが。お仕事話だけじゃなかったのね、と。
何処かでブレイクしないと、大手では本の形にすることも難しいという話に少し驚きました。いい、悪い、だけじゃないんですね。ネームバリュー重視。
……でも、それって旬を取り逃がしている気もする。その辺りの隙間を主人公は縫っていかねばならないわけなんですが。
その辺の思い入れというか、熱の入れ方に一番共鳴できました。奇しくも作中の「王子」の言っていた「偏愛」。
本は好きだけれど、色々好きな作品はあるけれど、確かに「これだけは」という一冊は存在しますね。
大変だけれど、そんな一冊を作り出すために一所懸命になれる主人公は、だからやっぱり幸せなんでしょう。
そして、そんなお話を読んでいるこちらからすると、「だからこそ、本は面白い」と思うのでした。
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大崎梢さんの、オシゴト物最新刊。今度は文芸編集者さん。「プリティが多すぎる」もそうだけど、傲慢さに気付いていない青年、を上手に書くなぁ。
全くの外野から見ても、最近の書店員さんにゲラ読み依頼、帯依頼、てどうなのよ?とか思ってたのでそのあたりも振れられててとても良かった。
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作家さんと、出版社と、本屋さん…。
本を書く人、本を作る人、本を届ける人…。
読書好きの方なら、馴染みがあるようでない
そんな出版業界をライフワークのように描く
大崎さんならではの作品でした。
これまでは、どちらかといぅと
軽いタッチのライトノベルが多かったけど、
本作は、そのテイストはそのままに、
しっかりと書き込まれた作品になっていました。
これから、小説を読むときの感じ方が、
ちょびっとだけ変わるかも…。
よい作品でした…。
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本のお仕事をする人を書き続けてきた大崎梢先生の最新作、今度の主人公は文芸編集者!そして、今作は日常の謎ではありません。
個人的に大崎梢先生の最高傑作です。
本を出すためになんでもする。それが文芸編集者。一冊の名作を匂わせる原稿に出会った主人公がその出版のために奔走する。
挫折知らずの、自覚のない傲慢さを持った主人公ですので、なかなか一つの障壁を乗り越えた達成感が伝わって来ません。しかし、そこがこの作品のミソ。彼の成長の物語であり、一冊の本と周りの人々を描くこの作品は後半に一気に私の心を掴んでくれました。
暗い曇天の空に雨の情景で始まるこの作品がどう終わるのかは是非読んで確かめて欲しい。
私は大崎梢先生の欠点は優しすぎるところだと思っていましたが、この作品は適度に人間の嫌な部分が見えているのもいいです。他者の編集者も舌を巻く出来と身につまされるリアルさ
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+++
作家=小説を書く人。
文芸編集者=小説のためになんでもする人。
老舗の大手出版社に勤める彰彦は、過去の人と目されていた作家の
素晴らしい原稿を偶然手にして、どうしても本にしたいと願う。
けれど会社では企画にGOサインが出なくて――。
いくつものハードルを越え、本を届けるために、奔走する彰彦。
その思いは、出版社内の人々に加えて、作家やその娘をも巻き込んでいく。
本に携わる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる一作。
+++
学生時代から、進路に関する挫折を知らずにここまできた編集者・工藤くんの熱意の物語である。たまたま読ませてもらったいまは注目されていない作家の原稿の素晴らしさに惚れ込み、なんとしても自社から出版したいと、さまざまな壁に立ち向かう姿が描かれており、熱い思いが伝わってきてそれだけでも感動的なのだが、この物語はそれだけではない。原稿に込められた思い、伝えたい言葉、会いたい人。作家だけでなく工藤自身の思いも絡めて描かれている切なくも強い気持ちが胸にしっかりと届いてくる。慈雨のようにしっとりと沁みこむ一冊である。
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大崎さんのお仕事もの
売れていない作家さんの原稿をどうしても 本にしたく、がんばる若手編集者のお話です。挫折しらずで無自覚な驕慢さのある主人公が、頑張るなかでいろいろな立場の人と出会い成長していくお話です。
編集者 作家 営業 書店の関係や考えの違いなども興味深くお気に入りの一冊になりました
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泣いた。
大崎さんの書く物って本当に好きだ。
それぞれのキャラクターもすごくいい。
主人公が、ひょんなことからある作品に出会い、ほんとして出版する話だが、出版の裏側も面白かった。
読んでよかった。
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〈内容〉本を「作る人」になってみて、わかったこと、思ったこと。あちこちに熱い思いが迸る、小説が届くまでの物語。
本好きには堪らない…いろんな涙が止まらない…この小説に出逢えて良かった~という作品でした。
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文芸編集者のお仕事もの。作家と編集者、編集者と営業の関係が興味深い。こういうの読むと図書館で借りてばかりですまなく思う。
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題名の「クローバー・レイン」の意味。
読んだ後に、そういうことかと納得。
最後、小さな感動が広がりました。
文芸担当編集者のお仕事がよくわかる1冊。
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編集者のお話。
とても興味深かったです。
こうして本は作られて行くんだなぁとか、色んな人が関わっているんだなぁとか、本を作る裏側を覗けたカンジ。
途中で「プリティが多すぎる」と同じ著者か!と気付き、何となく納得。全く意識してなかったけど、他の本も読んでみたいかも。
作中、東野圭吾の「秘密」や乾くるみの「イニシエーションラブ」等、読んだことのある作品名が出て来て何となく親近感。
スピンオフで作中の「シロツメクサの頃」と「両刃」を書いて欲しい。