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読んで良かった。とっても読んで良かった。レトリックに騙されるんだけど、騙されて良かった。騙されて、安心して、泣いてしまった。読書で悔し泣きとは、って少し笑う。さっさと見舞いには行っとけ、とは思うのだけど。
あと、恩田陸さんの麦シリーズが読みたくなる。なので「薔薇の中の蛇」を待望することに決めた。「ダンデライオン」も。
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読了、40点
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津上有騎、水瀬鮎子、長岡茉歩、そして葉原美雲―四人の女子高生の不安定な対立感情が極限に達したとき、ひとつの悲劇が起きた。傷ついたのは誰で、嘘をついていたのは誰なのか?先行きの見えない展開、反転する構図―禍々しくて華やかな、少女たちの四重奏。復活が待たれていた少女小説界の鬼才による、五年ぶりの新作ミステリ。
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正直なところ評価は低いです。
この小説全体を通してのテーマは、立場が違えば見えてくるものが全く違う、ということだと思いますが、そのテーマに対するアプローチが非常に拙い印象。
小説の構成は全3章のうち第1章で茉歩の事件の背景となる人間関係と事件そのものが語られ、第2章では有騎が逃避した先での話が挟まり、第3章で茉歩の事件の真相が語られる形となります。
第2章で挟んだ洋館の謎も立場が違えば見えてくるものが違うという喩えとして挟まれているだけならその謎が完全に解き明かされる必要はありませんが、物語の最後に洋館の関係者が突然事故に遭い、その結果洋館の謎と洋館での人間関係にスポットが当たりますがその部分は完全に放置して物語が終わることには全く納得がいきませんでした。
また多重解決にしても、読者の視点にいる有騎が盲目的に他人の意見を信じ過ぎるせいで読者は置いてけぼりになってしまうような印象。これは同時に推理の論理展開が彼女が嘘をついているならとそこがベースになって発展している部分が問題。
僕は読みながら何故180度逆のスタンスの人間の言うことを鵜呑みにするの?そこは多少なりとも他の人に見聞きしたりしないの?と思わざるを得ませんでした。
そして最後に主人公4人の役割のバランスの悪さが気持ち悪い。ここまで来るともはや小説の粗探しになっているので割愛しますが他に書き方がなかったのかなと思ってしまいます。
文句ばかりをつらつらと書き連ねてきましたが、文体や女子高生4人の人間関係の苦悩や成長と、個人的に非常に好きな要素が多かっただけに、またミステリフロンティアという好きな小説が多いレーベルだっただけに勿体ないという気持ちが多分にあります。
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章が3つあって、第一章を読んだところで後味の悪さに続きを読むか真剣に悩んだ(笑) とりあえず第二章からはわりと普通だったので少し安心。ともあれ、十代の子達が読むと、前に進むチカラになるような作品かなと思う。ミステリは味付け。
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四人の女子高生たちのミステリで、廃園に囲まれた舘やそこに閉じ籠もっている主である少女や、感受性が豊かであったが為によじれてしまった少女等、題材はすきそうなのに、表層を受け取るくらいしか出来ずあまり入り込めなかった。良い意味で現実味のない雰囲気はすき。
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当初も思っていたような女子高生同士のドロドロとしたようなミステリではなく、透き通った残酷さと青春期特有の承認欲求が内混ぜになった青春ミステリでした。星を撃ち落とすというタイトルもいいし、透き通った星空の希望を孕んだもの寂しいイメージと内容が合致している。3章仕立てで間に別のエピを挟むという変則的な構成ながらも、しっかりと読めるつくりになっている。