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ベートーヴェンその人の伝記と、遺髪がくぐりぬけてきた歴史をたどるルポルタージュと、遺髪の科学的分析から判明した新たな事実と、三つの要素がうまくからみあって、とても緊張感のある、わくわくするノンフィクションになっている。
ヨーロッパの歴史を語る上で、ナチスというのはほんとうに避けて通れない要素なのだなとあらためて痛感させられる。デンマークの人々によるユダヤ人救出活動というのはこれまで知らなかったことで、胸をゆさぶられた。
そして鉛中毒による大変な苦しみをかかえながらも数々の偉大な曲を作曲したベートーヴェン。その性格の難しさなどもしっかり描かれていて(周りの人は大変だっただろうな。とくに甥。)、けっして美化する一方ではないのだけれど、それだけにこの人物のすさまじさ、孤高、大きさがあらためて胸に迫ってきた。
あと、著者が若者向けに記したあとがきもなかなか興味深いです。YA世代にぜひぜひ。おすすめのノンフィクション。
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ベートーヴェンは長い間病気に苦しみ、音楽に携わる職業柄最も大切なものの一つである耳までも聞こえなくなってしまいます。しかし、聴力を失っても作曲を続け300曲以上の曲を残しました。この本はベートーヴェンの遺髪をオークションで手に入れた2人のアメリカ人が、ベートーヴェン本人の願いでもあった病気の原因を探り、ベートーヴェンという人物について世の中もっと知ってもらおうと遺髪の科学調査を行いその過程が綴られたものになります。また、遺髪が、その2人に渡るまでの歴史やベートーヴェンの生涯、時代背景などがあわせて書かれていて、音楽に興味のある方はもちろん、その他の分野においても楽しめる本になっています。ベートーヴェンの遺髪に隠された真実を見てみませんか。
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大人向けに書いた本を子ども用にリライトした本。ベートーヴェンの伝記と遺髪の持ち主の物語と、遺髪を競り落とした後の分析結果がバランス良く語られている。図版も多く、子どもを飽きさせない。
ユダヤ人の迫害がベートーヴェンの遺髪に絡んでくるところと、分析結果からわかった真実が読みどころ。
小学高学年から中学生にぴったり。
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ベートーヴェンの聴力が失われた原因と死因、それは当時ワインに混ぜられていた鉛だった!
奇跡的に発見された遺髪から、現代の科学で謎を解き明かす…期待していなかったが、とても面白い本だった。