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かねがね、重力のことは不思議に思ってたので、読んでみた。
ところが、重力のハナシというより、超弦理論のハナシだった。。。その筋の人には、重力のハナシは超弦理論のハナシ(宇宙論のハナシ)とイコールなのかも知れないけれども、私はもっと、重力自体のハナシかと思ったのだ。
村山斉さんの本で、重力を伝える素粒子のことを知って以来、その素粒子が気になって仕方なかったのに。。。だって、いくら質量がないとはいえ、宇宙にばら撒く程になにやらを出したら、あっというまになくなっちゃうんじゃない?ていうか、飛んで行くのに、引っ張る力って、どゆこと?
本書では、そんな重力について、なんとも驚きの解説、あるいは解釈の説明がされる。重力を真剣に勉強した人のコメントが秀逸だった。。。というか、私の生きてるこの世界って、一体なんなんだろう。。。
そして、素人には変態的にしか思えない超弦理論の、めくるめく多次元ワールドによって、宇宙の究極の真理が明かされる!はず!!ということだそうで。。。たぶん、人類が宇宙の究極の真理に辿り着いたとしても、私には理解できないだろうことは、よく分かった。。。
ところで、アインシュタインをはじめとして、お馴染みのファインマンさんやホーキング博士、日本のノーベル賞受賞者の面々などなど、数々の物理学の偉人の業績についての話は、大変面白かった。
特に、ファインマンさんの本は何冊も読んでいるのに、こんなすごい天才だったことに、いまさら新鮮な驚きがあったりして。。。だって、ファインマンさんときたら、イタズラばかりしている口の悪いオトナげないオトナのイメージがありすぎて(笑)
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大栗氏は日本を代表する超弦理論特に位相的弦理論の研究者である。しかし、村上斉氏の本と同じ程度に期待はずれの本だった。いわゆる知ってる人には何も得る事はなく、知らない人には理解できない内容だった。雑誌ニュートンで延々と繰り返された「また相対論特集…」というあのがっかり感に似ている。私が村上氏の本と同様に感じたのは、これが彼らの分野の対外的なコマーシャルに過ぎないというものだ。いかにもコマーシャルらしく、そこにはバラ色の未来しかかかれていない。
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借りたものの、なんかバタバタしててほぼ読んでない・・・
50頁くらい流し読みしたかんじでは、堅苦しくなく読みやすそうだったけど。
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ニュートン力学に始まり、アインシュタインの相対性理論から超弦理論まで、実にわかりやすく解説されていて面白かった。
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ガリレオ、ニュートンから始まり、天才アインシュタインの登場。序盤からすごくおもしろい。
この本は重力について、物理について、ものすごくわかりやすく説明している。にもかかわらず、僕には中盤から理解ができなくなった。
本当に困った。
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『宇宙になぜ我々が存在するのか』を読んで、わくわくする一方、途方に暮れた。はて、この分野に少しでも近付くには、次に何を読めばよいのか・・・?
ネット上で、本書の試し読みが目に付いた。目次をさらっと見るに、GPS・重力七不思議・相対論・ブラックホール・シュレーディンガーの猫・超弦理論・多次元と、なかなか興味を惹く項目が並んでいる。ちょっと読んでみようか、と借りてみた。
私たちが地上で日常生活を送れるのは、重力のおかげと言ってもよい。重力がなければ、すべては宇宙空間に飛んでいってしまう。
しかし、重力には意外に謎が多いのだという。重力の七不思議といわれるものがある。
1)重力は「力」である
2)重力は「弱い」
3)重力は離れていても働く
4)重力はすべてのものに等しく働く
5)重力は幻想である
6)重力は「ちょうどいい」
7)重力の理論は完成していない
1)はニュートンのリンゴのエピソードがよく知られる。リンゴにも月にも、「万有引力」が働いている。2)は、磁石との比較を考えるとよい。クリップが磁石に吸い付けられる力(電磁力)は重力よりも遙かに強い。5)に関しては、エレベーターの上昇・下降がよい例になるだろう。重力には見方によっては姿を変える、不思議な性質がある。6)は、重力が今より大きかったら物質はすぐに重みでつぶれてしまったり膨張して拡散してしまったりしただろう、ということである。そうであればそもそも生命体など生まれようがない。
こうしたことを含めて、7)の不思議がある。身近な力なのに、実はわかっていないことが多いのだ。
物理の理論は「10億(10の9乗)」ステップで広がっているという。
通常より1つ大きいステップ(10億メートル=月の軌道)に上がるまではニュートン理論で説明が付く。それより1ステップ上がると(銀河の大きさ)アインシュタイン理論が必要である。さらにもう1ステップ上がるとアインシュタインの理論も破綻してしまう(ちなみに小さい方にいくと、1ステップ下がって(10億分の1(ナノメートル))分子サイズであるナノ・サイエンス、さらに1ステップ下がると(<10億x10億>分の1)素粒子の世界となる。こちらでは量子力学が活躍するが、これより小さくなると量子力学理論もまたほころびが見えるようになる)。
アインシュタイン理論では、重力は時空間の歪みである。平らな面に重みのある球を乗せると面には凹みができる。その凹みに落ちていくのをイメージするとよいようである。
ところがアインシュタイン理論にも限界がある。相対論と量子力学を融合させる試みの中で生まれてきたホログラフィー原理によると、三次元空間のものは二次元に変換できるのだそうだ。この場合、重力はもちろん、空間そのものが「幻想」だということになるのだという。
ただ、現実世界にいる際、重力理論は日常現象を理解するのに必要なものであるので、重力理論自体が無用になるわけではないようだ。
いささかキツネにつ��まれるような話もあるが、「二次元世界に球が現れたらどう見えるか」、「円周率が3.14でない世界」、「超高速粒子は過去に戻りうる」、「粒子が過去に向かうことと反粒子が未来に向かうことは同じである」等、エキサイティングな話題がちりばめられている。
数学と物理が切磋琢磨しながら、この分野はどこへ向かっていくのだろう?
読み終わって、やっぱり、わくわくしつつ当惑もしている。わからないながらも、何だかわくわく感に惹かれて、またいずれこの近辺に立ち寄るような気もしている。すべてをわかることはないのだろうが、それもまた楽しい、のかもしれない。
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本日2012年7月4日、CERNにより量子物理学の標準モデルにおける最後の仮定素粒子であり、物質に質量を与える役割を持つヒッグス粒子発見に限りなく近づいたという発表がなされたとのニュースが世界を駆け巡った。
BBCの報道によると、物理学の証明としては小数点以下5桁の精度、即ち99.99999%の確度が求められているのに対して今回の発表は下4.9桁レベルの確度だそうで、更なる追試が必要とは言われているものの、これがノーベル賞物の発見と言う事であり、何となくその場にライブで立ち合わせたというのは何となく門外漢にも心躍る出来事だった。
さてその質量がもたらすものが重力だが、重力もまた現在の物理学では良く判っていないものであり、それに焦点を当てた本書のタイトル「重力とは何か」はまさに時流に乗った素晴らしいものだ。
が、しかしながら「名は体を表わす」とは残念ながら言い難く、所謂、一般の宇宙物理学の発展の歴史に加えて、最後は著者の研究テーマであるトポロジー的手法による超弦理論の説明が主という内容でちょっとばかり肩透かしだ。(と云う感想を何時もこの手の本を買っては呟いているので少しは学習しろよ、と自分自身にツッコミを入れたくなるのだが、ついつい何か少しでも理解に近づけるようなものがないかと期待して買ってしまうのだ。)
勿論、各理論の説明に際しては著者独自の喩えや物理学者の自筆イラストが挿入されるなど新しい試みは織り込まれているのだが、余り本質的なものではないような気がする。
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2012/11/23
一度図書館から借りたけど、3ページも読まずに挫折。
久しぶりに行った図書館で浮かれて本を借りすぎたせいだ。浮かれついでに貸本屋さんから夏目友人帳全巻借りちゃったし。
全然時間ないよ(汗)。だが後悔はない。
また借りよう。
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話題の本だったので、理科系は苦手なのに読んでみました。少しは理科の頭になれたら良いな〜と思って。でも、分からなすぎて…評価もできません…。多分、理系の人には面白く読めるのかな?
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相対論や量子力学の一般向け解説書としては最もわかりやすい。巧みな比喩を用いて書かれていて、著者がいかに本質を理解しているかがわかる。さすがに超弦理論は難解だが何となくわかる気にさせられた。
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2012/7/9 Amazonより届く。
2012/8/4~8/18
旅先の富山のホテルで読了。
ヒッグス粒子の存在がほぼ確実になり、重力に注目が集まっている。筆者の大栗先生は、私より少し年上であるが、私ももともと宇宙論の研究がしたくて大学に入ったので前半部分は懐かしい感じで、読めた。超弦理論については、その名前を度々聞いていたが、ちゃんと勉強することなく、物理学を断念してしまったので、その後はあまりフォローできていなかったが、本書を読んでその進展がある程度理解できた。やっぱり物理学は面白いなあ。
あと、一番良く分かったのは自分には物理学の才能が無い、ということだ。(笑)
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重力理論というか現代物理学の解説書。
万有引力の法則で有名なニュートン。そして、ニュートン理論では説明できなくなったよりマクロの重力現象を説明するアインシュタインの相対論、アインシュタイン理論では対応できないよりミクロの重力現象を説明するものとして量子力学、更に両者を統一する理論として期待されているのが超弦理論と解説が進みます。正直、後ろに行けばいくほど難くてなかなか読み進みにくくなります(著者としては平易に書いてくれているのでしょうが私には難しかった)。1回読んですぐ読み直しましたが、その後も”?”な部分が少なくありません。
また、超弦理論の解説中、素粒子の標準模型の中で唯一見つかっていないヒッグス粒子という部分がありますが、丁度読んでいる頃に”観測された模様”というニュースが駆け巡りました。まだ重力の理論は完成していないようですが、まさしく現在進行で研究が進んでいる分野なようで、理論の理解はできなくても興味深くページをめくることができました。
しかし、有名な算式 ”E=mc^2”。
見た目は単純なんですが、なんと悩ましいことか…。
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ていねいに、大切に書かれているのが伝わる良書。
あれもこれもと内容を拾ってくれているのに、(専門的にならない程度に)半端な省略がなされないのはすごい。
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文章が易しくてわかりやすく、且つ飽きないように面白く書かれていてよい(内容が難しいので途中から理解し辛くなったけどそれは僕の知識不足)。
話題のヒッグス粒子に関して「発見が期待される」と書かれていて、今著者が同じお題で本を書いたら内容が変わっていただろうなと思った。
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9割くらいは知ってることではあったが、超弦理論の発展の歴史やその周辺で明らかになってきたこと、細かい小ネタなどが盛りだくさんで、とてもわかり易い本だった。
P.6
今ヒッグス粒子で話題のCERNのLHCの前に世界最高だったフェルミ研究所の加速器の予算審議で、初代所長のロバート・ウィルソンが「この加速器は、直接には国防の役には立ちません。しかし、わが国を守るに足る国にすることに役立ちます」と答えた下りはあっぱれ。
P.37
「質量」(慣性質量)と「重さ」(重力質量)は10兆分の1の精度で一致が確認されてはいるが基本的に別という事を強調するのが古典力学だけれど、この本のように弱い等価原理的(WEP)に質的にも同じと断言されると、そうなのかと思ってしまう。
P.62
エーテルの不在を図らずも証明してしまったマイケルソン=モーリーの実験は、1887年、石造りの建物の地下室で、水銀のプールに浮かべられた砂岩(Wikipediaには大理石とある)の巨大なブロックの上に装置が置かれ、振動による影響を排除した。
P.64
アインシュタインが相対性理論を考えていた時、マイケルソン=モーリーの実験結果を知っていたかどうかは明らかになっていない。
P.78から記述してあるE=mc^2の証明の説明はあっぱれだ。
P.112
アインシュタインが一般相対論の方程式導出をしていた1915年、先に導出をした論文をアインシュタインに送ったヒルベルトは、翌週に発表するつもりだったというアインシュタインからの返信に対し、アインシュタインの功績を認める友好的な返事を送った。
ヒルベルトプログラムを巡るクロネッカーやゲーデルの争いに出てくる堅物なヒルベルト像とは違った懐の広さを感じる。
P.122
重力波の観測を目的に岐阜県神岡鉱山に建設予定の「KAGRA(KAmioka GRAvitational wave telescope)」の精度は、300垓分の1で、地球と太陽の距離を水素原子の10分の1の精度で計測することに匹敵する。
P.125
人工衛星は、相対速度(特殊相対論的効果)によって地上より一日7マイクロ秒遅れ、重力の弱さ(一般相対論的効果)によって一日46マイクロ秒時間が進む。合計で39マイクロ秒進む。
P.144
アインシュタインが自らの重力場方程式に宇宙項を付け加えたことを「生涯の不覚だった」と言われたとされているが、カリフォルニア工科大学でアインシュタインの論文、手紙、メモなどの一次資料の決定版を作成する「アインシュタイン・ペーパー・プロジェクト」のディレクターによると、その発言の記録はジョージ・ガモフの自伝以外に存在せず、ガモフのつくり話である可能性がたかいらしい。
P.168
イギリスの科学誌「フィジックス・ワールド」が2002年に行った「科学史上最も美しい実験」に読者投票で選ばれた日立製作所の外村彰らによる超有名な電子の干渉縞実験。外村氏は、震災直後の昨年3/15にがんと診断され、4月に膵臓の半分と脾臓の大半、胃を摘出。しかし、今年3月に再び体調を崩し、5月に予定されていたFIRST(最先端研究開発支援)外村プログラムの国際シンポジウムの開催と古��を前に息を引き取った(4/24)。残された遺品から「電顕、電子の波、ホ電(ホログラフィー電顕)は僕の命です。」などと書かれたメモがみつかった。(日経サイエンス2012年7月号参照)
P.201
CERNのLHCの1京倍のエネルギーを実現する加速器を考える。半径は銀河系の厚み程度。加速する粒子の波長は、10ナノ・ナノ・ナノ・ナノメートルで、この粒子が衝突した際に発生するブラックホールのシュヴァルツシルト半径も同程度になる。したがって、観測すべき領域が覆い隠されてしまい、原理的に測定不可能。これがプランク長さ。
P.206
アメリカでシュウィンガーとファインマンという二人の天才がくりこみ理論の完成に向けて競っていた最中の1948年、日本から小さな小包が届く。同封された雑誌には、朝永振一郎が第二次世界大戦中の1943年に日本語で発表した論文の英訳が掲載されていた。後にこの3者の方法が数学的に同等であることを示したフリーマン・ダイソンは「戦争による破壊と混乱のまっただ中で、世界の他の部分からまったく孤立しながらも、・・・・彼はシュウィンガーに5年先んじて、・・・・新しい量子力学を独立で推し進め、その基礎を築いていた。」と語っている。
その他、クォーク・グルーオンプラズマの発見のドラマや、トポロジカルな弦理論、重力のホログラフィー原理、など、楽しい話題がもりだくさん。
宇宙が人間が存在できるような形でたまたま存在したという人間原理を、科学の最終兵器とする考えには共感できない。たまたま存在しているのは人間の方で、「物理的好奇心」を持ったことはさらにたまたまという気がするから。