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重力の不思議に引っぱられて、ガリレオはピサの斜塔から鉄の玉を落とした。ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力を発見した。確かに、この世界の成り立ちへの探求は、重力に魅せられた人々の疑問から始まったのかもしれない。そして、現代に生きる私たちも、ヒッグス粒子の発見のニュースに心をときめかせる。
「重力」という甘い罠に誘われて読み始める。本質を知り尽くした者だからこそ繰り出しうる巧みな喩えに手を引かれながら、気がついてみると、この宇宙の成り立ちの鍵を握るらしい「超弦理論」にまで辿り着いている。
高校の同級生を思い浮かべながら書かれたという本書は、数々の思考実験に満ちていてスリリングである。読み終わると、私たちは、「人類の経験している最もエキサイティングな知的冒険」に立ち会っているらしいことに思い至る。
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相変わらず何かよく分かりませんが、知的興奮をもたらしてくれる。
この作者も天才?
スポーツ選手と違い、学問の世界では言語による説明能力が天才と呼ばれる人には備わっている模様(当たり前か)だが、この人もその匂いを感じる。
「科学とは自然を理解するために新しい理論を構築していく作業」、昨今の経済学者等に聞かせたいお言葉です。
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さすがに難しくて理解できないところはあるが、非常にわかりやすくイメージを説明してあり、どんどん読み進んでしまう。
学校の物理の授業でも、このように体系だてて説明してくれれば、良かったのに。
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科学に興味があって噂にきいた本書を手に取りました。高校物理から解説が始まりますが、徐々にちんぷんかんぷんになっていく自分がいましたwそもそも超弦理論という言葉さえ初めて目にしたような自分なので、己の頭の悪さ・知識の無さを思い知らされました。だけども、昨今のノーベル賞を賑わせているのはこの理論に関するものが多いのかなと知り、さらにこの理論の発展をこれからは注目していきたいなと感じました。日常で意識的に感じずにいる重力が宇宙の謎の根源まで遡れるのだから圧倒されます。
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世界レベルで活躍する素粒子物理学者による重力の本ですが、高校で習うような物理の基本内容から分かり易く解説されているので、全く知識がない方にも読み易い内容となっています。冒頭重力に関する素朴な疑問を提示し、その後それに対する返答としてニュートンの万有引力、マクスウェルの電磁気力、アインシュタインの相対論、ブラックホールの存在によって複雑化する量子力学、そして現在の主流である超弦理論までと、基本的な物理史を追いながら重力について、また広くは宇宙の原理から素粒子までの最先端の科学が一挙に述べられています。非常に興味深く面白い内容でした。相対性理論やブラックホールの原理なども分かり易いですし、昨今ニュースなどで話題のCERNのLHCや日本の岐阜県にある大型低温重力波望遠鏡KAGRAなどの話も度々出て、まさに今世界の最先端の物理学の現状がすんなり理解でき、そういった世界がぐっと身近に感じつつも未来へのワクワク感が非常に高まります。本書の終盤に至っては今までの定説がひっくり返るようなどんでん返しがあるなど、重力を巡る壮大なSFミステリーのようにも感じられます。こういったスケールの大きい分野を垣間見ると、日々の生活のゴタゴタや社会における争いごとなどが非常に些末に思えてきます。重力や宇宙に興味のある方には勿論、SF系が好きな方にはオススメの一冊です。
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本当に数式が一つもないのに、すごく「判った」気にさせてくれました。数式や理論を自分の言葉で説明できる人って本当に頭がいいのですよね。昔から、自分はできてないので、ホントに思います。
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今更ながらに読み終わりました。重力についてかなりわかりやすく書かれてます。
よく重力の説明に出てくる、トランポリンの上に乗せた重い玉の例、ありますよね。あの意味がようやくわかりました。
サイモン・シンの宇宙創世、本書にも出てくるレオナルド・サスキンドの超弦理論の本読んでたので後半の複雑な話もなんとか分かったような?
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P.5
進化論的ないい方をすれば、奥がいくつも並ぶような世界のことを理解しなくても、人類が淘汰されることはありません。そんな知性を持つ必然性はまったくないのです。
ところが人間は、生活にはほとんど関係のないことまで知る能力を得てしまいました。役に立たないことがわかっていても、好奇心には勝てません。そして私は、そんな人間の営みにはすばらしい価値があると思います。
P.213
一つには、理論がきちんと成り立つためには、宇宙が一〇次元(空間九次元+時間一次元)である必要があることがわかったのです。私たちの空間は三次元のはずです。これは、空間で位置を決めようとすれば、縦・横・高さを決めればよいということです。空間が九次元ということは、縦・横・高さのほかに、六つの余計な次元があるということです。そのような余計な次元がなぜ必要なのでしょうか。
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子供達が小さい頃、よく公共施設の科学館に連れて行った。簡単な重力の実験が遊びながら出来るようになっていた。ふと、何で離れている月や太陽から力が伝わるんだろうと疑問が湧いた。ニュートンさん、変じゃないか。
「ブラックホールを避けて、ロケットを打ち上げよう」なんてゲーム状の展示もあった。スマートボール大のボールを斜めに打ち上げるゲーム。盤にはスリバチというか、アリジゴク状の穴が幾つも。もしや、重力は空間の歪みではなかろうか。
中高生の時分には何も思わなかったのだが、いい歳して重力のことが解からず、気になっていた。で、新聞評を見て購入。
アインシュタインの相対性理論の説明は似た説明を過去にも読んだな、と思いつつ読み進んだ。読んだ事実と理解は別物ではあるけれど、本書の説明はかなり解かり易い。噛み砕けない処を無理に丸呑みさせられるように感じることが無い。しっかり理解したと云うつもりもないが、面白かった。
超弦理論も数年前は何か胡散臭く語られていたが、研究が進んだ成果は、おお、そうなのかと驚きと伴に納得させられる内容だった。重力についてもそこまで解かったのかと感心。逆に云えば、今まで意外と解っていなかったんだなあ。
本書については先端の研究家が自身の研究をわかり易く、熱を込めて語ってくれるのだから、文句のつけようがない。とても楽しい読書ができた。電車やバスで即時に眠りこけることも多かったが。
量子力学についてニールス・ボーアについて全然触れず、コペンハーゲン派以外の学者を取り上げていたのが、ちょっと不思議。
この後は、電磁力を教えてくれる良い本ないかな。
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潮汐力の説明のところはとてもわかりやすかった。
量子力学は多次元の話になってくると、もはやたとえ話で雰囲気をつかむしかないが、それなりに楽しめた。
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総じて易しくわかりやすい文章で、相対論、量子力学、超弦理論など近代科学史を俯瞰できる。やや難しいと感じる部分もあったけど、文系でも楽しめる一冊だと思う。
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重力・量子力学・相対性理論などの歴史を紐解きつつわかりやすく解説してくれる良書。
文系ゴリゴリの私でもわかった気になれる。あくまでも気になるだけだが。
文系の人がしっかり理解するためには複数回読んだり他の書籍等でも知識を得る必要があるでしょう。
我々が生きているこの世界を、宇宙を解説してもらうことで、日常気にしていなかったことに気がついたり、興味を持ち始めたりします。
これを読んで、Newton買ってみよう、と思った人も多いのではないでしょうか。
自分が知らなかった新たな分野の扉を開けるきっかけになりそうです。
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ニュートン力学、相対性理論、量子力学を経て超弦理論に辿り着く様子と、それぞれの特徴を数式を使わずに喩え話を使って説明しているので読みやすかった。後半に進むにつれて三次元的な図形として、あるいは直感的にイメージしづらい事象となっていったため理解の及ばないところもあったが、超弦理論が何者で、何を説明しようとしているのか?ということは、おぼろげならが分かってきた。
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素粒子物理学の現役研究者である筆者が、身近な重力をとっかかりに、物理学・宇宙論の魅力を詰め込んだ一冊。はっきり言って一回読んだだけじゃわからん。再読はマスト。尻上がりに難解な内容になっていく構成のため序盤の読み飛ばしは禁物。確かにわかりやすく歴史的なストーリーも把握しやすくコンパクトにまとまっているし宇宙論のさわりとしてはいいと思う。しかし超弦理論などの複雑怪奇な理論をたった数ページで理解できるわけもなく、理系であれば歯がゆくもどかしい思いに悶々としながらページを繰ることになるはず。全体を俯瞰するには非常によい。
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タイトルの通り、重力についての解説本。
ただ、重力について知るには、ニュートン時代の古典力学から、アインシュタインの相対性理論を経て、量子力学まで触れなければならない。
要所ごとに図で説明されているけれど、つまづいた場合は、相対性理論や量子力学についての雑学文庫などで補うのがオススメ。
さらに終盤では、超弦理論や6次元の世界が出てきたあげく「重力は幻想」であるという驚きの展開を見せる。
最終的には神学や哲学の領域に。
この分野については、本書と合わせて池内了『物理学と神』がオススメ。