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“「ところで、真理は、学校が近くなって、通学が楽になったんじゃないか?」
「うん。」
せっかくおとうさんが話しかけてるのに、おねえちゃんは、そっぽを向いたままで、ひとことだけの返事をした。
新聞をくしゃっとたたんで、おとうさんが立ち上がる。
「さあ。おとうさんは、行ってくるとするか。」
「行ってらっしゃい。」
おねえちゃんったら、目玉焼きをほおばったままで、顔も上げずにいったぞ。
わたしは、おかあさんといっしょに玄関まで行って、おとうさんを見送ってあげた。
「おとうさん、今日も一日、がんばって。」
「行ってらっしゃーい。」
わたしは、おねえちゃんの分まで大サービスのつもりで、両手をふる。
ふと気配がするのでふり返ったら、ろうかのはしに、おねえちゃんが立っていた。だまったままで、おとうさんに小さく手だけふっている。
おねえちゃんって、もともと愛想のないやつだとは思うけど、このごろますます拍車がかかってる。”[P.62]
おねえちゃん可愛いなぁ。
“「ねえ、奈っちゃん。あのね、今までわたしが読んだ本のデータでいうと、転校生って、みんなにすごくもてはやされるか、いじめられるかのどっちかなんだけど、五年一組ではどっちなんだろ?いじめられる心配なんて、しなくていい?」
わたしがきいたら、奈津は「へっ?」っていう顔になった。
「萌ちゃんて、テンネンなの?変なこときくね。あんた、いじめられたいの?」
まさか、そんなわけはない。ブンブンと、首を横にふる。
「もちろん、いじめられたくはないけど、もてはやされたくもない。ふつうに、自然にしてほしい。まえから、初めっからこのクラスにいたじゃん、ってふうにあつかってほしい。」
「なるほどね。だったら、だいじょうぶだと思う。いじめなんてダサイこと、わたしがゆるさないもんね。」
「うわぁ。たのもしい!わたし、奈っちゃんと同じクラスでよかった。」
実感をこめていうと、奈津は、「まかせなさい。」というように、胸をドンッとたたいた。”[P.116]
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萌は小5。夏休みに、マンションから一戸建ての家に引っ越しが決まった。転校することになったけど、犬を飼ってもらい、新しい家での生活がはじまった。
犬はお父さんが勝手に買ってきたビーグルだったけど、可愛いので気に入り、ソラと名付けた。
犬のソラの散歩中、宙(ソラ)という名前の男の子と出会った。同じ小5の男の子。けれど、その子はちょっと変わっていた。スポーツが出来てちょっと意地悪な言い方して、人一倍頑張ってつっぱって・・・かと思えば、人が違うみたいに優しくなったり。
新しい学校には素敵な洋館の図書館があった。本が大好きな萌は早速、図書委員になった。また、新しくできた友達・奈津に誘われてバレーボールをはじめたり、運動会ではリレーの選手に選ばれたりして、すこしずつ学校にも友達にもなれていった。
そんな時、萌は、宙の悲しい過去と悲しみを知る。宙には双子の死んだ兄・海の幽霊が見守っていて、萌の前にだけ現れるのだと気がつく。
1巻だけでは物足りない感がありますが、シリーズものなので。
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子供が気に入っていたので読んでみた。
公立の小学校に二階建ての洋館の図書館がある、というのがすごい設定だが、転校して来た主人公には宝物なのに、在校生にはその価値がわかっていない。それはそうかも知れない。
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【図書館本】タイトルの“図書館”に惹かれただけで手に取った。児童書だし特に期待せずちょっと馬鹿にしてる部分もあった。けど読んでみると意外に読めた。児童書らしい急展開は多かったけど、小学生らしい友達関係とかほのぼのしてたし、和気あいあいといった雰囲気が楽しかった。タイトルの“図書館”はチラッと出ただけで深くは関わって来なかったのが残念。印象的には素敵空間だったので、今後に期待。
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・そらという人と、もえがかっている犬のソラが同じ名前でびっくりしました。赤いかさをかしてくれた人がにゅういんしていて、とてもかわいそうでした。
・ひっこしてきた女の子の犬の名前と、ひっこしたまちの男の子の名前がぐうぜんいっしょだったことから始まる物語です。その男の子には、ふたごの兄がいて、お父さんと死んでしまったけれど、その女の子には、ふたごの兄が見えるわくわく物語です。
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二人のソラと言いつつ、この本の絵を描いている人もソラさんなので、実は三人いたりする。
この本では、図書館=学校と別棟になってる図書館 図書室=学校のひとつの部屋にある図書館 ということのようですね。学校図書館というものを少し知ってる人にとってはなんとも違和感がある表現ですが、仕方ない。
洋館をそのまま図書館にした学校図書館が、使いやすいかどうかは議論が分かれるところだと思いますが、主人公が気に入ったならそれはそれでいいでしょう。
司書教諭が専任というのも、またとても珍しく、そして素晴らしいことだと思う。
でも、いくら専任でも、運動会は一緒に参加してもいいような気がするなあ。
作者さんにとっての学校図書館のイメージなんでしょうね。
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実際の本を主人公が読んでいて、私も読んで楽しかった!と共感できたり、次の図書の参考になってとても楽しい。