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ごますり探偵法間を主人公にした連作短編集。
すりすりしまくって、あっという間に事件も解決しちゃうなんて、実は切れ者なのか。一度は、すりすりされてみたい。
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東直己と言えば「探偵はバーにいる」に代表されるハードボイルド小説、そして北海道新聞に連載されていた爆笑エッセイ「ススキノ・ハーフボイル」シリーズとかなり両極端にその傾向は分かれる。
その間を埋めるような中間小説(って言い方がかなり古いけど)のような著作は無いのだろうかと思っていたら、それがこの幇間じゃなくて「探偵・法間シリーズ」だったとは全く知らなかった。先日は書店で久しぶりに東直己でも読むかなと何気なく手にしたので全く先入観も事前知識も無く買ったのだが、調べてみるとすでに本書で第三作というから驚いた。
関東のある都市に住む冴えない中年私立探偵の法間(ノリマ)だが、タイコもちの如く次から次へとお世辞を速射砲のごとく繰り出すところから、誰もがその名を「ホウカン」」と呼ぶ。着る物も持ち物も安物ばかりなのに何故か古今東西のブランド物には滅法詳しく、その知識をお世辞に混ぜ込んで相手を良い気持ちにさせて口を開かせ謎解きをするというちょっと変わった探偵物語だ。
決して大笑いするものでもないし、テンポが良いとかいうような小説ではないのだが、何故か後を引く感じで過去の作品も読んでみようかなという気になる。否、それ以上にこの小説を書くにあたりやはりブランド物とは全く縁の無さそうな東自身の風貌と、本書を書くに当りブランド物知識を一生懸命に下調べしていたであろう姿を想像するとつい可笑しくなってしまうからだろうか。
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彼の持つ武器はお世辞・阿諛追従。
そんな探偵がいままでいたかしら。
少なくとも私は初めてじゃないかな。
■ ■ ■ ■ ■
先日読んだ「しあわせなミステリ」って本より
この本のほうが「しあわせなミステリ」感があると思うの。
最後のお話なんて
殺人犯が、逮捕された後に法間さんのペット問題について心配するのよ?
法間さん以外の探偵ではありえへん。
ひとって自分に好意を持った(持ってそうな)相手には
特殊な嗜好のかたでもない限り、なんとなしこちらも好意もつもんね。
やたら知略を巡らしたり、銃をぶっ放したりの探偵ものより
私は好き。
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相手が電話の向こうにいても、
相手が詐欺師でも、
相手が子どもでも、相手が猫でも
ヨイショしなければいられない探偵、法間。
ヨイショが泉のように溢れ出る。
ヨイショしながらも
推理に頭を働かせているなんて
すごい器用。
ヨイショで命拾いもしちゃうんだ。
相手がどんな人でも
ヨイショでいい気分にして
核心に触れていくのは面白い。
褒められると嬉しいもんなぁ。
つい心開いちゃうよな。
誰か私も褒めてくんないかなぁ。
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このシリーズは初めてよみました。
面白い〜。
最初な法間さんにイラッときましたが、読んでいくうちに好きになりました。
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「ごますり」とあるが、人をそらさぬ饒舌で切り込んでいき事件を解決に導く、あまり儲かっていない探偵の事件簿。彼が話題にする蘊蓄の対象についてほとんど知らない状態だったが、それなりにおもしろく読んだ。
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東直己さん初読。「探偵はバーにいる」の原作のひと、といえば通りがいいのかしら。うーん。。。あの映画になった作品とは違う探偵モノみたいだけど。(映画みてないけど)。探偵法間(のりま)、現代の幇間。仕事でイヤイヤ客をヨイショするのではなく、根っから人様を褒め倒したいというこの怒涛のヨイショキャラは面白いけど、じゃあこの人のこのキャラ設定だからこそ解決できた話かっつーと、そこがしっくりこない。命がかかった危機でも相手を褒め倒すことで命拾い、みたいなシーンもあるにはあるけど。。。そんなわけないやろ~感。節食障害の子を助けるくだりも、無理やり感あるし。。筋が強引なうえに、すっきり落ちない終わり方というかんじかなあ。読みやすいことは読みやすい。風俗嬢探偵くるみちゃんシリーズもあるみたいだから、そっちに手を出してみようかな。個人的にはハズした。
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ススキノシリーズを20年前に読んで以来。オーソドックスなハードボイルドスタイルではないコメディタッチの短編集。面白い話もある。細々したアイテムの知識が押し付けがましく感じる時もあるが、このスタイルであれば我慢できる。ウルトラダラーは引出し総動員で見苦しかった。
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太鼓持ちの探偵、法間シリーズ。
前2作は文庫書下ろしであったが、今回は単行本。連作短編の形式になっており、この形式がこの作品には一番適しているかと思われる。内容はいたって軽いが、ユーモアの中にもドキッとしたり、ジンと胸が熱くなったり。いろいろ楽しめて面白い。最初はウザイくらいの太鼓持ちの台詞のオンパレードだが、登場人物によっては上手くあしらう人もいて、思わず笑ってしまう場面が何度も。探偵としても意外や有能で、全編、安心して読める。今後も続編を出して欲しい。
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お世辞をフルに使って喋りまくって褒めまくって、最終的に解決する探偵のお話。
ブランド品やインテリアの知識はすごいのに本人はぱっとしない中年。よいしょにうんざりされながらもなんとなく憎めないキャラで、実写なら中村梅雀さんかなー。
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私立探偵・法間謙一。
人呼んでホウカン探偵。
幇間、つまり太鼓持ちのことだ。
立て板に土砂崩れの勢いでお世辞おべっか阿諛追従を連発し、それでなんとか人々の善意に縋って世渡りをしている―
事件の謎も、絶体絶命の危機も、やむことのないお世辞で、円満解決だ!?―。
(アマゾンより引用)
最初読み始めたときは、怒涛のお世辞にイライラしたけど、読み進めていくうちに何だか面白くなってきた( ´ー`)
結構優秀な探偵さんだよね
何でも知ってるし(((゜Д゜;)))
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何でも屋で探偵の法間は、口を開けばお世辞ばかり。ただ相手も褒められると悪い気がしない。そんな法間が懇意にしている新聞社の折部にある依頼を持ちかけられる。新聞に原稿を書いてもらっている先生の親で町の有力者が最近認知症になり、「ほちわ」という言葉を呟くのだという。この「ほちわ」がなんなのか調べて欲しいという依頼だった。法間は先生の屋敷へ向かうが…「ほちわ」
もうとにかくホウカンさんは、お世辞がうまい。うるさいぐらいに褒めて褒めて褒めまくる。そして、相手も悪気がせず、「気を付けろ」と頭の中で思っていても絆されちゃう。さすがだよなぁ。昔若い頃に勤めていた会社でも「来店したお客様の3ついいところを褒めろ」と言われたなぁ。そうすれば少し仲良くなって警戒を解いて、何が欲しいのか本音が分かるからと。まさにそれだわ、ホウカンさんは。
だけど、流石のホウカンさんも褒めるところがない人物が現れて焦ってるのは受けたし、「ほちわ」で知り合った先生に「お世辞抜きで」と先制され、大人しくなったホウカンさんは面白かったなぁ。攻略されてるじゃん!ホウカンさん!ってなったわ。
すごく面白くてサクサク読めた。東直己ってなんとなくハードボイルドな小説なイメージだったけど違ったわ。
2019.11.23 読了