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表紙もそうだけど、妖しくて、そっと恐ろしいものがゆらゆら近づいてくるような、そんな短編集。
怖いばかりではなくって、時々ホワッとするお話もはいっているので、怖がりの私には箸休め?のようで、最後まで一気に読むことができました。
「逢魔が時」とは、「昼と夜とが、じわりと入れかわっていく」時刻。
正の感情、負の感情。ゆらりとゆれる不安定な心も、魔をよんでしまうのでしょうか。
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逢魔が時に出逢ったものは、ちょっと不気味で怖くて、でもなんとなく切なくて、最終的には心がほかほかするような短編集だった。
それぞれ独立した短編が一冊の中でどこかしらつながっているというのは好きな系統なので嬉しい。
また、そのつながり方も、季節も時間が捻れているようで、タイトルとよく合っていて、心地良かった。
町田尚子さんのイラストも雰囲気に合っていて、素敵。
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どこかで誰かが、思っているようなやっているような、そんな短編集。
まったく繋がりもない、共通点は主人公が『小学生』という事だけ。
かと思いきや…最後で、総出演。
ひとつひとつは、よくある風景ですし、こういう立場なら
選び取るような選択ばかり。
最初の話は迷い込んだ程度ですが、徐々にあちらの世界が浸食し
最後の話では、もう9割方不思議な世界。
のっけから、眼を貸してくれ、ですからw
連続で出てくる、見覚えのある彼ら。
ここでようやく連続かと思いきや、単に順番に出てきているだけ。
同じ時刻かもしれないし、案外近くかもしれないし
かなり遠い所の話かもしれない話。
しかし、水の女の子に『水のおじさん』と呼ばれた人(?)は
一体『何』なのでしょう?
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好きな画家の町田尚子さんが絵を描かれているのをきっかけに読む。児童書。短編集。子供が主人公で不思議な体験をする。作者の思い入れが強いためか、白い月の物語が1番印象的で、表紙にも描かれている。ちょっと怖い雰囲気もあるけど、素敵な絵だ。この本は全体的に子供の頃、図書室で本を借りた時の懐かしさを呼び起こされた。
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怖い話かと思って構えて読んだけど、違う怖さがあって面白かった。特に第一章の洋介の落胆ぶりを表現するところや、リアルな鬼の描写、池の月の美しさ……たちまち引き込まれた。文句なく面白かったです。
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逢魔が時、たそがれ時、昼と夜との境い目の時間。不思議な世界の扉がひらかれるとき。
あしたは洋介が3カ月間がんばって練習してきた和太鼓の発表会だ。ところが、弟の省吾が持病のぜんそくの発作をおこし、入院したという。まただ!「いつもいつも省吾のせいだ。省吾なんかいらない。」そう思った時、洋介は知らない道に立っていることに気がついて・・・。ちょっと怖くて、不思議で、せつない短篇集。
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不思議なお話がつまってました(^^)
ちょっと怪談話のような気がしましたが、教訓みたいなものが入っているので怖くなかったです(^-^)v
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昼と夜とが入り交じり、斜陽に照らされ、向こう側に立つものが誰かもわからぬ、逢魔が時。曖昧なその時間には人があちらに迷い混むこともある。魔物がこちらに紛れ込むこともある。しかし、それは怖いことばかりではない。児童書の棚より。子供向けの少しだけ怖い、不思議な話が五話。どれも、夕日を見たときの少しだけ切ないような、感動するような気分になる。ふとした瞬間にあちら側に迷い込んでしまった彼ら。妖怪や、魔物とすれ違ってしまった彼ら。怖い思いもしただろう、でもそれ以上に彼らは得られたものがあった。
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日が落ちてなお、明るさの残る黄昏時とはいえ、隣の子の顔がよく見えないだけで、今いる世界が変わってしまったような怖さを覚えてしまう、そんな逢魔が時に起こる、怖くて不思議なお話を、猫とホラーを描かせたら天下一品の、「町田尚子」さんの絵ということで、借りてみました。
とはいっても、そこは『ティーンズ文学館』というシリーズの児童書の為、怖さというよりは、小学生高学年あたりの子が、純粋さの塊から抜け出して、ちょっと背伸びしたがる時期にぶつかるであろう、家族や友人関係の悩みと上手く絡ませた、丁寧なストーリー展開に特徴があり、その中には、本心とは裏腹に、つい冷たい口調で突き放してしまう、兄弟のあり方であったり、孫に厳しいおばあさんの、その内に抱えた悲しみが、娘時代の母親のあるひとつの後悔と関わっていたりと、それを解決するため、不思議な要素が必要不可欠となっている点には、読んでいて納得させられるものがありました。
また、物語の構成も、本編を読む内に、そこでの謎が徐々に明らかになっていくプロローグや、各話に必ずひとつずつ登場する異なる花に加え、話同士に世界の繋がりがあったり、表紙と裏表紙の絵も本編を読み終えた後には味わい深いものになったりと、とにかく作りが丁寧なのが印象的で、大人が読んで物足りないのもやむを得ない、そこは児童の為の児童書として、きっちり作られている点が素晴らしいのだからと感じました。