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短歌ってすごい。この人の本を読むと心からそう思う。できそうなのに絶対できない。短い文字の中に感性があからさまに出るから、中身がないと絶対にできない。ガラスの向こうの何かキラキラしたものに見える。そういう素敵なものは、こんな風にヘタレで、情けなくて、繊細で、世の中との距離感をとれない、こんな人の中から生まれてくるんだな、ということがよく分かる。
世の中は驚異よりも共感に寄って行っている、という話。誰も彼もが「お父さんお母さん、道端の石ころまでありがとう」と歌う時代のキモチワルさが何となく分かった気がした。私は、いつもは共感の世界にいて、たまに驚異の世界に無償に出ていきたくなる、そんな感じだな、と思った。
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中で紹介してた詩「囈語」どっかで読んだなあ、北村薫だったよなあと本棚調べたら「鷺と雪」で印象的な使われ方をしていましたね。
騒擾ゆき
ベッキーさんシリーズ読み返してしまった。
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世界は無数の前夜に充ちている。
明日こそ本当の今日がやってくるんじゃないか、と毎日くりかえし思い、運命の出逢いの前夜を妄想して興奮する歌人・穂村弘によるエッセイ。
ちょこっとずつ読もうと思ったのに、言葉の魔術師・ほむほむの「なぜか続きを読んでしまう魔法」にかかってしまった。
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たいてい、エッセイというと中弛みというか途中でちょっと飽きてしまったりするのだけど、久々に人に勧めたくなった本。
そうそう。とか、あぁ小学生の時そんなだった。とか共感するポイント満載。でもキレイな文章にすると、こんなにおもしろくなるんだなぁ。
特に『〆切』『アロマセラピー』オモシロカッタ~
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歌人、穂村弘によるエッセイ。共感できるようなできないような、なんとなく脱力感のある文章が、いい。穂村さんのほかの本も読んでみたい。
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日常が、新鮮にうつる。「あーわかる」とうなずく箇所が随所にあって飽きさせない。「共感」が詰まった本書だが、著者は歌人。歌は「驚異」。そして“わからない”もの。それは、お前らなんかにわかる世界ではないといった、上から目線なものでなく、そもそも〈わからないもの〉と定義する。〈わからない〉を恐れてはいけない。その不明解で謎に満ちた世界に「驚異」があり、それを感じることが必要不可欠。
「わからない」を恐れることなく、著者の歌にも触れてみようと思った。
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穂村弘のエッセイはどれも面白い。バランス感覚が抜群に良い。
「本を贈る」が特に良かった。挙げられた本をチェックしようと思う。
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読み終えた瞬間わたしもほむほむ経。
誰もが当たり前のようにしていることや、ほとんどの人が経験していることを前に、いちいち驚いたり怯えたりするする著者。そこを笑いや愛嬌の糖衣をかぶせてくる。
完璧な世界を求めながらも、平凡な日常の暴走に翻弄される生ぬるくも愛らしい記録集。
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文庫本でちょうどいいサイズだったのでグアム旅行に連れていきました。
飛行機乗ってるときとか、コインランドリーで洗濯機回ってるの待ってる間とか
なかなかシュールで面白かったです
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良いタイトル。
なんだかんだ言って、まともな一人の大人である。
思春期の心細さを、持ったままきてしまっただけで。
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う~ん。。ひさしぶりの文庫化で期待し過ぎたかも。序盤はいつものほむほむワールドだったのですが、中盤からは『言語感覚』として、文学者の名言集の様になっていきました。ま、たまには真面目な?ホムラsanも良いかな。次に期待します♪
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あちこちに発表されたエッセイを集めてるから、まとまりには欠けるけど、わりと読み応えはあった。
子どもの頃図書館の本をなくして、学校を燃やしたくなったという絶体絶命感、わかるな。あるいはちょっと変わったジュースを選んだつもりが「トマジュー」のダメ感。「全てが駄目。でもそのせいで命を奪われるようなことは何ひとつない。」
紹介されてる本も面白そうで、読んでみたくなった。
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「はじめての本」「絶体絶命」「絶体絶命・その2」「いちばん恥ずかしかったこと」「自意識トンネル」
これら前半の、自意識過剰でむやみに記憶力がよかったために怖れ立ちすくむひとの話が、我が身に痛すぎて居たたまれない。そうだ、そうなのよ、ほむほむ!わかるよ!馬鹿みたいだとわかっていても、やむなく反芻して身悶える感じ。かさぶたを恐る恐る剥がして学習しない。
それとは別に、「共感と驚異」の真面目な詩歌・小説論の欠片が面白かった。「驚異」を受け止められるようでいたい。
當方は二十五、
銃器ブローカー、
秘書求む。
桃色の踵の
塚本邦雄
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巻末の豊崎さんのあとがきがとても良い。
穂村さん大好きだけど、ほむほむって呼び方はないなぁー。と思ってしまうのであのあとがきはとても面白かった。
相変わらず魅力的な文章で今回も気がついたらあっという間に最後まで読んでしまった。
驚異と共感の話はとても興味深い。
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ほむほむの文庫化したものはかなり読んでいるが、今回にしてようやく中島らもを思い出した。
ポップでメロウで唾棄すべき人間への愛と金言に満ちている言葉たち。
・好きという気持ちを確認できればセックスなど必要ない。でも確認するにはそれしかない。
・逸脱するものこそ本当に生きようとしているのではないか。
・フィリップ・マーロウのピンクの虫のエピソード。
★「共感(シンパシー)」と「驚異(ワンダー)」。
・言葉(以前のエネルギー)が勝手に跳ねまわる度合い。詩歌>純文学>エンターテインメント小説。
・我々の生に「変」の可能性が含まれていることが文学を生みだしたのでは。
・次の一瞬にまったく無根拠に生を奪われる可能性を、経験した人のすごさ。
・「生きる」ための言葉(詩)を包み込むようにして「生き延びる」言葉たち(新聞のように実用的)がある。
・まずは「生き延びる」ことだ。「生きる」のは明日でいい。こうして、「生きる」は一日ずつ後ろにずれていく。