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SETI(地球外知的生命体探査:Search for Extra-Terrestrial Intelligence)
地球外知的生命体が発している電波を探す研究。
映画「コンタクト」で題材にされたので、覚えている人もいるかと思う。
(この映画の原作は、天文学の分野では、その名を知らない人はいない、と言ってもいいほどの有名な天文学者、カール・セーガン)
SETI は外国でだけ行われているわけではない。日本でも少ないながら行われてる。
著者は日本で数少ないSETI研究者の一人。
2009年11月の11日と12日に日本全国の30あまりの観測施設が同時に空の一点を見つめた。
日本全国同時SETI観測「さざんか計画」である。
この計画のリーダーとなったのが、著者。
なぜ「さざんか計画」という名なのか、今まで分からなかった。
が、11月頃にも梅雨があるそうで、「さざんか梅雨」とも言われるらしい。
それが由来だという事がようやく分かった。
この「さざんか計画」については、「宇宙から来た72秒のシグナル」に詳しい。
http://randokukanso.blog79.fc2.com/blog-entry-164.html
ちなみに、この本を某書店の書籍検索用パソコンで検索したところ「超科学」の分野に分類されていた。
こういうタイトルを見ただけで、判断する人が多いのだろうか。
・・・となると本書は?確かめてみたい気もする。
この「さざんか計画」は、SETIの本場、アメリカでも注目されていた。
著者はヒューストンで開かれた宇宙生物学会に招待され、そこで発表を行う。
そして、ここで知り合った研究者に「日米合同SETI」を提案する。
この「日米合同SETI」は、その後、どんどん話が膨らみ、ついに「世界合同SETI」(ドロシー計画)となった。
「ドロシー計画HP」:http://www.nhao.jp/~narusawa/oseti/project-dorothy-j.html
本書は、2010年11月5日から7日にかけて行われた「ドロシー計画」の実現までの裏話と著者の小学生から大学の頃の話が中心となっている。
ただ、小学校高学年を対象としているようなので、大人が読むと少々、物足りない。
(お門違いの文句ではあるのだが)
焦らしておいて、またもう一冊、という作戦だろうか、とさえ思ってしまう。
ところで「さざんか計画」も「ドロシー計画」もSETIのための観測であるが、もう一つの大きな目的が「SETI研究者のネットワークを作る」こと。
まずは日本で、そして、日米での協力体制を一足飛びにとばして、世界各地の研究者のネットワークが作られた。
学会で話を聞くより、一緒に仕事をした方が強固な繋がりができるのだろう。
こういう話を聞くと、今、隣の国と領土のことで悪口を言い合っている人達がいかに狭量かがよく分かる。
そういう意味でも子供に「ドロシー計画」のような話を読んでもらうは、いいのかもしれない。
それに、なによりも著者が今、行っている研究を継いでもらわなければならないから。
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兵庫県立大学西はりま天文台に努める著者は、中学高校と不登校でした。そんな彼が宇宙への憧れを糧に現在の職場に就職しただけではなく、宇宙からの電波を世界中の天文台で同時に観測するという計画の責任者に。計画の企画から、トラブルの数々、世界中の研究者の協力と、なんだかワクワクする物語を読むようです。宇宙人はいる、という前提のもと、世界でこんなにたくさんの人々が、宇宙からの電波を観測しているんですね。壮大な気分になります。
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西はりま天文台の鳴沢さんの本。
とても読みやすくておすすめです。
帯に書かれていた「夢をあきらめない」と言うことがとても大切だと思います。
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基本的にはSETIのお話!
宇宙人との電波交信をするために世界を一まとめにしてしまいます。
そんな著者の過去の話を踏まえながら、SETIにいたるまでの軽い自伝のような感じです。
失礼ながら少し現実味があるのか怪しい話ですが、研究者を目指す身としては、とてもわくわくするお話でした!!
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地球外生命体を探すSETIという計画に携わる日本人研究者の方の話。
文章はわかりやすく丁寧で、高学年から読める程度かなという感じです。
内容はそれほど専門的ではありません。
どちらかというと、少年期に引きこもっていた後、努力して進学、大人になってから諦めていたアメリカでの研究に参加…という伝記的な内容に重きが置かれているように思います。
同じように苦しみ悩む小学生・中学生へのエールになるのではないでしょうか。
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兵庫県にある西はりま天文台に勤務する著者が、SETI(地球外知的生命探査):にたずさわっていき、SETIすなわち「オズマ計画」誕生から50周年の2010年に、みずからがプロジェクトリーダーとなって「ドロシー計画」を立ち上げ、実行するまでの物語。
少年時代の夢、挫折、不登校からひきこもりをへて、22歳でようやく大学に合格し、教師をへて天文台職員になった著者。まわり道はしないにこしたことがないけれど、そうなったらしかたがない。あせらないでほしい、という語りかけにじんときた。
そしてドロシー計画。うっすらとは知っていたけれど、要するに世界のいろんな天文台で同時に電波を観測するんでしょ、というぐらいの認識しかなかった。
でも、時差のあるなか、各国の天文台でバトンをひきつぎながら観測すること、そしてたくさん予算のかかった大きな電波望遠鏡を、その特定の時間、特定の観測のために確保することはとても大変で、膨大なメールのやりとりと、忍耐強い調整と、大勢の人の熱意が必要なんだということがこの本を読んでよくわかった。
短い本ではあるけれど、未知の世界へのとびらを開いてくれる一冊。熱い気持ち、温かい気持ちが伝わってきて、若い世代へのエールにもなっていると思う。
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「夢をあきらめないで」と語る著者。幼少の頃からの夢は、宇宙関係の仕事がしたいというもの。中学校の前半までは、夢への階段を順調に上っていたかに思えたが、完璧を追い求めすぎてしまい、身体的にも精神的にも、自分を追い詰めてしまう結果に…。しかし、挫折を経験しながらも、夢をあきらめずに前に進んでいき…。そしてついには、リーダーとしてSETIと呼ばれる地球外知的生命探査を地球規模で実施するまでに!
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宇宙関連本ですが、
地球の歴史や、人類について感じられる本です
それから、
完璧を目指しすぎたり、周りを気にしすぎたりして、
自分が見えなっている人が読んだら、
この本に何かヒントが見つかるかも
最後まで読んだけど、
SETI観測について、どんなことをするのか
イメージできなかった(^_^;)
最近の天文学は、眺めるだけでなくて
解析とか、計算が多くの作業をしめてるんですね
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不登校も引きこもりも体験した作者が、天体、宇宙への夢をあきらめずについにはSETI、ドロシー計画のリーダーとして世界中の科学者と協力していく。そこには人種の差別もない地球人としての仲間意識が、これこそ今の人類に必要なものかも知れない。
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“世界のだれが最初の発見者になるのか、それもわかりませんが、「その日」が実際に来たらどうしたらいいのでしょうか?じつは、知的生命を発見した場合にそなえて、国際的なマニュアルができているのです。これはむずかしい文章で書かれていますが、おもな内容をかんたんに紹介するとこうなります。
発見者は、証拠にまちがいがないかきちんと調査しなさい。
そのために自分たちだけではなく、よその多くの天文台にも知らせて観測を続けなさい。
確実な発見と証明されるまでは、公表してはいけません。
本当に発見であるとわかったら、それを隠していてはいけません。なるべく早く世界中に知らせなさい。
国家の関係者や国連事務総長にも連絡しなさい。
国際会議で対応が決まるまでは勝手に返事を送ってはいけません。”[P.68]
SETIに携わっている鳴沢真也さんご本人の話。
子供向けで読みやすい。
“FASTでも、SKAでも地球外知的生命が見つからないときは、どうしましょう。地球人が出す電波はまぎらわしいので、そういった電波が絶対届かない場所でSETIをおこないましょう。どこがいいでしょうか?
ぼくが子どものころ、よく母親がこんな歌をうたっていました。
ぼくは、なるんだ。科学者に。月にアンテナたてましょか。
母親が小学校一年か二年生のときに、子ども向けの雑誌に書いてあったセリフだそうです。子どもが月を指差して、お母さんにそう言っている挿絵が載っていたそうです。”[P.130]
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研修の課題だったので読んだ本。分かりやすく書かれていますが、この文字数の少ない1冊に、宇宙の壮大なプロジェクトと著者の若いころの紆余曲折を書くのは無理があるかな、と思いました。
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非エリートの世界規模観測ってところが良い。完璧主義から不登校を経て大卒
天文台勤務とはよくたどり着いたやなあと思う。好きなことをするための我慢や!、進めるための努力がすごいんだろう。
関係調整能力の高さに驚いた。
あとグリーゼ581はヤマト2899に出てきたから、そのチョイスの意味(知的生命体がいるかも)がよくわかった。
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私は宇宙が割と好きなほう。この本は宇宙に何ら関心のない人や、知識がない人もサクサク読めると思う。はりま天文台に行き、SETIを見たいなって思った。
宇宙への憧れや人類以外の生命体への交信に関心を持てる楽しい本だった。
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SETI(セチ)という地球外の文明が送信する電波をアンテナで受信することを世界各国が共同で行う研究のリーダー役となった著書。若い頃の挫折を乗り越えてということも読書感想文の指定図書になって所以かな
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中学生用の読書感想文の課題図書。でも感覚的には小学校高学年向けかな。話しかけるような文体で読みやすい。挫折を繰り返して、夢を実現するさまはまさに課題図書向け。世界をつなぐ宇宙研究が、宇宙をつなぐ研究にもなるかもしれないのは夢がある。