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喜国雅彦の新刊である。喜国と言っても知らない人の方が多いだろうが、エロ系お笑い漫画家である、と言ってももっと判らないであろうが、出版会の常識を根底から覆したあの快著「本棚探偵」シリーズの著者でもあると言えばもっと混乱させるかも知れない。
そんな喜国の新刊のタイトルは「シンヂ、僕はどこへ行ったらええんや」である。シンヂって誰?表紙の男?と不思議に思うのは当たり前である。彼は喜国の小学館時代の編集者M山が何故かロシアで知り合った大阪の土建屋の役員であり、喜国が「本棚探偵」でバカ企画を思いつきM山を誘うたびに、赴任先の台湾からその企画に参加するためだけに帰国するような行動派の男である。否、誘われて参加しないと負け、と思い込んでいるフシのある不思議な男である。
前作、「本棚探偵の生還」の別冊で、只見線に読書のためだけに乗る、という企画を立てた時もわざわざ台湾から駆けつけ、旧国鉄の制服を着たり、メーテルになりきりコスプレを車中で披露するというように企画の意図を必要以上に理解し主役を奪うような大阪人らしいノリを披露する変わり者でもある。
その彼が2011年の春の東北大震災直後、いの一番に被災地に駆けつけ、そこでボランティア活動を行っている様子をメール等で喜国に連絡していたことに触発されたのがきっかけで、ボランティアに縁の無かった喜国が初書き綴ったのが本書というわけだ。まあそんなシンヂのバイタリティ溢れる活躍が満載かというと必ずしも僧ではなく、シンヂの廻りを引き込む力とそこに吸い寄せられるこれも一癖も二癖もありそうな人間が主役の活動記だ。
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自分で経験したことだけを書いてあるボランティアエッセイです。人目になかなか触れない、被災地での出来事を、歴史に残してくれて、喜国さん、本当にありがとう。
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キクニ氏が自ら長期間にわたり体験した、被災地でのボランティア活動の記録。
以前からのキクニマンガのファンとしては、あんなことやこんなことを描いてたヒトがこんな正しいオコナイの活動をするなんてー、という感想であります。
誇張も謙遜もしない、等身大で自然体の活動記録が記されています。