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読み終わったー!長い長い物語、登場人物たちの生きざまを見届けたという感じです。
誰もが最善の道を模索しようとしているにも関わらず、大きな流れに巻き込まれてしまっていく…。主人公をはじめとした人々の苦悩が、読者の心を動かします。
作品を通じて上橋さんが伝えたかったメッセージは、現代を生きる私たちに向けられたものだと思います。哲学、政治、歴史などのテーマを織り込みんだ奥行きのある世界観。そしてその世界を生きる登場人物たちの心の動き。ここから私たちが学ぶべきことがたくさんある、そんな風に思わせる素晴らしい作品でした。
上橋さんの「守り人」シリーズも、いずれ読んでみたいと思います。
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完璧に完全に完結してしまう物語には、いつもちょっと寂しさがあります。
その先を期待させたりとか、こうこうこうなるんだろうなあという妄想を
一切遮断する力があって。
それ以上踏み込まれる事も、踏み散らかす事も、勝手に先を紡ぐ事も、色を塗り替える事も一切許さない。
そんな寂しさ。
でもそういう作品てとんでもなく完成度が高くて、それ以上はないって納得せざるを得ない凄いものだったりで、
要はそんなものに出会えて読めて良かったって、
立ち会えて良かったって幸せです。
ジェシ以上に子どもに伝えたい大切にしたい物語。
でも守り人もエリンも終わっちゃって寂しいなあ…。
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4冊を通してのエリンの生き様が圧巻で涙。ある程度間を空けながら長期間にわたって読んだということもあって、長い間そばにいた感覚だったのもあると思う。
ファンタジーなのに勧善懲悪ではない、美しい理想を追求しているわけでもない、逆に退廃的ディストピアでもない。人間の歴史を振り返って正面から向き合った結果を、ここで広い年齢幅で読めるよう描いていると思う。美しさも醜さも賢さも愚かさもその中間も。その上で、それでも人の生も動物の生も肯定している。
殺し合いの戦場というところで渦巻くものは、敵味方やなにかきれいに切り分けたり整理したりできるものではなく、あのように怖ろしく混沌とした狂気の塊のようなものなのかもしれない。
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獣の奏者の完結編。母親になったエリンが王獣のため、息子のために未来を切り開こうとする必死の姿は最後には泣けた。夫・イアルの妻を思う気持ち、ジェシを思う気持ちにも心打たれた。家族の絆の強さがうらやましいくらい。決してすべてが幸せだとは言えないけど、幸せな家族だと思う。自分も息子のためにここまで強くなれるのか、、、自信ないかも。
人は歴史の流れの中で生きていて、自分の後にも先にもその流れは続いていくんだなぁ、と改めて感じさせてくれた。
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最後まで素晴らしい作品だった。
獣の生態や歴史の謎に迫るストーリー。それに人のために生きる人の姿。もがき、苦しみながら懸命に選択していく。
必読の全4巻。
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闘蛇と王獣。秘められた多くの謎をみずからの手で解き明かす決心をしたエリンは、拒み続けてきた真王の命に従って王獣を増やし、一大部隊を築き上げる。過去の封印をひとつひとつ壊し、やがて闘蛇が地を覆い王獣が天に舞う時、伝説の大災厄は再びもたらされるのか。傑作大河物語巨編、大いなる結末へ。
(BOOKデータベースより)
***
実際に経験してからじゃないとわからないことも多い。
ミスをしてみて初めてわかることもある。
でも取り返しがつかない過ちを犯してから後悔しても遅いこともあるから、先人たちの知恵を知り、有難く活かして生きていかなきゃいけないんだと思いました。
ラストは、やっぱりちょっと切ない。
たった一人の英雄の力ですべてが上手くまとまって終わる、なんてないってことはわかるけれども。
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わからないことをわかろうとする。
これが全てじゃないかと思う。
古くから伝わる言い伝えも言葉を交わすことができない生き物も、自分が目にして耳にした小さな欠片を広い集めて想像するしかない。
理解したという結果より理解しようとした過程が大切で、そうやって人生を生き抜いたエリンと王獣や闘蛇の歴史のお話。
感想が上手く書けないのが悔しいけれど、王獣や闘蛇などの架空の生き物が生きるこの本の世界に浸って欲しい。
物語の純粋な面白さだけでなく、現実に通じる何かを感じる人も沢山いると思います。
大好きなシリーズ完結編。
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探求編、完結編と一気に読了。
闘蛇、王獣同様に興奮MAXなので感想は
落ち着いてから改めて。
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正直まだ、頭の中でうまく纏まらないんだけど
一晩眠ったので、改めて感想を。
長い、長い、お話しです。
ジェシが幼少の頃から少年期に差し掛かって
最後は立派な教導師になっているくらいに。
作者さんが後書きで「それから四日、母は生きた」
というジェシの言葉について書かれています。
なるほど、この言葉を終着点として完結するなら
物語はこう紡がれるしかないのかなー、と。
ヒーローなんてどこにもいない。
みんなが悲しいです。
みんなが必死で自分の生きる道を模索して
運命に抗いたいけど抗いきれなくて結局飲み込まれて。
救いはどこにある?
語り継がれなかった悲しい歴史は繰り返される。
人はどこまでも愚かで無力。
松明の火を隣の人、また隣の人へ繋いでいけば…
というくだりを読んで
随分前、大好きだったアーティストさんが
「みんなで今、隣に居る人に大好きだよって言って
どんどん手を繋いでいけば世界は平和になれるのにね」
って言っていたのを思い出しました。
でもそれこそファンタジーでしかありえないなー、なんて
ひねた大人は思うわけです。
「これはファンタジーだけど今この地球上で人間が抱えてる
問題と通じるものがあるなー、なんていうのは考えすぎ?
人は己の利益の為に尤もな理由をつけて
仕方のないことだからと言い訳して
破滅への道を自ら進む生き物なんだなー。
それをよしとしない生き方はやっぱりファンタジーでしか
ありえないのでしょーか?」
上記「 」内は闘蛇編、王獣編で書いた感想。
このお話し、ホントにぶれないなー。
見事に筋が通ってる。
だから、どこかわたし達の知らない別の世界で
本当にエリン達が刻んだ歴史の足跡があるのでは?
と思うとリアルに胸に響くのです。
そして今回もカバー装画がとても素敵。
この絵の世界感でアニメーション映画として見れたらなぁ。
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著者本人も言っているように、1、2巻で十分に完結している物語。しかし、続編があるならぜひ読みたい。本当に待ちに待った。
今度は、エリンの息子が出てくる。エリンとともに戦争に巻き込まれていくのか。
4巻で本当に完結する。途中で読むのをやめるのは、体力が尽きた時だけだ。
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完結。
素晴らしい物語だった。
色々書きたいような気がするが、いまいち言葉にならない。
何かを書いても、どうも伝わりきる気が全くしないので、ひとまず読んでみてほしいと思う。
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エリンが最後まで好きになれなかった。
闘蛇編・王獣編のエリンはわりと好きだったけど…
ぐだぐだめそめそは嫌いだ。
夫を「あなた」って呼ぶのも嫌いだ。
彼女のキャラが薄れたので主人公が誰かわかり辛くなった。
あと、家族物ってどうしてこうも冷めるのだろうか…
テーマが戦争なのか生物なのか子育て奮戦記なのか定まらず居心地が悪い。
言いたいことにこだわりすぎたのでは?
前2編で終わった方が良かったのかもしれない。
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上橋菜穂子の獣の奏者 探求編を読みました。
以前、闘蛇編、王獣編を読んでいたのですが、今回、探求編、完結編を読みました。
王獣編では18歳だったエリンも、探求編では30歳の大人の女性に成長していて、最愛の夫と一人息子もいるのでした。
この物語の中では戦の主力となるのは闘蛇と呼ばれる猛獣たちで、闘蛇村という闘蛇部隊を育てる組織があるのでした。
エリンは闘蛇の天敵である王獣たちを竪琴を使って操ることが出来るようになったため、過酷な人生を歩むことになってしまいます。
エリンは言い伝えにある闘蛇たちと王獣たちが戦うときに起きる悲劇について探求を進めていきます。
エリンは穏やかな家族だけの生活を望んでいるのですが、その世界の情勢がそれを許さないのでした。
人間がいろいろな兵器を開発するということが、どういう結末をもたらすのか、という問いに対しての上橋菜穂子の答えが物語られています。
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食事や風呂や仕事などで、読むのを中断するのが、本当に辛かった。エンディングを迎えてしばらく無言になったしまった。
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王獣と闘蛇が戦うと大いなる災いが起こる。何が起こるのか?これまで秘匿されてきた事実を身を賭して明らかに使用するエリン。
危険な事実を秘匿することで、危険を回避しようとしてきた霧の民や祖先、
危険な事実を共有することで、危険を回避するべきではないかというエリン、
事実を隠しても結局は事実に突き当たる人がでてきて、危険を招いてしまう。それなら、皆で事実を共有し伝え、皆で危険を回避する方法を探るほうが良いという作者の明確なメッセージがある。
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闘蛇と王獣。秘められた謎を解き明かす決心をしたエリン。伝説の災厄は再びもたらされるのか・・・。
本作で描かれる「人と獣の性」は、そのまま現代を生きる私たちの生活とも一致する。長編にもかかわらず、一気に読んでしまう傑作。