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年末にどしっとした本を立て続けに読んだため、ちょっと軽いテイストでいこうと読むことにした。
前作を読んだときは
「えー、すごいノリやな・・・」
と、思いつつ、これだけでは面白いのかそうでないのかの判断がつきにくかったので、二作目も借りました。
アーリアの一人称でツッコミも交えつつ語られる文章にだいぶ慣れてきた。
でも、本編よりもリュファス様とルイーゼ姫の短編の方がさらさらっと読みやすかったかな。
ほんで、はた、と、気づいてんけど、著者は敢えて伝聞調にツッコミも加えたアーリア一人称で物語を書いているのか・・・、と、思った。
(今更)
正直いうて、こういう文章はアクが強いなーって思うんやけど、リュファス様の短編のように、一般的な文章ももちろん書きはるんや。
でもこれやと、悪くないけど印象にも残りにくいかも・・・。
それやったら、とっかかりにはやや抵抗があってもなんとなく読み進めてしまうような、アーリア一人称の進め方のほうがいいのかも。
なるほどなあ、文章の見せ方か・・・、とか、思った。失礼
でも、お話としてもちょっと進んでるのよ。
前回の終盤でグリードの生い立ちが語られて、
「ああ、この子も言うほど簡単な『物語の英雄』ではないのか」
と、思ったけれど、今回はアーリア自身がグリードのそんな一面を理解して、あらためてグリードに向き合おうとしていたのがよかった。
これが、いつまでも「モブやから」と、いう理由で求婚から逃げ続けられてもなあ。
短編ならそれでも面白いけど、どうも著者は世界観をしっかり作ってはる様子?
前回ちらっと出てきた「レン・シロサキ」が何者で、ほんでなんでこの世界が「歪んでいるのか」っちゅうところを明らかにしてほしい!
ちゅうか、ここまで読んだらそこを知るまではやめられない!!
ちゅうことで、先も読もう・・・。
アーリアの趣味がお茶を淹れるっていうの、いいね!
お茶を淹れるのが趣味、いいわあ。(二度いうたな)
きっと著者も上手にお茶を淹れはるんやろうなあ。だって、フレーバーティに別の茶葉を一つまみいれるって、なるほど! と、思った。
確かにフレーバーティは好き嫌いがあるわ。
そこにダージリンとかいれると飲みやすくなりそう。
ほんで、勇者ではないただの一人の人としてグリードと向き合うことにした結果が、グリードに対する「教育的指導」なのも、面白いと思う。
なんだかんだいうて、アーリアのいうことを聞いちゃう犬みたいなグリードって、かわいいやん。
他人から見れば何でも持っているように見えるグリードは、自分のことを「空っぽで何もない」っていう。
それは、グリードがどれほどのものを持っているかを教えてあげなかったご両親が悪いのやろうけど、それはこれからも取り戻せるもんね。
相変わらず、
「なんで、(グリードにとっての相手が)アーリアやったんやろう?」
と、いうところは謎のままやけど、ひと���ぼれに理由はないっちゅうような理由ではないと思う・・・。
アーリアである意味も、あるんちゃうんかなあ・・・。
自分が持っているものに価値を見出せないのであれば、「持っていない」のも同じ、と、いうのは、ひどく納得した。
たくさん持っていればいいっていうわけでもないし、他人がうらやむものを持っていればいいというわけでもない。
自分の手にあるものを愛するほうが、幸せになれるんやな。
じゃあ、グリードやアーリアたちの世界はどうなんやろう。
今回アーリアもちらっというてたけど、「この世界の在り様」っていうのは。
今、自分が認識している世界が住みやすければそれで幸せやけど、果たしてそれは「真実」なのかっちゅう話。
そこがチョイチョイにおわせてくるから先が気になってくるねんな。
でも、今幸せならそれが「真実かそうでないか」なんて、どうでもいいような気がするんやけど・・・。
・・・それやったら、あかんのかな、やっぱり。(;^ω^)
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■絆される ほだされる
[動ラ下一][文]ほださ・る[ラ下二]《動詞「ほだす」の受身の形から》
1 情に引きつけられて、心や行動の自由が縛られる。「けなげな気持ちに―・れる」
2 身体の自由を束縛される。
■クラバット
1 17~19世紀、西洋の男性が首に巻いたスカーフ状の装飾。ネクタイの原形。
2 ネクタイ。
(2017.01.05)