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生まれ持ったものの影響ってのは一般に思われているよりは小さくて、環境と鍛錬が才能を作り上げるんだって内容。「非才!」や「究極の鍛錬」とか「天才!」なんかと同系統。この本独自?の視点としては、DNAですら環境に合わせて発現を調節させるんだってところ。
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「虎や狼が日々鍛錬などするかね?」という言葉が大好きで、ということを隠れ蓑に、努力を怠って来ました。が、読み終えて反省が残ります。
この本の本文は半分に満たず、残り半分以上が出展・注釈というものですが、本文もその出展をひいての事例集、のようにも見えました。が、それゆえに説得力があります。例えば「才能のある(ようにみえる)家系」も、環境の一つなのです。子を持つ親としては、もう少し早く読みたかったという気持ちが強いものの、それでもやっぱり、少しは才能側で抗いたいという気持ちも残ります。脳みその刺激にとても良い本でした。
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「遺伝子が全てが決まる」という考えはもう古い。遺伝子よりも環境が人を育てるということを改めて感じた本。半分は出典や参考文献のリストだけどかなり興味深いものばかり。時間があれば読んでみたい!
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これは子育て本ではない、もちろん。
でも、小さなお子さんを持つ、あるいはこれから親になろうとする人に、一番おススメできるかも。自分自身の反省も含めてですが。
著者が、膨大な参考文献や調査をもとに具体例を挙げつつ切々と説いているのは、つまるところ、世の中の人々が思うほど遺伝子の力というのは強くなく、環境との相互作用でどんどん変わっていくものである、そのプロセスの結果が現在なのであるということ一つに尽きる。
世界に名を残すような偉業をした人々はみな、正しい方法で倦むことなく訓練を繰り返し(しかもそれは常人がやすやすとできる類の集中ではない)、また本人が熟達を望み、周囲がそれを後押ししつづけ、たどり着いた結果なのである。
そういえば、エジソンの言葉で「天才は99%の努力と1%の才能である」というのもあったが、常々、たとえばオリンピックで活躍する選手とか、ピアノコンクールで世界一になるだとか、世界に名を馳せるような人々は、本人の努力もあるだろうが、親がそれにどれだけ付き合ってサポートしてあげているかというのも大きいよな~と感じていたのだが、私の感覚もまんざらデタラメでもなかったわけだ。
親の心得として、子供に端から限界を設けず、支え、粘り強く自制することを覚えさせ、その手本を示し訓練させ、失敗を恐れず乗り越えさせることが、世界に名を残す偉人とまではならずとも、何かに秀でた人間には育つとある。
こう読むと至極当たり前にも見えるが、しまったなあ、我が家ではちっともできていないぞ…。
もう少し早くこの本が出版されていたら、うちの子供たちももう少しマシに育ったかもしれないのに、と、自分のふがいなさを棚に上げて残念がっている時点ですでに、我が家では偉人は見込めないということでしょう。
努力する人に道は開かれる。
大望ある人のための指針として挙げられたこと
・動機を見つける
・自分を厳しく批評すること
・ダークサイド(苦々しい後悔、責任転嫁)に注意すること
・自分の限界を見極めたうえで、それを無視すること
・満足を先に延ばし、充足に抗うこと
・ヒーローを持つこと
・指導者を見つけること
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本書で主張されるのは、才能は「遺伝子(Gene)×環境(Enviroment)」で育まれるものであるという“新常識”。(そもそも遺伝学の間では随分と昔からこのG×Eのモデルこそ“常識”とされていたが、世間的にはG+Eの考えが流布している。その状況をみての“新常識”である。)
“モーツァルトも、ヨーヨーマも、3歳かそこらで楽器を奏で「神童」と呼ばれたが、それは同世代の子に比べると抜きん出ていただけで、まだまだ拙いものであったが、そのスキルを継続して育んだことで、「天才」となったー”
“兄弟の中で特に身体能力に優れていたわけではなく幼い頃から兄貴に負けていたマイケル・ジョーダンは、10年生の時に一軍チームに入れなかったことで競争心に火がつき、その後の競技人生で誰よりも激しく練習し試合をすることで、「神」になったー”
天才や神と呼ばれる人たちが、そうなるべく環境に身を起き、努力してきたからこそ、そうなった。本書では上記のエピソードの他、数多の科学的根拠による裏付けも挟んで説明される。
僕は常々、「チョウチンアンコウがあんな姿形をしているのは、あんなところ(深海)に住んでいるから」であり、『環境は生物を、その環境に居て然るべき姿形へと変えてしまうものである』との持論を持っていたが、本書を読んでそれが確信に変わった。
同時に成功には、決して諦めない強い意志と対象への関心が不可欠なことも、改めて理解した。
思えば高校時代、誰かがこんな落書きを机に書いていた。
『才能の差は小さい。努力の差は大きい。』
つまりは、そういうことなんだと。
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天才が生まれるのは遺伝か?、育ちか?→両方だそうです。
様々な論文をまとめて、結論を見出したようです。
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文章になじめなくてさらっと読み。
しかも本論よりも「根拠」という注釈や解説などが、後ろから横書きで本の半分(以上?)を占めていて、手に取ったはいいけど腰が引けました。
結論は最初から出ていて、それはどういうことから言えるのかという
検証を延々と続けているような感じです。
ちゃんと読んでないのでアバウトな感想しか書けない…
でもIQは生まれつきではない、努力次第で上がるのだ、という結論は
知ってよかったです。
いや、今知っても自分自身の役には立たないんだけども知識として。
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天才の考察、遺伝子の誤解を解くという話。
メンデルの法則は確固たる事実のように伝わっているが、前提として環境が変わらないという課程に基づいている。
遺伝は遺伝子+環境ではなく、遺伝子×環境。
生物学的な形質は遺伝の法則が発言しやすいが、環境の影響も少なくない。
遺伝子を有していると遺伝する確率が上がる、というと特定の結果をもたらす可能性を持たせるように伝わってしまう。
遺伝とは適者生存の結果ではなく、獲得形質の遺伝。
脳には可塑性があるため、訓練によってその形状も変えることができる。
一方で誰でも努力すれば何にでもなれると言っている訳ではないとか。
当たり前では?と思うような内容が連呼される部分もあるが、きっと学者とかその辺りでは微妙な言い回しなどが問題になっているのだろうか。
相互作用論者という立場らしい、異論も色々残っているのだろう。
しかし遺伝子の影響に関して過大評価していたと思わされる部分もあり、刺激的だった。
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天才は、生まれか育ちかという昔からの議論を考察した本。
著者の主張は、天才は遺伝X環境に依る。つまり天才的な才能というのは遺伝子だけで決まるのではなく、環境が関与することによる。天才打者と呼ばれたテッド・ウィリアムスや音楽家モーツァルト、ベートーヴェン等の様々な事例を挙げて「才能は遺伝子で決まる」という通説に反論している。彼らが天才と呼ばれた背景には、技術を身につけるための環境や幼少の頃からの継続的な訓練があったからであり、もともと遺伝的な才能があったわけではない。才能を身に付けるためには、動機を見つけ、自分を律し、長期的な訓練を継続し、限界を見極めたらそれを無視する、自分のヒーローを持ち、良い指導者に従うことが重要と説いている。この本は400ページほどの内容だが、本文と注釈がほぼ同じ分量で占められている。著者の主張の裏付けとして用意した注釈だが、私は研究者ではないので読む気になれなかった。おそらくこの本の成り立ちが、「才能は遺伝である」と信じて疑わない人達を読者として想定しているからかもしれない。
読んでみて、著者の主張は大変よく判る。才能が無いと思っている一般人ほど、才能は遺伝子だけで決まらないという説を信じたくなるものだ。私もその一人である。
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後半ちょろつと獲得形質の遺伝の概念に比較的近い内容を扱っていた。獲得形質が遺伝しないっていうのは若干古かったのかな。エピゲノムというそうで。
才能は遺伝に依存するって考えは間違ってるって話。
大学図書館141.18SH14
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「才能は生まれか育ちか」にひとつの結論を与えてくれる本だ。「G (Gene)×E (Environment)」、つまり遺伝子と環境の双方が大事と語られている。本書は、特に環境に比重を置く。備わった才能が発現するかは状況と努力の賜である点を強調する。かといって遺伝子の議論も疎かにしないのは、遺伝子本来の性質も重要であるからであろう。ゆえに「G×E」となる。一卵性双生児やジャマイカ人の持つ遺伝子の事例は、遺伝子だけでは才能は語れないことを示す興味深い事例である。
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人は生まれによって決まるのでも、育ちによってでも、生まれ+育ちによって決まるのでもない。生まれ×育ち、つまり遺伝子と環境が相互作用し合っていくことによって決まる。非常に動的なんだ、という話。ますます親の役割(どんな環境を与えるか)の重要性が高まりますなー・・・(軽くプレッシャー)
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異常なまでに没頭できることでないと、卓越した能力は発揮できない。そこそこできること、は他で培った能力で対応できること(その時点から没頭できればそれはプラスになる)。
遺伝か訓練か環境か、どれかを固定した方が理解しやすくなるけど、全部動的なものだと捉えて当たるべし、ということかな。
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こういう難しい本は日本語になっているやつをよんでもいいかもな、というくらい、分厚いハードカバーだけど、思いの外さらっと読めた
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著者はこの本を5000時間かけて書き、何十回も書き直したらしい。分厚い本のなんと後ろ半分は参考文献と解説、注釈である。
遺伝子の影響自体、あらかじめ決まっているものでない。どんな子供でも素晴らしい成功をめざす資格をもっている。 親は生まれと育ちが分けて考えられないことを受け入れなければならない。才能が芽吹くのを待っていない。能力は訓練と指導によって身につく。
環境による働きかけで、子孫の記憶力も高めるかもしれない
うまくいかない場合に、それを生まれつきの限界だと勘違いする人が多い
賢く生まれたわけじゃない。他者よりよく勉強し、自己修養に励んだのである
プラスの環境因子
出生直後から話しかける
読み聞かせ
励まし>叱責
大きな期待
失敗を受け入れる(限界のせいにしない)
成長志向を促す(伸ばすことが可能と)
動機、自己批判、自分の遺伝子のせいにしない、満足を先に延ばす、ヒーローを持つ
過度に頻繁に報酬をもらって育った人は、途中でやめてしまったり粘り強さをもたない。
そのときどきの満足ばかり考えない。
自制の手本をみせる。
子供に訓練させる(欲求不満や欠乏にどう対処するか学ばせる)
記憶:関連のない情報の断片を古い記憶と結びつけることで短期記憶の負担を軽くする
集中的訓練:現時点のレベルを超える試みを繰り返す。失敗もする。脳が変わる。
現時点の能力にけっして満足しない態度、つねに自己批判し、病的なほどの不安にさいなまれながら、情熱をもって能力の先へ行こうとする
1万時間の“集中的訓練”によって熟達者になる。
アマチュアがやるのはリラックスして楽しむため、自己実現のための娯楽的活動
サヴァン症候群:損傷をうけた左脳を右脳が補おうとする。能力を示すサヴァンの場合、強迫的な集中および反復の特性と、周囲からの激励・支援が見られる。
小さい頃は神童、大人になるとそれほど:称賛されながら成長して居心地のいい領域から外へ出るのを嫌うようになる。新しい挑戦、つまずき、失敗を恐れる、
生まれつきのところでなく、努力を褒めるべき
動的発達
遺伝子だけじゃない。
ひたむきに、一心不乱に、けたはずれの努力を続けた