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*殺人罪で服役8年、独身、16歳不登校の息子あり。職業:弁護士事務所の美脚調査員風町サエ32歳。弁護士事務所の調査員として容疑者の男に会うのだが……著者渾身の長編ハードボイルド*
「行き交う誰かの人生は、しょせん全て他人事」のスタンスのサエが飄々としていて、とにかくカッコいい。 一撃で敵を組み伏す場面も痛快。ストーリーも面白く、樋口節ならではの世界観も健在。シリーズに期待。
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風町サエシリーズ
16歳の時、殺人罪で服役中に息子を出産し、出所後は弁護士事務所で働く風町サエ。依頼主の要望に応えるために、時には非合法な手段を用いることも。そんな彼女が依頼されたのは野球選手の離婚に関する調査。同時に出版関係者の殺人事件を調べると、背後にはNGOを舞台とした巨大な闇が・・・
サエの周囲に面白いキャラクターの面々が揃っている。息子への愛情は少々引いてしまう感じも、テンポ良く面白かった。しかしながら、最後の「新井」というのが分からなかった。続編に関係しているのだろうか??
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初読み作家さん。
んー、男性作家が女性を描くのが基本的に苦手なのかも。
あまり集中出来ず、読み終えるのに時間がかかってしまった。
他の作品も読んでみないと、まだなんとも言えないかな。
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自分が呼んできた中では珍しく、樋口センセの作品で女性が主人公。
そして軽妙な会話のやりとりも無く、立場こそ「弁護士事務所の事務員」ながら、女性警部の刑事物って見方のほうが合ってる気がする。
でも、この主人公、風町サエさんがカッコイイんですわー。
女手ひとつで息子を育てることを最優先にして、それ以外の価値感はどうでもいいって割り切りかた。
いくつかの特技を持っていて、それが調査には役に立っているけど、しかし一番の強みはこの立ち位置だよなー。
そんな女性視点での珍しさは感じても、物語のビターさ加減は樋口センセらしかった。
むしろ普段よりもビターすぎたくらいか。
誰がこの結果で幸せになるのか不明なんだけれども、それでも彼女の立ち位置がしっかりしているからトレードオフにも揺らぎは無いし、そして例え悪がはびころうと自分と息子に関わってこなければそれでいいし、そして息子には関わらせないようにするって覚悟。
エンターテインメントとしては納得できなくても、キャラクターの言動としては十分に理解できたなー。
作品としてはそうした事件の内情が、終盤にドドーッとしわ寄せ喰らっていたのがどうなのかなーって感じたりも。
そこでしか明らかにならない、できないっていうのも分からないでは無いのだけど、カタルシスは無かったよね。