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チェック項目5箇所。本書の「手紙」の中で幸之助が告白していること――幼いころに父からもらった言葉を人生の支えとして後生大事にしたように、本書にある言葉が、一人でも多くの読者の心に届き、その人生の支えとなれば、編者としてこれにまさる喜びはありません。「雨が降れば傘をさすように、病気で熱が出れば無理をせずしばらく休養する、何かでお世話になった人にはていねいにお礼を言う。あるいは、借りたものは返す、約束したものは守る。このようなごくあたりまえのことをあたりまえに行なっていけば、あらゆることがもともとうまくいくようになっているのだと思うのです」。よりよき人間関係を築いていくためには、やはりまずみずからが積極的に相手を理解し、信頼していくことが大切だと思うのです、皆さんはどのように思われるでしょうか。自分の欲望を適切に満たす、しかし、相手の欲望も適切に満たしてあげる、自分だけの欲望、私心にとらわれることなく自他ともに生きるということを大切にする、そういう心がまた素直な心だと思うのです。お互いに自己の利害とか感情などにとらわれることなく、素直な心をもって何が正しいかということを中心に意見をかわす必要があるでしょうね、素直な心、これなくしては自分自身の知恵を高めることも、衆知を集めることもできないでしょう。仕事というのは、それがどんなものであれ、世の中に何らかの役に立つから成り立つのであって、もしそれが世の人々のために何の役にたたないというのであれば、どんなに自分がしたいと思っても、仕事としては成り立たない、いいかえますと、私たちが日々何気なくやっている仕事でも、それはみな何らかのかたちで直接関節に人々の生活向上に役立っているんです。