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「待ちわびた心の平和」
人とそれ以外を分けるものは
やっぱり心の在り処ではないかと。
心はどこにある?って聞かれて
頭ではなく胸を指すのはロマンチックだと思います。
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タイトルが色々な作品に借用されているかの有名SF作品。
センスあるタイトルに負けないスタイリッシュな装丁にやられて買ってしまいました。
時代は未来、世界大戦の後死の灰が地球に降り積もり、人々は他の惑星へと移住した。
しかし地球に残るものもいた。何らかの理由で地球に固執するもの、移住する資格のない者・・。
リックもその一人である。もはや人間と区別のつかないアンドロイドを相手に、彼らを狩る仕事を生業とするリックは「動物」の購入を夢見ている。
この世界では本物の動物を所持していることはステイタスであり、リックはまだ電気羊しか飼えていないのだ。
才能あるアンドロイド、美しいアンドロイド、優しいアンドロイド。彼らは人間と見分けをつけることが本当に難しい。
彼らを処分すれば報奨金が手に入る。リックは動物を手に入れるため、アンドロイドたちを狩る。
設定がワクワクしますね。アンドロイドと人間の違いは「感情移入できるかどうか」。なるほど。
文体は会話主体だから、わかりやすいし読みやすい。
こいつはアンドロイドなのか?人間なのか?という疑いが誰に対しても持てるという点がよい。
事実わたしは最後の最後まで「実はリックがアンドロイドなんじゃね?」と疑っていたという。
しかしそこまで複雑なしかけはないので、素直に読んでよかったんですね。
宗教のくだりがよくわからなかったかも。
でもSFとは思えないほどすっきりして読みやすい世界観だし、読んで損はないでしょう。
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ディックの書く男は、優柔不断で、ヨワイ。
けれど最後に弱さと同居する姿勢を得ることによって、弱さから解放される。受容、解放。 ナイス!
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世界観から想像していたほど、SFじゃなかったような気が。
それともSFってこういうもの?すこしふしぎ?
ちょっと整理が追っつかず。
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タイトルの語感センスはもちろん、
物語の内容もイマジネーション溢れる出来。
翻訳者、浅倉久志氏のボキャブラリィにも脱帽、
終始、爽快なリズムで時折グっと引き寄せられる表現に心臓が踊った。
40年以上も前に綴られた作品とは思えないほど、
価値観や生活観に古さを感じない。
ここで描かれている世界は永久に未来だ。
バウンティハンターとして、
アンドロイド狩りを営む主人公、
SF小説でありながら、
生の人間の苦悩や葛藤を描き、
現代社会人への警告とも取れるメッセージが綴られた一冊。
大好きっす。
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どんどんどんどん読みたくなる。
機械と人間の違いがわからなくなる。
私は、どっちを選ぶのだろう?
舞台も設定も現実離れしてるのに、現実をつきつけられているような感覚。
とっても面白い。
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映画『ブレードランナー』の原作ですが、こっちの方がタイトル良いですよね。
最終戦争後の死の灰に汚された地球を舞台に、主人公のバウンティハンターと、人間を殺し火星から逃亡してきたアンドロイドが戦うというストーリ設定は、いかにもなSFエンターテイメントだけど、実は純文学にも劣らない深みがあります。
いや、もちろん先の読めない展開など、エンターテイメント性も充分あってぐいぐい読ませてくれるんだけども、ところかしこに、哲学的要素が含まれている。
その中でも特に重要なのは、人間の尊厳について、というか、どのような要素が人間を人間たらしめるのかという問いかけでしょう。
小説の中で、アンドロイドを識別する方法は、人間だけが持ちえる感情移入能力があるかないかだが(簡単に言うと)、果たして、現代に生きる人間は真の意味で感情移入能力つまり他者をいたわる気持ちを持っているのだろうか?もしかしたらアンドロイドと変わらないのではないか?とも考えました。
まぁ、こんな難しいこと考えなくても、純粋にSFとして最高に楽しいんですけども、こんなにエンターテイメント性に溢れ、文学的な深みもあるとなると、そりゃあ、みんな読むだろうし、影響も受けるだろうし、映画にもなるだろなぁ。
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『ブレードランナー』という題名で映画化されて有名になったSF小説の名作。
SFだけあって、最初は話の筋を掴むのに苦労するかもしれないが、途中からは主人公に同一化して物語に入り込んだような気がしてしまう。
様々な出来事を通して、人間のこれからについて述べている面白い作品である。
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そのタイトルのパロディの多さだけでも特筆に価する一冊。
映画『ブレードランナー』の原作としても有名だけど、原作の主人公は尻に敷かれ気味な冴えない妻帯者。
思えば、主人公が冴えない男というのはこのジャンルの不文律かも知れない。
なぜって、ジャンル自体が旧来のハードボイルドやアクション・ノベルのアンチテーゼであり写し身でもあるから。
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説明長いので口調がおかしいです。(私の)
第三次世界大戦後のサンフランシスコが舞台。地球は汚染されまともに住めなくなった。そこで他の星に移住するのだが、移住するためには検査をパスしなければならない。そして検査にひっかかったものは移住の資格を与えられず、マル特と呼ばれる。
主人公のリックは妻のイーランと共に未だに地球にいる。彼等のように移住権を持っていても地球に残っているものは存在するのだった。
彼の職業はバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)でアンドロイドを狩って生計を立てている。ここでは動物を飼うことが贅沢というか一種のステータスとなっているのだが、リックの飼っているのは普通の羊ではなく電気羊。なので本物の動物を手に入れたくて仕方がなかった。
彼は火星からやってきた8人のアンドロイドを処分することになったのだが、その中には彼が好きになったアンドロイドと同タイプ(容姿が同じ)のアンドロイドがおり…。
とまぁこんな感じです。
簡単にいえば主人公が人間とアンドロイドの境が分からなくなるということなのですが、タイトルが解せません。
最初リックは実はアンドロイドで電気羊が最終的に恋しくなるのかなぁと予想したのですが。
で次がアンドロイドであるレイチェル(リックの好きな人)がリックの手に入れた黒い山羊(機械ではない)に嫉妬して殺すということなのかなぁと思ったのですが、電気羊は関係ないし…。
結局何なんでしょうね。
この小説で大切にされていることは"共感"
アンドロイドと電気羊は他の命を何とも思わないと主人公は言っているけど、アンドロイドは殺し屋(多分自分)に似てるとも言ってる。
結局アンドロイド=殺し屋(っぽい)=自分(人間)ということになったのでしょうか。
そして嫉妬という感情を見せたレイチェル。
まぁ要するにアンドロイドでも感情はあるということ。
そして人間の自分もアンドロイドを殺すことに何の感慨もないからアンドロイドになり得るということ。
ただ、アンドロイドがペット飼いたいと思うということで彼等にも感情があるということを表すなら、普通の羊で良かったはず。
ということはリックが電気羊に共感を求めたように、アンドロイドも他のモノに共感を求めるのか?ということなのですかねぇぇぇぇ。
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まずタイトルが秀逸だと思う。
アンドロイドと人間の決定的な違いを「共感」だとして、人間にとって大切なことが描かれている。
冒頭で妻と出勤前に喧嘩する主人公、そして最後に仕事から疲れて帰ってきた夫を労わる妻。
対照的なこの2つのシーンとそれにサンドされたアンドロイドと主人公の攻防によって人間の持つ人間らしさが引き立っている。
ラストにみせる妻の思いやりに、やっぱり人間っていいなと思ってしまう。
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難しかったー…。1回じゃわからなくて2回3回と読みました。
SFという形をとった哲学の本だという気がする。
レイチェルが自分のことを「びんのキャップのように型押しされた製品」と言っていたのが印象に残りました。
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zozopeopleに投稿しようとして長い書評書いたのに消える。
要約。
おもしろい完成度の高い作品。
人間とアンドロイドの違いは愛せるかどうか。
それだけだ。
本当に。
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核戦争後放射能に汚染された地球。人類の多くは他星へと移住しアンドロイドを与えられて生活するようになっていたが、それでも地球に残る人々は死へと向かう世界で放射能におびえながらも日々を暮らしていた。
移住先から脱走してきたアンドロイドを狩るバウンティハンターの仕事で生計を立てているリックは、あらゆる生物がもはや貴重であり、生物を所有することが特別の価値をもつなかにあって電気羊しか所有しておらず鬱々とした日々を送っていた。
そんな時、新型アンドロイド8体がリックの住む地域に逃亡してきた。前任者から仕事を引き継いだリックはアンドロイドに懸けられた賞金を狙って狩りを始めることになる。
人間とアンドロイドの違いはなんなのか、そもそも人間って何をもって人間とするか著者はそこに共感や感情移入というものを持ってきている。あとがきの引用をさらに引用すれば「親切」であるかどうかだと言うことである。
そこに至っては、人間もアンドロイドになりうるし逆もまた・・・
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「ブレードランナー」という映画にもなった作品。
内容よりもタイトルのオマージュをよく見かけます。
戦争によって荒廃した地球。すでに富裕層の殆どが火星に移住している世界。
主人公はレプリロイド(人間そっくりの機械)にかけられた賞金を稼ぐバウンティハンター。
科学と宗教。人間とレプリ。救済と機械。
世界観を捕らえるのが難しい作品です。映画のほうがわかりやすいと思います。