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人の悩みへの回答の仕方についてまとめた本。
それを10個の思考ツールで解決していきます。あえてその紹介はここでは書きませんが、考え方としてとても参考になりました。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4396857.html
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朝日新聞で岡田斗司夫が人生相談コラムを書いているのをみて随分と驚いた記憶があるが、本書は岡田が人生相談の解答をどうやって導いているのか舞台裏というか思考方法について解説するというちょっと変わった造りのものだ。
朝日新聞で他の有名コラムニスト、例えば作家の車谷長吉、東大教授の上野千鶴子などに伍して独自の視点を出していかねば意味が無いというのが岡田の考えかたの基本。車谷長吉は純文学作家だから文章力では叶わないがかなりの確率で実用性の低いアドヴァイスを返してくるであろう、上野千鶴子は毒舌で食っている人なので切り口の鮮やかさでは叶わないがクダラナイ質問に溜飲をさげるのが欠点だろうと分析する。そこで自らの道としては相談を書いてきた読者の裏に同じような悩みを持つ多数の読者をも意識しできるだけ読者に共感をするということを目標に回答を纏めるという。
「悩みとは何か」というのを岡田流に解釈すると色々な問題が絡まりあって身動きが取れない状態をいうとある。普段文章を書くことを仕事にしていない読者の手紙であるから、一通の投書の中には沢山の悩みが書き連ねてあるがその中から何が本当の悩みなのかを読むことが一番だという。例えば、一児のシングルマザーであり、子供の頃親から虐待された経験から自分の子供とも関係が上手く行かず、付き合っていた男性に金を持ち逃げされ、住んでいるマンションからも立ち退きを求められている、と不幸を一身に背負っているかのような女性からの相談に対して、「過去の不幸な体験は今の悩みとは関係ない。本当の問題は”今すぐ住むところを探すことだ”」と解きほぐすのが岡田流なのだ。悩み多き青少年にとってもなるほどと唸るところでもある。
本書はメイキング人生相談と云う面もある一方で、人生相談の回答を導くにあたりどのような思考をたどってきたのか、またその方法論を懇切丁寧に読者に惜しげもなく披露する本でもあるのだ。「レコーディング・ダイエット」で一世を風靡したのちに知識は惜しげもなく開陳する、印税も要らないと宣言しただけのことはある。かつては「オタッキング」としてアニメやガレージセールなどオタクの世界にどっぷりはまっていた感のある岡田斗司夫だがいまやその風貌も含めてかつての面影はどこにも無い。
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本書の試みというか趣旨そのものは面白いが、そして彼の論理に誤りがあるとも思わないが、何しろ文章が散漫で読みづらい。
同じことを百万回くらい繰り返すので意図があるのかと思えば、最終的にどこに帰着するでもなく、ちょうど飲み屋で酔っぱらいが語る持論を聞き続ける忍耐に近い。
おせっかいで、お人好しなんだろうなと。普段聞き上手の人間に、自分のことを語らせるとちょっと面倒臭い、という感じの一冊。
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「オタクの息子に悩んでます」は、朝日 新聞連載中の人生相談「悩みのるつぼ」 の回答者で、気の利いた回答により絶大 な支持を得ている著者が、回答を導くにあたって使用しているロジックや思考ツ ールを紹介した名著だ
本書掲載のロジックや思考ツールを体得することで、相手が本当に言いたいことや物事の本質に的確に迫り、思いもよらぬ名回答・アイデアを量産、課題解決力 や思考力・交渉力が向上する
人生相談や飲み会での議論だけではなく (きっと)ビジネスの場面でも役に立つ (に違いない)
著者紹介の思考ツールは下記の11
①分析:何を言いたいのか?何が問題なのか?分析する
②仕分け:自責か?他責か?、解決可能 か?不可能か?仕分ける
③潜行:なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?と深く考える
④アナロジー:動物で言うと?スポーツ選手で言うと?など、たとえ話にする
⑤メーター:数値化 10行動力、20 行動力
⑥ピラミッド:階層化 モテ 非モテ キモチワルイ
⑦四分類:(分けられるはずないが)4つのグループに分類する バカ正直かズル賢いか、お節介か弱虫かなど
⑧三価値:最大多数の最大幸福・自由と権利・美徳の追求 三つの価値観で物事を捉える
⑨思考フレームの拡大:視野の拡大 人が属しているゾーンの拡大 平社員→会社員→ネット市民
⑩共感と立場:同じ温度の風呂に入る
⑪フォーカス:(分析・仕分けの結果に対し)実現可能な行動に焦点を合わせて提案
コメント力には自信があるが、私が人生相談に回答することは稀
よって、実生活の場面で本書掲載の思考 ツールを使用したい
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タイトルで損してる。
「お悩み相談者入門」って副題をつけといた方がわかりやすい。
女子中学生の相談に対して「救われました、ありがとう」という返し。
これには目頭が熱くなった。
相談される立場にある人は目を通して損なしな超良書です。
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岡田斗司夫の著書は思考法のロジックを実に分かり易くユーモアを交えて語るので、とても参考にしています。
途中まで読んだ感想としては、悩む相談者と岡田斗司夫とのギャップが面白い。
相談者はおそらくは解決策が知りたいのではなく、慰めてもらいたいだけ。
それを看破している岡田斗司夫がロジカルに回答する。
理屈的には正しいのだが、それはきっと相談者が求めているものではない。
大概の場合、相談して来る人というのは、大筋の結論は潜在的に持っている。ただ、それを後押ししてくれる言葉が欲しいだけだと思います。
ただ、岡田斗司夫はそれを敢えてしない方法をとっている。そこが面白くもあり、意地悪でもある。
まだ、読み途中だがこの私の受け取り方を覆る展開を期待したい。
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人生相談って,なんか適当なこと言われてあまり参考にならないんじゃないかな。人の相談だからか?この本には感謝のお便りとかも載ってるけど,「え,そんなんでいいの?」て感じ。まあ悩みについてやりとりするってこと自体が大事なよかな。
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面白かったよお~。いつも楽しみに読んでいる朝日新聞別刷の人生相談「悩みのるつぼ」、回答者の中でも岡田さんのは特にお気に入りで、よく切り取ってはスクラップしていたのだが、まさか本になるとは!
本書はその相談と回答だけでなく、岡田氏がどのように考えて回答に至ったかということを、論理的に思考法を公開しながら説明したもの。新書としてはぶ厚く350ページを超えるボリュームだが、あまりのおもしろさにほとんど一気に読んでしまった。
どれをとっても、この相談にどう答えたらいいのか?という悩みばかりなのだが、岡田氏の回答はいつも意外性に満ちているのに、なるほど!と納得させられる。何よりもご本人のおっしゃる通り「愛」が感じられる。
人生相談の読者はたいていの場合相談者の「敵」である(「こんな事相談してこいつバカじゃないの?」)、でも回答者はどこまでも相談者の味方になって答えなくてはならないという考えのもと、その苦しみをゼロにはできなくても減らしていくような答えを追求すると著者は言う。そのために、とことん「深く潜って」考えていくそのメソッドが示されていく。それが実に具体的でわかりやすい。
うーん、と唸ったのは「愛の込め方」についてだ。著者は一度しっかり書き上げた原稿を、少しおいてからもう一度見直すのだという。今度は「心配」しながら。この相談者が自分の大事な家族だったらこんな風に書いただろうか?「『こいつが楽になってくれたら、俺の言うことなんてわからなくてもいいや』という相手主体の考え方」で微妙な差が生まれるのだと。これには参りました。確かに「愛」ってそういうことだよね。
名回答だと思うものはいくつもあるけれど、私が好きなのは「漫画家になりたいという孫についての相談」やタイトルにもなっている「オタクの息子についての相談」など、家族や子育てについてのもの。「趣味に没頭していいのは子どもと「一人前の大人』だけ」なんて全く名言だなあ。
笑ったのは、冒頭で他の回答者の方に言及しているところ。車谷長吉さんの「実用性の低さ」とか上野千鶴子さんの「毒舌」とか全くその通り。確かに上野さんの回答は著者の言う通り「下らない質問に対して溜飲を下げる」タイプだものね。でもそういうのも私は好きで、思うに、相談者の中にも「叱られる」ことを期待している向きがあるんじゃないだろうか。
全体に、人間は弱くて人生は苦しいことが多いけれど、できる限り自分の力で立とう、自分の人生を引き受けよう、そして辛かったら誰かに心を打ち明けよう、というメッセージがひしひしと感じられる。人生相談を「天職」と言い切るだけの力のこもった一冊だった。
ここからは小声で内緒話。
切り抜きを大事にとっていて、時々読み返したりしている回答がある。本書の終わりの方にも収録されている、塾講師をやめた女子大生に対してのもの。これを読んだときは、恥ずかしながら泣けて泣けて仕方がなかった。そうだ、自分はこう言ってほしかったんだ、と自分の気持ちに初めて向き合うことができた。25年つとめた公立高校の教職を退職してしばらくたった頃だった。そんな気持ちが自分の中にあるなんて思ってもいなかったけれど、岡田さんの言葉は心の深いところに届いてきた。岡田さんが「敬意を払う」と言ってくれて初めて、自分が仕事の中で確かに喜びを感じたり成長したりしてきたことを本当に認めることができたと思う。気持ちを切り替えるきっかけをくれたことに心から感謝している。
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毎日新聞で連載されてるとのことで、興味をひきました。
全体的に回答は素晴らしいんですが、途中途中の思考プロセスが、長い…
僕的には読んでいて、理詰めはいいんですが、変に理屈っぽく感じてしまい、ちょっと期待はずれ(-_-;)
でも、しょうもない相談でも真剣に答えてるのは、人柄が出てて良かったです。
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岡田 斗司夫流の人生相談の回答の書き方を明かした本です。
どうしたら、相談者の背後にいる10万人の同じ悩みを持つ読者に「役立つ回答」ができるのか。
それは、問題解決の手法に通じるものでした。
具体的には、分析・仕分け・潜行・アナロジー・メーター・ピラミッド・四分類・三価値・思考フレームの拡大・共感と立場・フォーカスといったツールを駆使することから成り立つ方法論でした。
と、その詳細は本書を読んでいただくとして、ギリギリにならないと仕事に手が付かない人への回答の中に「ギリギリ法」というのがあって、それが面白かったので引用します。
> クリエーティブな仕事では、カンやひらめきといった、脳の無意識領域の働きが
> 大切です。
> では「ひらめき」はいかにして生まれるか? 脳科学者など専門家によると、
> 「ひらめき」は以下の四つのプロセスから生まれます。
>
> 1 データを集め、準備する。
> 2 データの順列組み合わせをすべて考える。
> 3 考えるのをやめ、頭の中で自然に発行するのを待つ。
> 4 数日か数週間すると、いきなり「ひらめき」が訪れる。
>
> - 略 -
>
> どちらかというと問題は、「気力スイッチさえ入ればもっと効率よく動けるはず」
> というあなたの自己幻想です。
> そんな幻想に騙されて、「次回こそ早く取りかかります」など安請け合い
> してませんか? 守れなかったら余計に迷惑だし、あなたの信頼度も下がりますよ。
> それよりあなたの「ギリギリ法」のせいで忙しくさせた印刷所に言葉や
> お菓子の差し入れなど、お詫びの気持ちをあらわしましょう。
> ギリギリ法はあなたに最適であっても、けっして開き直ったり、ましてや
> 自慢したりするものではありません。
それで、本書では何故上記回答なのかについて詳細に納得がいくように述べられているという構成です。
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【人生相談】抜群に面白かった。HONZのレビュアーの方の筆が熱くなっていたのもうなずける。文章技術がない素人からの相談に対して、相談者すら気付いていない本当の悩みを発見する技術。発見した悩みに対してどのように伝えれば、相談者の不安を軽減することができるかととことん考える姿勢。巷に溢れている問題解決本などがいかにぬるいものかがよくわかる。論理的に考え矛盾を導きだし、価値のある答えを発信し納得させる。これが問題解決にあたる上でのセオリーだと解釈しているが、それだけじゃこの人生相談は勤まらない。Face to faceではなく、限られた情報源の中、決められた文字数の中で相手を救ってあげなくてはいけない。チャンスは一度きり。出した答えに対してフィードバックがあるわけでもなく、解答が相談者にとって助けになったかどうかを知るすべはほとんどない。帯には「人生相談は知的格闘技である」とあったが、読了後にまたこの帯の言葉を見ると、印象がガラッと変わってしまう。今年読んだ本の中で一番刺激が強かった。
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受験国語の読解問題の答えを解説するがごとく、人生相談に対する回答を作る過程を本にしたもの。
斬新。
しかも、解法テクニックのごとく、悩みに対する思考(回答法?)のツールの説明つき。
斬新。
ちなみにツールの1つ、三価値は、難しすぎて理解すら無理でした。
その他は、自分でも使えそうなもの満載でとても勉強になりました。
最近この著者の本を立て続けに読んでるけど、どれも斬新で面白い。
けっこう大胆な理論を展開してらっしゃるけど、うさんくさくない。
同じ著者の本立て続けに読んでると、飽きちゃうことがよくある私ですが、この著者の本は今のところ飽きがきません。
次が楽しみ。
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「人の悩みに答える」という一点のみに絞って300ページ以上その技法について述べられています。
人に相談される人もされない人も、これは読むべき。疑問に答えるとはどういうことか?ということがわかります。
1ページ目から「Q.10代の女子高生です。父親が大嫌いです。父への感謝の気持ちはこれっぽっちありません(以下略)」なんて質問があって、それに論理と愛を持って答える姿はほれぼれするしかありません。ここまでさらけ出した回答をするのは、並大抵の考えではとても到達しない段階ですよ。これを世に出した岡田斗司夫先生は、末恐ろしい。
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■概要
元アニメ製作者、今は作家・実業家として活躍する岡田斗司夫氏による、論理的思考ノウハウ本。題材は、彼が朝日新聞で連載している、読者からの悩み相談コーナーの回答と、その回答に至るまでの思考過程。
■感想
彼の悩み相談に対する回答には、道徳的に正しいけど実現のための敷居が高いような解決策はほとんど無い。あくまで、相談者にとって実現可能な案であり、人間の弱さ・ズルさを認めた上で、悩みとなっている問題のいくつかを「受容」したり、悩みによる心の負担を「軽減」する考え方を与えたり、時には他人に負担を「転嫁」することを勧めたりする回答だ。
基本的な考え方は以下の通り。
・悩みは以下の3つに仕分けられる。
(1)今すぐ「相談者本人が」手を打たなければならない問題
(2)年内に「相談者本人か誰かが」手を打たなければならない問題
(3)「人類が」いずれ解決せねばならない問題
・新聞投書の悩み相談で解決可能なのは(1)と(2)だけ。だから、1件の悩み相談の中から、既に終わってしまってどうしようもない問題をまず除外し、残った部分から(1)(2)を見つけ出し、それに的を絞って解決策を考えているとのこと。仕事や日常生活でも、この問題解決法は出来てるようで出来ていないので、心がけたい。
■私が一番好きな悩み回答
[クラス内の人間関係に悩む女子中学生の相談]
・協調性が無くクラスで孤立している女子Aと仲良くすべきか。Aと仲良くしたら自分までクラス内で仲間外れになってしまう。でも、自分が無視する側になるのは心苦いし、Aが可哀そう。
[回答]
・まず、(1)Aの性根を叩き直し協調性を高める、(2)Aから徐々に離れみんなと一緒に無視する、(3)Aに今まで言いたかったことを言ってAから逃げる、の3案しかないと言い切り、どれを取っても失う物があるのだと理解させる。そして、そのことを一人で悩むのではなく、クラスのみんなやA本人に悩みを打ち明けることで自分の心の負担を軽くすることを提案(悩みによる心の負担を他人に転嫁することを勧めている)。
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お勧めされて読みました。たしかにすごい本でした。朝日新聞の人生相談「悩みのるつぼ」での相談と回答が掲載されていてそれ自体も面白いのですが、なんといっても、その回答に至るまでの著者の思考プロセスの説明。
非常に論理的に、悩みを整理して深く分析して理解し、そして生み出される愛のある回答。その思考の仕方は、なるほどそう考えればいいのかと思うものばかり。ピラミッドと三価値が特にお気に入りです。