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フランクな文章に親近感がわく。友人や同僚との会話を通して、大卒ニートの実例が語られており、働きたくても無職の状態にあるさまざまな事情を世間に理解してもらいたいという著者の想いが伝わってくる。
著者が理事長を務めるNPO「育て上げネット」は存在意義のある素晴らしい団体と思う。一方で、本書内での著者の“つまずいた人”の連呼は、現在ニートの自分にとってはつらいものがあった。大卒で職につけないことを“つまずいた”と思いたくない、という気持ちがあるから。
でもそれが現実だということを本書は教えてくれた。世間の多くは大卒ニートを“つまずいた人”扱いして、そう簡単には受け入れてくれない。
本書の事例を読んで、無職で苦しんでいるのはあなだだけではない、という慰めにはなるが、ニートを抜け出す原動力にはならないし励みにもならない。
現状に苦しんでいるニートが読むべき本ではなく、“事情あり”ニートの存在を知らない人が読むべき本。
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肉体的には健康なのに、心の問題で働けない人間は甘えなのか?そういう人間を税金使って支援する事は許されるのか?と著者は問う。その答えはこうだ。こういう人間を放置していると社会保障費が増えるだけ。だから支援事業は経費でなく投資だと。確かにその通りだろう。が、このような対処療法的な支援事業で根本的な問題は解決するんだろうか?
そもそも学歴と職業には基本的な関係性はない。大学は勉強するところで、会社は仕事をするところだ。勉強と仕事は違う。仕事の能力を身に付けたいなら職業訓練を受けて、現場体験をし、学んでいく必要がある。昔はOJTでそのコストは企業が負担していたのだろうが、もうその余裕もなくなってきた。このGAPを埋める制度なり仕組みなりを政治的に構築して構造的に変えていかない限り、支援事業は終わらないだろう。
NPOは社会問題を解決するという目的で存在している。目的が達成されれば存在価値はない。NPOは零細が乱立している。そこに組織の存続欲求が見え隠れする。そういうジレンマの中で活動する事の難しさも認識する必要があると思う。
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就職できない人は甘えだとかゆとりだからという考えの人は、この本を読むと180度違った考えになるのではないかと思う。とにかくこのような支援をしてくれるNPOがあると若者にとってありがたい存在ではないだろうか。
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単なる事例集なところがあるが、鬱病や統合失調病と同じように非常に身近なものであることはわかります。この問題が顕在化した原因としてはやはり肉体労働者の数が低下していることなんでしょう。これがいい事なのか悪いことなのかわかりませんが、ともかくこの問題は現状でも存在しているしこれからも増え続けることが予想させます。そういう意味では、今後十年ぐらいは耐えられる本なのかとは思います。
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http://www.enterbrain.co.jp/product/mook/mook_business/220_other/12297901.html ,
http://www.sodateage.net/
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若者の就労支援NPO「育て上げ」ネットの理事長が、取り組んでいる内容や、対象となる若者の実像をストーリー仕立てで語っています。
私がやろうとしている梁山泊!は、これを40・50代向けに展開しようというものだけに、学ぶべきことが多く、やるべき内容の濃さに身の引き締まる思いがしました。
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内容は就活で失敗した者、仕事をやめた者、など就職自立支援のNPOの代表である作者が関わってきた人達の体験を語っており、エピソードごとに小説のような物語形式になっているため、とても読みやすい。作者はこの支援を投資だと言っている。納税を納める義務である若者たちが職に就けないためその役目を果たせない事は、国家全体の経済打撃である。そのために支援という形で一人でも多くの若者たちに就職してもらう。それが国の経済にとってプラスであるから。
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思いを切る、という言葉
半径3メートルの世界をみんなが大切にする
身近にニートの若者がいれば若者は甘えている、とは言わない。自分の範囲内の人間以外への想像力は弱いのが人間。
印象的でした
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こういった思いのある人(作者)が、悩んでいる若者のために情熱を燃やしているということに勇気をもらえた。
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若者の就労支援団体「育て上げ」ネットを設立したリジチョーこと「工藤啓」さんの著書。
「大卒なのに就職できないのは甘え」という世間の批判がある。大卒から無職はフツウにあり、そんな若者のありのままを伝えたい、知ってもらいたいという思いからできた本です。
物語形式で第1話から第6話とエピローグがあり、分かりやすく読みやすい。本当にあった就労支援した若者を例に挙げており、同世代に近い自分としては感慨深かった。
本書の最後にある「自分の半径三メートルを大事にするならば、それは日本中を、世界中を、覆い尽くすんじゃないか」という言葉は、胸に刻んでいきたいと思います。
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私が入社したのは、約13年前。ちょうどITバブルがはじけ、リーマンショックなど経て、雇用情勢も大きく変わってきた。年功序列も薄れ、愛社精神が過去のものとなりつつあり、今の若者(20代)の現状を垣間見ることが出来た。大卒=安定の時代はもう過去のものであることが分かる。
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個人の事情を知らずに働かないのは駄目と決め付ける風潮を改善しようとする筆者の説明と活動を友人との対談に仮託した本。
勤労は三大義務のひとつではあるが。。
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大学卒無職の現実を知らないキャラクターに主人公がその現状を伝えていく構成。
読後の感想としては大卒無職の原因等に関してわからないことはわからないと言える著者の謙虚さが素晴らしいと思った。相談者にひとりひとり違う背景があることまで掘り下げて対話を続けているからだろう。読後には、大卒無職が何も珍しいことではないと気づき、自己責任論や努力論をむやみに振りかざすことに抵抗を覚えるようになる。
最後には、人とのつながりが大きな役割を果たすということに帰着する。半径3〜5メートルの世界を大切にすれば横たわる社会問題は少しは良くなる。
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ニートになるのに「原因」はない。何故ならそれは誰にでもある「つまづき」だから共通する理由なんてものはありえない。ニートであることを責め続けるよりもどう「起き上がる」のかを考える方がよっぽど建設的な事だ。 確かに、と思った。 もっと働く事が気楽なものになればいいのになぁ。仕事で楽はしちゃいけない、大変で当たり前という感覚が私にもある。仕事が人生の全てでは無いんだ、三分の一位でたまに少し頑張ってみる位でも良い社会になればいい。そのためには、さて、どうすればいいんだろう。
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この本の内容に片足突っ込んでるようなものなので身にしみた。今の状態が就活はするけど今までの経験から職業訓練行って自信はつけてもやっぱり怖いと思ってしまうからこういう場所は私みたいなのには有難い存在なんだろうなぁと思う。就活の不安はハローワークで話せるけど就職の不安は話せる場所がないからこういう場所が欲しい。
あと、ネットとかでニート批判している人に読んで欲しい1冊。