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前にニートの若者について書かれた新書を読みかけたのだけど、社会学的にその原因をさぐろうとする内容で、何か苦しくなってとちゅうでやめてしまった。というのも、大きな枠組みでとらえようとすると、かならず切り捨てられたり、押し込められたりするものがあって、釈然としない思いが生まれてくるから。それに、働かない、働けない若者とその家族のつらさは、原因をつきとめたところで、べつに解消するわけではないから。
でも本書の著者は、若者が働けなくなる原因は「わからない」という。なぜなら、ひとりひとりみんなちがうから。
そう言ってくれることだけでも、大きな慰めだと感じた。「かくあるべし」という枠組みを用意して、そのゴールに連れて行こうとするのではなく、あくまでもその人のなかから何かが出てくるのを待つ姿勢。
でも何もしないでただ待っているだけでもきっとだめ。
「思い切って」つまり、ぐるぐるとまわる思考や不安を断ち切って、1歩ふみださないと、始まらない。
さて、この本を、うちのあいつにどうやって勧めるか……。
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きまじめで、挫折とかそういったものも少なくのんべんだらりと生きてきた、特にこれと言って頑張った!ということがない人たちが、悩んでいる。
誇れるようなことがない。話のネタがない。自分を売り出せない。
それがフツウで、そのフツウが当たり前で生きてきたから今更こういうところを頑張れっ、て放り投げられるなんて、昔の人たちは考えられもしないのだろう。
甘え?
勿論、本当に甘えている人だっているだろう。
でも、みんながみんな、甘えているわけじゃない。
その甘え方だって分からず、ブラック企業に就職し体や心を壊してニートやフリーターになってしまう人だっている。
そういうひとたちに手を差し伸べてくれるNPO法人があるんだよ、ってことを知ってほしい。
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著者が運営するNPO法人で出会う若者の事例が紹介されている。
分析して問題提起するというものでもなく、純粋に現状を知って欲しいというもの。解決策を提案するものではないが、新書ではないので別にいいか。
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図書館で見つけ、手に取った本です。
まるで小説のような語り口で、NPOで若者支援をしている筆者とその友人やスタッフ、利用者さんの話が語られていきます。
私が大学を卒業したのはもう20年近く前になりますが、就職活動をしてもらった内定は1社でした。そこに就職し、体調を崩し、2年10か月という短さで職を失いました。
私はまだ最初の職につけただけよかったのかもしれないと思わせられる本でした。多くの若者が新卒の就職活動をしても、職を得られなかったり、私のように3年以内に辞めてしまう。これは、若者が悪いのか、それとも受け皿の社会が悪いのか。
若者の親世代の方たちは会社に入ったら終身雇用で給料も上がっていくという社会構造の中で生きてきているので今の働けない若者に対して否定的です。その「大学出たら働くのが当たり前」という感覚も今の若者とは相いれないのが分かりました。
若者という言葉がをたくさん使ってきましたが、ここで言う若者とは~39再までを指します。ということはあと3か月半ほど私も若者を名乗れると思ってちょっと嬉しかったです。
就労支援の存在をまだ知らない人も大勢います。そういう方がNPO等の就労支援に上手くつながりますように。と願いつつ読みました。
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今の自分にぴったり。
リアルな大卒の就活事例が読めた。
無機質なデータではなく、血が通った内容が多かった。
世間一般にイメージされる大卒無職の隙間をせめる内容で面白かった。
大学生などが別の大卒の就活の話を聞く話の構図が面白い。流れがいい。
まさかの2012年発行。わたしが読んだの2020年。
あんまり世の中変わってねぇな。
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何個かの事例が示されていて、とても読みやすかった。私は親の敷いてくれたレールの上を歩き、今大学生になっている。きっとこのまま、順調に就職し、順風満帆な生活を送っていくんだろうなと思っていた。しかし、誰だってニートになるということを知った。何が原因かなんてわからないし、原因なんてないのかもしれない。ここまで運良く生きていただけなのかもしれない。打たれ強い人間になるには、色々な経験をして乗り越えていかなければならないのだと思った。
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人はどこでつまずくか、分からないし、どんだけ順風満帆でもつまずくこともある。1つのきっかけで大きく人生が変わってしまうこともある。
全国に約60万人いると言われるニートの人たちにもそれぞれの人生があって、言葉に出来ない思いや葛藤を抱えて、ニートになっているかもしれない。
大卒の新卒者でも数万人規模いると言われているくらい現代社会は混沌としていて、刻々と社会との接続がそれだけ厳しいものとなっている。
誰だってニートや引きこもりになってもおかしくない昨今。
今、社会に求められているのはどんだけつまずいても立ち直れる、周囲の力。若者支援現場は1つの光の道筋としてこれからの時代ますます必要とされる存在になるなと感じた。