投稿元:
レビューを見る
周期表を見るのが苦にならなくなります。周期表の順番や性質について初めて知ったので新鮮でした。ただ、ところどころ説明だけの文章が並び頭に入らない部分もあります。
投稿元:
レビューを見る
面白い!宇宙が出来たときに由来するこの世界の元素の数々。それらの割合は、当然人間の身体の組成や必要とする元素の割合に近いものである。そう考えると万物は広大な宇宙からミクロの元素の世界まで一貫して繋がっているのだと気付く。元素表が持つ曼荼羅のような美しさ、理路整然とした構成の妙は、神の存在さえ感じられる。
科学は面白い。
投稿元:
レビューを見る
宇宙(太陽系)での存在比率と地球における埋蔵量の多寡を混同しない方がいい。
周期表猛プッシュの説明は面白いが、元素ごとの話題が物足りない。しかも人体に関するものばかりなので、これなら例えばじっぴコンパクトの『いまだから知りたい元素と周期表の世界』なんかのほうがより使える。まぁ本書は元素本とはちょっと違うので仕方ないか。
投稿元:
レビューを見る
高校までに習う元素周期表の見方を一歩進め、さらに人体と元素の関係を丁寧に解説する。元素に対する興味がわく本。宇宙論との関係は希薄か。個人的には量子化学やその計算論にもっと踏み込んでほしかった。
投稿元:
レビューを見る
元素の分類や、起源、特徴、人間の身体との関係性が分かりやすく解説されていて、楽しく、さらっと読むことができた。
もともと元素記号に興味をもっていたのだが、この本を読むことでますます(もう少しだけ)深掘りしてみたくなった。ヘモグロビンの中央に鉄がいることの解説を読むと、化合物についてももう少し知ってみたくなった。
投稿元:
レビューを見る
元素周期表がなぜああいう配置なのか、そして宇宙にどのぐらいあって、地球にどのぐらいあって、僕らの身体にどのぐらいあるのか。こういう風に教えれば周期表なんかすぐ覚えられるし、そもそも覚えたくなるよね。
地球にたくさん存在する元素は、人の身体にもたくさん存在している。なぜって、そこにあったものを使うから。鉄が適当に存在してたから、血がそれを使うようになったけど、コバルトだらけだったら、血はコバルトブルーだっただろう、って。
ものは連続性・関連性を持って考えると、とてもおもしろい。
元素周期表は科学が到達した曼荼羅である、と。
投稿元:
レビューを見る
これは良い本でした。著者はサンデージャポンなどでも有名な吉田たかよしさん。東大工学部の大学院で量子化学を研究後、NHKアナウンサーとして活躍、その後医学部に入り医師となるという異色の経歴の方。サンデージャポンの印象が軽そうであまり印象はよくなかったのですが、この方の本は良いです。頭のよさがよくわかります。
本書で著者は、周期表は多くの人が学校で習うものの、”量子化学を理解していない人が教える周期表の知識は、単なるセミの抜け殻である”と主張します。周期表はかなり深い意味、原理があるのにそれを知らないで丸暗記するからつまらないのだということでしょう。確かに本書で著者が語る周期表の世界はおもしろい。高校時代にこうした著作を読んでいたらもっと化学に興味を持てただろうな、と思いました。
本書で著者が随所で述べているのは、周期表で同じ縦の列にある元素は一番外側の電子の数が同じであるため性質が似ている。そのため、医学的観点からは体に必要な元素と同じ列にある元素は人体に害を及ぼしがちである。例えば、原発事故で有名になったストロンチウム。これは周期表では人体に不可欠なカルシウムの一個下。そのためカルシウムと間違えられ人体に取り込まれ、しかも骨まで届く。骨は骨髄で赤血球や白血球を作り出しているところであり、もうれつに細胞分裂をしている。細胞分裂しているときの細胞は遺伝子がむきだしになっている。このため放射性ストロンチウムが取り込まれると、DNAに害が及び白血病のリスクが非常に高まる、ということ。非常にわかりやすい説明でした。さすが化学研究者→医者の経歴を持った方ならではの説明、と思いました。
本書で一番印象的だったのは、天然の元素はほとんどは地球上では作られず、超新星爆発などによって作られた、ということ。要するに新しい元素を作るためには、1000万度を超える温度が必要であり、地球上ではそのようなことは起こらない。例えば陽子と陽子をくっつけようとすると、陽子と陽子は正の電化同士なので反発する。ただ一定以上のエネルギーでくっつければ核力が働きくっつくが、そのためには1000万度を超えるエネルギーが必要である。亜鉛やヨウ素などの鉄より思い元素を利用している私たちは、宇宙で繰り広げられた化学進化の歴史の上に成り立っている存在である。なんというか、我々人間は星から来た痕跡があるんだな、と、不思議な気持ちになりました。我々は星の子供、といってもよいかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
周期表本(?)は、「元素には似た性質のものが周期的に現れます」とか、あるいは「元素の性質は最外縁の電子の個数によって決まるのです」なんて話から始まるものが多い。
始まるのはまあ当たり前なんだけど、たいていの本はそこで終わりになってしまう。「最外殻の電子がこちらも1個です。だから似てます!」。だから似てたらなんなんだよ、そんな風に思う人も多いはず。そんな風に思ったことのある人は、ぜひ本書を読んでみると良いと思う。
全体的に行って「痒いところに手が届く」とはいかないものの、他の「周期表本」とはかなり趣が異なる。他の周期表本は「どれを読んでも同じ」感じがあるけれど、それらと「ちょっと違う」のが本書。
楽しめることは間違いないと思う。
投稿元:
レビューを見る
原発問題等に絡めて周期表を身近なものとして解説した本。
授業ではあまり出てこない遷移元素も多く扱っていて、これはどういう元素?と思っていたのが解決できる。
典型元素は縦、遷移元素は横に性質が似ているというのもすごくわかりやすい。
やはり発展の電子軌道の部分は理解するのに時間がかかるが、元素が周期を示す裏付けとして比較的わかりやすく解説されていると思う。
レベルとしては理系大学進学高校生程度。
高校の内容を取り戻す大学の一般教養程度。
社会人になってからも一読しておくべき一冊だと思う。
教員として、授業で使えるネタが詰まっている優秀な本だと思う。
これを読んでおけば周期表だけで数時間授業ができそうだ。
投稿元:
レビューを見る
化学を勉強していた私にとっては周期表は大変だった思い出もあり、
面白かったと懐かしく思えたり本当に身近に感じるのですが、
学校のテストでしか周期表を学ばなかった人にとっては、
暗記の思い出しか残ってないかもしれませんね。
小難しい話もまったくないとはいえませんが、
本当に”えっそうなってるの?えーそうだったんだ”と私たちの体や生活に身近に実は周期表が関係してた事を、変わった経歴の著者が分かりやすく教えてくれます。
理系の人も文系の人も、今学生で化学に苦戦してる人も、化学が大好きな人も、主婦の人にもお勧めです。難しそうって思わず読んで見てください。びっくりする程、周期表に引き込まれます。
投稿元:
レビューを見る
元素の性質にはなぜ周期が現れるのか。主量子数,方位量子数,磁気量子数と電子の軌道の関係にも言及。量子化学の威力が伝わってくる。
レアアースが遷移元素の中の遷移元素だ,という話は知らなかった。シュレーディンガー方程式を解いて出てくる軌道間のエネルギー準位の関係が,こういう性質を余すところなく説明してしまうのは,ほんとに見事と言うしかない。
投稿元:
レビューを見る
筆者は、大学で化学を学んだあと、医者になったという異色の経歴の持ち主。この経験を生かして、元素が人間や宇宙とどのように関わっているのかを平易に解き明かしていく。特に人体との関係の描写は、筆者ならではの視点が多く、大変興味深い。
投稿元:
レビューを見る
めちゃ面白い内容です。文章も大変読みやすく、量子化学から生物の仕組みまでをこんなに解りやすく解説できるなんて、今年のサントリー賞はこれで決まりかな。是非一読あれ。
投稿元:
レビューを見る
目の前にすごく便利な機器があったとしても、
それが洗練されたものであればあるほど使いこなすのは難しい。
いーいこーるえむしーにじょう
がすごくシンプルで力のある方程式だということはなんとなく理解できても、
使いこなすには他にもいろんな知識が必要だ。
元素周期表も同じ、すごくシンプルで力のあるものだけれど、
それがどういうものなのかを知らなければ
あなたの人生で周期表はただの試験対策暗記物で終わる。
本書は元素周期表のひとつの説明書だ。
宇宙に、人体に、時事問題、いろんな角度からこれを解説してくれる。
旅にでるために、人は地図を広げる。
このとき地図は人にとってただの平面図だ。
旅を終えると、地図から景色がみえる、人がみえる、時間がみえる。
本を旅する、とは使い古された表現だが、
読んだことで周期表がただの平面図に見えなくなることだけは保証できる。
投稿元:
レビューを見る
非常に興味深く、一気に読んでしまいました。
量子化学の箇所は難しくて一度では到底理解できなかったけれど、何度か読んだら、ちょっとずつ分かるようになってきた(ような気がする)。
筆者の言う通り、なんとも面白く、不思議で美しいと思える。
どの項も面白かったけれども、特に人体や毒の箇所が引き込まれました。
亜鉛と水銀などは、同じ族のため間違って取り込まれやすい、など。
なるほど、なるほど、へー、と、唸らずには読めませんでした。
周期表って非常に面白い。こんなに面白いものだったとは。
高校生の時に、これを読んでいたら人生変わったかなあ?とも。
本書に書かれていることは、化学を学び、そして医学とどちらも専門的に深く学んだ筆者だからこその視点なのだろうなと思います。
私の拙い文章ではうまく伝えることは難しいですが、とにもかくにも非常に面白かった。
こんなに興奮する本に出会えたのは久しぶりです。