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連作短編6作。
長い、とても長いトンネルの向こうにやっと一筋の光が見えたような連作集。
やるせない、行き場のない気持ち、喪失と絶望感。不調なときに読む作品ではなかった。
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☆3.5 玄侑さんの解説を読みたくて図書館で借りる。『ソロモンの犬』のミステリーと違った印象。道尾さん芸達者ぶりに感服。流麗な文章は読んでいてとても心地が良い。六編の短編小説はそれぞれ独立したものだけど、どこかつながりあって、人間が抱える光と闇をあぶり出す。蝶はその人間の営みを俯瞰している。こういったテイストの道尾作品の方が私には合っている。ひとまず『ノエル』と『月と蟹』を図書館にて予約する。
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これはミステリー?ではない?
今までと少しテイストの違う作品。
またどんでん返し系ミステリーを期待して読んでいたので、ちょっと拍子抜けしてしまった。
作品としてはとても綺麗で面白い。
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全体を読み終えると、優しい話だった。
オツイチテイスト入ってるというか・・・・。
最後の解説がちょっとしつこい?カンジ。
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6つの話がつながっていて、ほんわかとしたストーリー展開。文体も洗練されつつあり、美しい文章が散りばめられている。
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第23回山本周五郎賞受賞作。
「幸福の答えを求め、不器用にもがきながら生きてゆく人々。
この物語のどこかに自分もいるような気がする」
藤井フミヤさん推薦!!
第13作。第三連作短編集。
形式:各短編のそれぞれが一人称小説。
「隠れ鬼」
認知症の母親とひっそり暮らす男性の、封印された「過去」
私(語り手、遠沢正文、印章店店主)の「過去」は母親が認知症となって描いたひとつの絵から喚起されることになる。
笹の葉。雨。男女。彦星と織姫。
「虫送り」
ホームレス殺害に手を染めた小学生兄妹が抱く「畏れ」
僕(語り手、小学生)は妹の智佳と虫取りに興じていた。
智佳に悪戯をしようとしたホームレスに、橋の欄干からコンクリートを落とした。
目撃者はいない――「向こうのふたり」を除いて。
「冬の蝶」
密かに心を通わせた少女のために、少年ついた「嘘」
私(語り手、昆虫学者を夢みる中学生)の夢は昆虫学者になること。
クラスメイトの少女と心を通わせるうちに、彼女の秘密、逃避の手段を知ってしまう。
世界を閉じ込めてしまう彼女に、自分は何ができるのか。
「春の蝶」
両親の諍いを機に、耳が聴こえなくなった少女の「葛藤」
わたし(語り手、幸)は隣に住む老人と親しくなり、耳の聴こえない少女と交流を深める。
少女とほんの少し似た境遇を持つわたしは、彼女の態度に疑問を持って――。
「風媒花」
病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の「誤解」
自分(語り手、亮、トラック運転手)は、母親の態度を許せなかった。けれどそれは――。
姉を気遣う弟は、逆に気遣われていた。いつも。
「遠い光」
自信を失った女性教師と、孤独と戯れる教え子の「希望」
わたし(語り手、小学校教諭)は、教え子の朝代の苗字が変わることについて、彼女がどのように受け止めているのか、慎重な態度をとっていた。
そんな日におこったある事件。彼女を助けられるのか。
光に満ちた景色も、暗くて哀しい風景も、すべてがこの世界だ。
ミステリ:☆☆
ストーリー:☆☆☆☆☆
人物:☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆
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文庫本化で再読。次々に前の脇役が次の物語の主人公に変わる短編連作集は珍しくはないが、この連作集は各物語が緩やかに繋がっている感じであり、こうしてやろうという作意が最初から無いので、最初から意識して連作にしようとしていなかったのかもしれない。特に最初の話は無理やり最後の話の結びつけた感が強い。相変わらずせつない境遇の子供が多々登場し、あまり救いが無いまま話が進むが、本作では次の短編で、救いがもたらされているので、まあ、いつもよりは薄暗さは無い。
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もっと早く出会っていればよかった、そんな作家さんをみつけました。
切り取った一瞬の絵画のような感動も、ひとりの人間の長い人生の、そして世界という壮大なひとつの絵本の中の、ほんの一枚のページに過ぎないのかもしれない。でも、そういったものが積み重なっているからこそ、世界はふしぎで美しいのだと信じられる。日常の中になにかを信じさせてくれる作家さんには、たまらなく魅力を感じます。
「この物語のどこかに自分もいるような気がする」とは、帯での藤井フミヤさんの推薦コメント。
第23回山本周五郎賞受賞作。
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非常に読みやすかった。懐石料理のような本である。
読むことに対して、何の抵抗もない。見た目にも美しい。しかし積極的に食べたいと思わせるような美味しさもない。そんな印象を受けた。
第三章の『冬の蝶』が気に入った。いや、サチが気に入ったのか。
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二日間の通院の車中と待ち時間の間で読み終えてしまいました。
6章からなる短編集ですが、前の物語に登場していた人物が次の物語の主人公へとなっていきます。
一つ一つは切なく、重くやりきれない内容なのですが、特に好きだったのは「虫送り」
幼い兄妹がなんとも愛しかったです。
「春の蝶」のあの女の子のお母さんなんて実際よくいそうな母親ですよね。
子どもって小さいけれど、大人が思うより実に現実を直視しているんですよね。
その小さな胸を痛めているなんて切なすぎますよね。
しかも自分の親のことで・・・
次の主人公を想像しながら、時に腹をたてながら、時に悲しくなりながら読み終えました。
そして、唱歌を懐かしく口ずさみました♪
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6つの短編集。
一つ一つが、独立した物語でありながら、
登場人物が交差していく。
基本的にHappyEnd。
ただ、あまり共感は出来なかった。
ちょっと皆ひねくれすぎというか、回りくどいというか…
私にはあまり入ってこなかった。
共通する登場人物が分かりづらい話もあり、
発見していくのが楽しかった。
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正直、ファンながらもこの作品は途中で手が止まるかもしれないと懸念しました。連作形式が重く感じられたから。実際に間に一作、挟んで読み終えました。
ちゃんと読んでよかったー、というのが本当のところで、終わりの二章が美しい。やはりこの人はすごい。
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2.5
前半の三編が闇、後半の三編が光。
それらが連なり一つの輪となる。
風媒花が個人的に好きだったけど全体的になんかもやもやした。残念。
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相変わらず期待を裏切らない道尾作品。短編集だが、所々で前の登場人物が顔を出すなど話の展開のうまさは流石。
それぞれが何かを思い出させてくれかり、考えさせられたりする作品で昔の古き良き時代?を思いださせてくれた。
読んでいつも思うのは、道尾さんの表現はキレイでキレがあって、すっと心に入ってくるからたまらない。
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道尾さんの作品は初めて読んだ。
この作品は、繊細さと綺麗さの雰囲気を出してた感じ。恒川氏の文章に似てる?
他の作品はどうなんだろ?初めて読むには少しクセがある感じだったので、他のも読んでみないと分からんな。