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週末のできごとがたくさん載った短編小説。
iPhoneだったりスマホだったり最近の単語が時々出てきて今の時代の物語という感じがした。
休みの日にゆっくり読みたい本。
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ある人のある一日をピックアップした短編集。20数ページでサクサク読める。出来事があり、それについて考えた事があり・・・という内容だけれども、特別な事は何も無い。だからこそ、心の琴線にコトッとはまる何かを見つけたら凄い共感出来るやも。
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いつもより、少しだけ特別な日。週末に出逢った人たち。思いがけずたどりついた場所。あなたの世界が愛おしく輝く、8つの物語。第143回芥川賞候補作「ハルツームにわたしはいない」収録。
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「蛙王子とハリウッド」 「ハッピーでニュー」 「つばめの日」 「なみゅぎまの日」 「海沿いの道」 「地上のパーティー」 「ここからは遠い場所」 「ハルツームにわたしはいない」
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いつもながらに何気ない日常のなんてことない会話を描くのが上手な著者である。だが今作では、ほんの少しだけいつもと違う場所――空間的だったり時間的だったり心情的だったりはするが――に主人公たちはいるのである。少しだけいつもと違う景色を見、いつもと違うことを想い、ほんの少しだけいつもと違う自分を見つける。平日からみるとちょっぴり特別な感じのする週末の空気がそこここに流れている。あしたからまたいつもの平日が続いても、乗り切れるかもしれない、となんとなく思わせてくれる一冊である。
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『携帯電話が振動したので鞄から取り出した。先週、iPhoneに変えた。使い方が把握できず、すでに五回も間違い電話をかけた。画面を何度かつついて、やっとメールが読めた。友達から、今晩の誘いだった。今晩は予定があった。返信すると、遅くまでやってるし来れたら適当にでいいから、と返ってきた。いいよ、と返事した。最初からある用事も、今誘われたのも、内容は似たようなものだった』-『ハルツームにわたしはいない』
柴崎智香の魅力はなんだろう。随分前から彼女の本を読み継いできているというのに、新しい本を手にする度にそんな思いがふっとわいてくる。刺激的なものがあるというわけでもない。ぐっと迫ってくるとも言い難い。大抵、ここではないどこかの街で、何も特別というわけでもない人々が今日という日を生きているという話。でもここではないはずの街はいつもすぐとなり街のように見え、見知らぬ人である筈の主人公はいつもの通勤電車で会う名前も知らない顔なじみのようにも思えてくる。そんな感慨にとらわれている内に自分の思考はふらふらと漂ってしまい、さらさらと頁を繰ることが適わなくなる。その状態がいやではないのだ。
柴崎智香の小説を評して、何も起こらない話、という人もいる。自分も何となくそういうイメージを持っていたりもするけれど、実は彼女の小説の中で流れる時間の長さでその間に掬い上げられた小さな出来事の重さを割ってみると、案外と密度が濃いようにも思う。この短篇集に収められた話では、特にその印象が強い。ライブに行って難聴になってしまったり、知り合いではない人の結婚披露宴に行ってみたり、街角で血を流しているおじさんを目撃したり、と、主人公たちは意外と非日常的な出来事も経験してはいる。それなのに、やはり何も特別なことが起こっているいるようにも思えないという辺りに、柴崎智香の文章の特別なところがあるように思えるのだ。それをものすごく単純に言おうとすると、身体的感覚が研ぎ澄まされた人の文章と言えるような気がする。
でも彼女の書く文章に接して、読む人によってはとてもディストラクトされた思考だと捉えるかも知れないし、ついさっきまで話していたことと、今ここで出てきた言葉には何の関係があるの、と思ってしまうかも知れない、とも思う。その意味不明にも見える展開を柴崎智香が完全に俯瞰した視点から把握した上で、敢えて書いている訳でもないとは勘ぐるけれど、彼女の思考の束の中では、はっきりとした繋がりがあるということだけはきちんと意識されていることは窺える。そしてこれは珍しいことだと思うけれど、そのあいまいな確信を(と書くと、とても可笑しな感じにはなるけれど)主人公に語らせたりもしている。感慨と描写が同じ顔つきのままに立場を入れ替える。その不思議な味わいが独特の余韻となる。
しかし、一つだけ気にかかることがある。柴崎智香はこの先もずっとこの世代の登場人物を描いていくのだろうか、と。今、彼女が描く主人公たちは、ある意味で人生のモラトリアムにいるようにも、極端な視点からすれば見えないこともない。たとえ職に就き、友達もいて、社会と繋がっているように一応見えたとしても、彼女の描く主人公たちはどこ��世の中から切り離された空気を自分の周りにだけキープしながら生きているようにも見えてしまう。逆に言えば、柴崎智香は作家として非常に自分自身の生活から生まれてくる感覚に正直なのだろう。そのことは決して負の印象で受け止めるべきことではなく、信頼感にも繋がる要素ではあるのだけれど、あまりにも自分自身を語るかのような言葉に危うさも感じることもある。
もちろん、そういいながら、使い古された言葉ではあるけれど等身大の主人公を描く柴崎智香の小説には、やはり魅かれるものがあるのは事実であるし、今のところ、他の誰よりも常に新刊が待ち遠しい作家ではあるのだけれど。
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決定的に違う人っている。一生理解できない世界に住んでいる人っている。わたしもまだ弱い。いいなあって結局行かない。週末は人が多くて、街が浮かれている。
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「野性時代」などの掲載された8編の読みきり短編を収録。
ぐだぐだと部屋でしゃべったり、いかにもやる気のなさそうな若い男女ばかりが登場する物語ばかりだなあと思ったら、これは週末シーンを主題とした連作だったことに気づいた。著者のあとがきを読んで納得。
どことなくあちらこちらの登場人物同士がいくつかの物語の中を行き来しているかのような感じを受ける。それは、どの作品も女性を主人公とした同じようなテイストだからかもしれない。
そんな中で、「地上のパーティー」は唯一男性を主人公としているだけで新鮮。女性作家が描く男性視点が、女性に対してあきらかにシビア。
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『蛙王子とハリウッド』は野性時代掲載時に読んだな。あとがきがある本に久しぶりに出会った気がする。あとがきいいよね。
友達との距離感がつかず離れずで絶妙。主人公は皆、どこか冷めてる。
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話のあらすじというよりも、こういう風景をみたときの感じとか、こういった気持ちのことを書きたいっていうお話みたい。
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出だしは低温だったのだけど、なみゅぎまの日から、いいかも、なんかいいかも、と温度が上がって、読み進めれば進めるほど、いい!いい!てなった。
あちこちに、あ、ここいいな、好きだな、て言葉がたくさんあって、読み終えてとても満足。
受験生、ショップ店員、事務職員、草食スイーツ男子、いろんな人の、いろんな週末。
週末休みの人もいれば、仕事の人もいる。
女友達と旅行に行ってトラブルに巻き込まれる人もいれば、友達の友達の結婚式に参加する人もいる。
柴崎さんの本の中で、一番とっつきやすくて読みやすい気がした。
なみゅぎまの日の、主人公の、休みが何曜かは問いません!とか、風呂に三回入るまで女の子の洋服屋には近寄りません!とかの叫びが愉快。
次はどんな週末を過ごそうかな、と楽しみになれる気がする。
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何気ない状況をろいろな言葉を」織り込んで描く文体は読んでいて心地よかった。頭に流れ込んでくる文章がやたら気持ちよく読めました。内容がどうのこうのっていうんじゃないんですが。
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【蔵書案内・小説】坂東市の図書館:短編集。「週末」だけに力を抜いて読めます。読み始めは表紙のカバーの折り返し(内側にはいる部分)が右側に出っ張って見えるんですが、それが窓から見える風景のようで気持ちを和ませました。(意味わかりませんよね、これじゃ。ぜひ手にとって数ページのところを大きく開いてみてください。右側に桜の風景がでてきますから) 第143回芥川賞候補作「ハルツームにわたしはいない」も収録されています。
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色んな人の、非日常的なようで日常的な週末。
風邪で寝込んでいた正月休みに会社の先輩がやってくる話と、女三人でドライブしていたら車が故障する話が好きだなあ。
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何気ない日常の話を綴った短編が8つ.どの話も大きな事件は出てこないが、何か面白い.「地上のパーティ」で存在感のない小金沢の存在が妙に気になった.
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週末にある、不思議な8つの話。
平日とは違う、特別な日。
しかしいつもと変わらない日。
そんな週末の日常…なのですが、こういう事はあるかもしれない、から
どうなんだろう? なものまで。
2つ目の話、風邪引いてると言ってあるのに
来てから驚いている同僚。
人の話を聞いてないタイプなのか、それとも切羽詰まってたのか。
どっちなんだろう? というのが気になってしまいました。
4つ目の話は、受験の状態に頑張ってるんだな、と。
受験のためとはいえ、風呂に入らない…すごい覚悟です。
ただ、髪を洗った後はきちんと乾かしたのかどうか、が
非常に気になる所でしたが。
そこを怠っていれば、もくろみから外れるわけですし。
後は…特に、でした。
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週末をどう過ごすか、どう過ごしたかの短編集。
意図せず過ごす週末の色々な話に、そんな週末もあるよねって思う。
個人的にはもっとワクワクして週末を過ごしたい。