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淡々とした文章が得体の知れない恐ろしさを出していて、これぞ三崎ワールドといった感じ。
市町村合併、ネット炎上、ステマ等、今の世相を反映していながらも、どこか奇妙な感じがして、主人公と一緒にいいように踊らされた気分です。
一部だけ切り取られた情報にコロッと騙されてしまうというのは、誰しもが体験していることです。
真実って、なんなんだろう…
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表題作と短編『戦争研修』
戦争研修は『隣町戦争』のスピンオフ。だからか、三崎ワールドでも後味の悪い方。
表題作の方は、真実と史実、情報と捏造等、一筋縄ではいかないテーマを市町村の合併を切り口に、鮮やかに提示してみせる手際に脱帽。
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三崎さん独特の世界。
それを否定しないけど、恋愛とからめるとその持ち味が薄まる気がする。
大衆の持つ力の怖さ、何が真実なのか、与えられた情報の正誤をどうやって見極めるのか・・・テーマは深いと思う。
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市町村合併にまつわる様々な動きを描いた表題作と、「となり町戦争」のスピンオフ的な短編。
今までの三崎亜記とはちょっと毛色の変わった作風で、戸惑いながら読みました。
読後もその戸惑いは変わりませんでした。
自作に期待、です。
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デモ、炎上、ステルスマーケティング…。市町村合併を巡って、ネット上で「見えない戦争」が始まった。表題作ほか、「となり町戦争」スピンオフ短編を併録。
ありそうであり得ない設定…三崎亜記らしい作品で、それなりに楽しめるのだけれど、ネット社会の怖さやマスコミの矛盾など現実に接近していて、「となり町戦争」の頃より巧くなった?分だけ、とぼけた不思議さが無くなってしまった気がした。終わり方もやや中途半端で、少し不満が残った。
(C)
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三崎さんの作品は、いつ読んでも、儚い笑みのようなせつなさが残ります。
表題作はちょっと陰謀論めきすぎていてありきたりの感が強いのですが、「真実」をテーマにした意欲作でしょうか。個人的には、同時収録された「となり町戦争」の前日譚の方が好きです。いろいろ考えさせられて、すっきりいかない読後感が三崎さんの魅力だとあらためて感じました。
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真実ではなく、史実があるのだ、というところが印象的だった。
この間、職場の人が話していた、国境の話に似ている。
今、私たちは「日本」という国の形を言葉を使って共有している。その共有している日本の形、国境で、何百年も何千年も前の歴史を語っているんだ、と。その頃は今の日本とは違う形、違う国境だったのにって話。
できたての石碑も、時が経てば史実になっていく。
目に見えているものは本当に存在するのか。
もやもや残る。
戦争研修にはとなり町戦争の香西さんが出てくる。またとなり町戦争読もうかな。
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C町と統合しようとしているA市に、主人公聡美が高校生の頃思いを寄せていた和人が帰ってくる。
何も知らなかった気付かなかった若い頃とは違い、挫折や妥協を知ってしまった二人の、腹を探り合うようなギクシャクとした関係が、閉塞感の漂う故郷の様子とあわせて、重苦しい雰囲気をいやがうえにも増している。
C町との統合にまつわる疑惑。声高には叫べない反対意見。
主人公の聡美もまた、人には言えないような秘密を抱えているらしく、やるせない思いを募らせていく。
人と人との関係が解り合えぬものならば、町と町との関係もまた、相容れないものなのだろうか。
平成の大合併を経て、いろいろ考えさせられる作品だった。
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三崎亜記の世界観を久しぶりに味わうことができた。
が、わざと難しく「真実」「史実」の講釈をしようとしているのか、
自分の頭が理解できないだけなのか、
落ちてこない部分もあったかな。
「戦争研修」は、その後「となり町戦争」と繋がってくるということ?
「となり町~」をまた読みたくなった。
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三崎亜記さんって男の人だって事を最近知った。
ああ、もう、本当にどうでもいい。
「となり町戦争」の人だったんだ。
未読だし、映画も避けていたけど、知ってたら手に取らなかった。
表題作の他、「戦争研修」という短い作品もあったが、こちらは読み進められず断念。
なななんと、「となり町戦争」の続編との事で、やっぱり本当に好きじゃないんだと我ながら納得。
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読み応えはあるけど・・堅い^^;・・表題作は自治体統合の裏側とネットをテーマにしてるが、情報に翻弄されて裏の裏、逆転に次ぐ逆転、嘘か真かも結論は曖昧となる。面白いというより疲れる。それにしても、モデルは筑後地方のような気がして仕方なく身近に思える(笑)短編「戦争研修」はデヴュー「となり町戦争」の戦争前話という位置かな。やはり不気味。
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自治体の統合の裏で、起こっていることを丁寧に面白おかしく書いてある三崎さんのいつものどまんなかのパターンかな。ちと、この手法に飽きてきたかも。
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となり町戦争以来、常につきまとう不思議な世界。甘いファンタジーではなく、現実世界で暴走したら怖い部分を設定に組み込んで、ある種の歪んだ世界を淡々と語る作者のカラーは、私は好きだが、人によって好みは分かれるかも。
コロヨシのような躍動感のある世界よりも、静かで冷ややかなこちら系のほうが、三崎作品らしい。
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この人の書く、少し現実からズレた奇妙な世界が大好きです。今作は、それほど三崎ワールド全開な感じではなく、伊坂幸太郎的な感じでした。これはこれで嫌いじゃないけど、もう少し不思議感がほしかった。
併録されている「戦争研修」は「となり町戦争」の前日譚ですね。また本編を読みたくなった。
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町の在り方を巡る三崎ワールド。
・逆回りのお散歩
・戦争研修
の2作品収録。
表題作は、初期の三崎作品のように異世界感は薄いものの、主張もしっかりしている。
希望的なラストは、最近の三崎ワールド的であり、勇気と不安が胸に広がった。
「戦争研修」は「となり町戦争」前夜という設定の短編で、異世界の政策的戦争の実態説明的で、
読むのは「となり町戦争」の前でも後でもよい作りだが、補完的な部分もあるので、後がおすすめです。