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勘違いしてはいけない。この手の本は母親及びその母親(祖母)を責めているわけではない。ただ、母という病を乗り越えるためには、負の感情をも感じ表現する必要があるからだ。
核家族化(社会の近代化)によって、子育ては母親一人のものとなった。個人というよりは、社会全体の問題なのかもしれない。
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本屋で偶然目に留まり、題名に惹かれて読んだ一冊。
自分が抱えている問題が、すべて両親との関係にあるのでは、と
薄々感づいていた内容が書かれていました。
子どもは(母)親を安全基地として、
そこから他者との関わり合いを広げていくのに
親子関係がうまく機能しなければ
その後の人生の人間関係に大きな影響を与えることは必須だと感じました。
更には、両親とは自分の起源(ルーツ)であるから、
それをよく知らなかったり否定的な観念を持っていることは、
きっと自分自身を否定することにも繋がるのだろうと思います。
私はこの本を読んで、
自分を「母という病」から回復させるにはどういうプロセスを経たらよいのか
考えなければならないと思いました。
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母親という十字架に苦しんでいる人へ。という帯に引かれて買ってしまいました。ちょっと読むのが怖いけど・・・。
自省するつもりで読んでみます。
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人が成長し他者との関係を築いていく上で、いかに幼児期・成長期における母と子の関係が大切でありその後に影響を及ぼすかを綴った本。妊娠中ということもあり、これから生まれてくる子とどう向き合うべきか考えさせられた。特に気になったのは、頑張りすぎる母が陥る悲劇という箇所。育児と仕事の両立に子が幼い時期から頑張りすぎるあまり安定した愛着をうまく育むことができず後々問題となるケースに関しては非常に怖いなと思った。今は女性が何役もこなさなければいけなくて、社会ではそれが推奨されているし女性自身だって、母として妻として社会人として女としていつでも輝きたいと欲張りになったっていいじゃないかと思っている人がほとんどだと思う。かくいう私もそう。だけれど、本来育児って自己犠牲がやっぱり中心となる行為である訳で、あまりにも欲張りすぎるのは子にとっても自身にとっても負担が大きすぎる。子を産めば自動的に母性が育まれるとは思っていない私にとっては、どう自分の自己愛を自覚しコントロールして愛情深く子を育てていくかが課題となるのだろうか。愛着という視点で見たときの育児と仕事の両立の危険性を意識できただけでも読んで非常にためになった。
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読むのがしんどい本だった。
あまり、自分に引きつけすぎるのはやめようと言い聞かせながら読んだ。
いくつかのケースにおいて、大きな影響を及ぼす要因となりうる、ということはよくわかった。
大事なのは、一方通行な関係ではないってこと。
子供より母親の方が影響力は得てして大きいんだってこと。
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うつ病、ひきこもり、依存、虐待。本当の原因は、母という病にあった、という本。
本の中には、父親をはじめ、母親以外の家族は登場しない。それどころか、最近の社会情勢(格差、ひとり親、女性の社会進出)には一切触れられていない。母と子供の二者関係の視点でのみ語られ、母からの愛着問題に終始する。
そもそも安定した愛着とは何なのかと疑問。
家庭環境によって生まれる問題も確かにあるだろう。しかし、それが、病気なのか、そうでないかの定義も扱われていない。どんな親であれ子育てには不安があり、子供だって親には不満があるものだ。病気か、成長の一過程かが、混在して、困難の原因がどれも母親だと勘違いしてしまわないか心配だ。
母が、「かわらない愛着でかかわる」とか「子どもの気持ちを汲み取り応えてやる」など、わかっていてもできない母の苦悩は書かれていない。そもそも母にだって複雑な物語があり、それが世代間伝達されている。
子どもも、何にも気づかず症状を出していたり、ときには暴力で表現する。そういったときには、どうするのだろうか。
さまざまな疑問が浮かぶ一冊であった。
2013.3.3
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愛着関連書の中でも、とくに母との関係に着目して書かれた一冊。
とにかく衝撃的。「母という病」に悩まされてきた自分にだんだんと気がついていく。ああ、これだ、と思いながらどんどん読みました。
後半、克服のあたりは他の本と重なるところも多分にあるのでもったりするが、相変わらず救いのある展開。
次はパーソナリティ分析の恋愛編を読もうかな。
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母との関係性からくる心理的問題を抱えている大人は、かなり多いのではないだろうか。みな胸に手をあてればどこか思い当たる。その重要さを改めて感じる本。
この本だったか、先に読んだ依存症の本だったか忘れたが、どこか複数の本で書かれていたこと。家族関係で重要にしなければ関係性の順番は、第一に夫婦関係、第二に子どもとの関係、第三に夫婦の親との関係である。その優先順位が間違うと、家族関係に大きな歪みが出る。夫が仕事で忙しい妻にとって、子どもとの関係が第一になりがちであるし、嫁姑の問題では夫が親との関係を第一にしがちである。
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生きづらさの背景に、幼い時の母親との愛着形成が上手くいかなかったことが挙げられる。
幼い子供にとって、母親は神のような存在で、無条件に愛されたいと願うのだが、それが得られなかったとき、人は絶望や、自己否定をかかえたまま、苦しみと不安の人生を歩まざるをえない。
ジョン・レノン、ヘッセ、ショーペンハウエル、岡本太郎、宮崎駿も「母という病」を抱えながら、それを力に換えてきた人だったという話を聞いて、「人生って全て修行、学びなんだなあ」という想いを抱いた。
自己回復のためには、自分の醜い気持ちを偽らないでノートに吐きだすこと。親から距離を置くこと。
笑顔や人のために何かすること。
安定した場やサポートできる場を持つこと。
誰かを愛すること、包むことで、それが自分の回復にもつながる。
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父親が一切出てこない育児の本。岡本太郎やジョン・レノンなど様々なジャンルの有名人の母子関係も語られていて興味深く読みましたが、筆者の主張が正しいならば、母親とは何と責任の思い役割なのだろうか…と溜め息をつくことが多かったです。
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最後の一章以外、全般的に暗い…。母という病を抱えた人、をいろいろなパターンに分け、実例紹介みたいになっているのだけど、どこまで本当かしら?ちょっと話作っていない?という気もしないでもないようなまとめ方…。最後の一章は、母という病を克服するためには…という視点で書かれているけれど、特に新しいことが書いてあるわけではない。…ので、必読の書、とは言いがたいかな、と思いました。
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最近は、子育て中のお母さんに対して「頑張らなくていいんだよ」、なぁんて優しい言葉で理解を示してくる大人がほとんどの世の中なのに、これは母親になる、とはどういうことかをビシビシと問いかけてきてくれるようで、なかなか響きました(いや、正確には堪えました…)。
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精神科医なのに統計やデータもなく「最近○○という病が増えている」なんて安易に言って胡散臭いなあと思っていたら、ゲーム脳系の人じゃないか。あああああ時間を無駄にした!こんなんで子育てに悩む人が余計つらい思いすることがないように切に願う。
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-母という病を抱えた人
--自己否定を抱えやすい。親から愛されなかった、認められなかったという傷ついたおもいは、いつしか自己否定として刻み込まれ、その人を脅かし続ける
--良い子を演じてしまう。相手の顔色をみて、気に入られようと振る舞ってしまう。自分の利益や生活を残ってまで、相手の都合に併せ、尽くそうとすることもある
--完璧を求める。自分が完璧な存在でなければ、すべてがダメになってしまうと思ってしまう。自分の義務や理想を完璧に実現しなければ、自分が無価値になってしまうと思ってしまう。そして認められようとがむしゃらに努力する
--認められようと頑張り続ける
--安全基地がないので、いつも安心感がない。もっとも大切にしてくれるはずの母親に大切にされないと、基本的安心感や信頼感が育たない。
--傷つきやすく、ネガティブに反応する
-一般的な話になるが、母親は自分が幸せだったときの子どもには、愛情を感じやすい。逆に、自分が不幸せで、つらいときにできた子どもには愛情を感じにくい
-怒りの2つのタイプ
--機能的怒り 怒りを表現することによって、むしろ問題解決が促進されたり、対人関係が深まったりするのに役立つ建設的な怒り
--非機能的怒り 怒りによって、問題が解決するどころか、余計に紛糾してしまったり、対人関係が破綻する
--母親との関係が安定している人では、怒りは機能的なものとなりやすく、関係がぎくしゃくするか冷ややかな人では、非機能的な怒りになりやすい
-母性的没頭 基本的安心感を育む 基本的安心感が乏しいと、いつも心配ばかりするだけでなく、自分がここにいるという当たり前のことさえ、不確かな感覚をもってします。
-愛着した存在に身を委ねるとき、愛着ホルモンであるオキシトシンの分泌が促され、それがその子の安心感を守り、ストレスを抑え、さらには免疫系の働きや成長ホルモンの分泌を活発にする
-愛着が不安定なケース
--母親がその子に対して無関心で、あまり注意を向けていない場合
---そうしたタイプの母親をもつ子ども 母親にあまり甘えず、母親がいなくなってもあまり悲しそうにもしない。これは「回避型」と呼ばれる愛着パターン
---回避型 親からあまり褒められたことがなく、悪い点ばかりをあげつらわれてきた。親はたいてい真面目で、義務感の強い人で、ーーするのが楽しいとか、ーーしたいという気持ちよりも、ーーせねばならないという責任やルールを重んじる
--感受性や応答性は一見豊かに備わっているのだが、過剰になったりムラがある場合
---子どもは母親に依存する一方で、思い通りにならないと強い怒りを示したり逆に拒否して母親をこまらせようとする 抵抗/両価型
--混乱型 回避型と抵抗/両価型が混じりあい、無秩序と予測不能な反応を特徴とする
--統制型 子どもが親のほうをコントロールしようとする(懲罰型と懐柔型)
-成人の愛着スタイル
--とらわれ型、または不安型(子どもの抵抗/両価型)
--愛着軽視型(子どもの回避型)
--未解決型(子どもの混乱型)
-母という病を抱えた人は、安全基地を持たないがゆえに、手近に得られる慰みに依存してしまいやすい(過食、買い物、アルコール、薬物)
-母性は、白黒はっきりしないと気がすまない潔癖さや完璧主義とは、正反対なものだ。言い換えると、母親が潔癖すぎたり、完璧主義に走り過ぎ、義務感やーーねばならないの思考で考えている時には、母性がうまく働いていないということだ。実際、そうした性格傾向の母親は、虐待をしてしまうリスクが高いことが知られている
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【子育て】母という病/ 岡田尊司/20140218(11/186)
◆きっかけ
・日経新聞広告。Kが心配(STEP講座等で子育てに限らず、彼女自身のより根本から改善していこうという姿勢は期待できるが、時々子供や当方に対してヒステリック気味に怒るのが不安。)病理から改善する方法はないのか。
◆感想
・子供に対する母親の影響は考えている以上にとても大きい。しかし、父親の話が一切出てこないのは理解できない。毒親にならないよう気をつけよう。
◆引用
幼い子供にとって母親は神のようなもの。逆らえない。愛されたいが故に、母親に期待にこたえようとする。しかし、その関係を続けるkとは、子供が自分を確立して、自立していくことを妨げる。わが子を少しずつ、話してやることが必要だが、それをためらうと、自立するチャンスを失う。
・一旦母親を否定し、その支配から自由にならない限り、本来の人生を取り戻すことはできない。母親の期待を裏切る勇気も必要。
・その幼い日々が満ち足りた、安心できるものだったか、そうでなかったか、それを一番反映しているのは、今の母親との関係。
・いつも一緒にいて、頭をなでられたり、世話されたりして育った子供は、いつも自分を愛してくれる存在がいて、守られているという安心感を手に入れる。それは心理的のみならず、生理的な体質とも結びついて、母親との絆が安定している人は、ストレスに強く、うつにもなりにくい。それが後ろだてになって、子供は外の世界を探索することができる。つまり、母親との愛着には、安全基地としての働きがある。
・安全基地を持たない=安心感がない。