紙の本
勧善懲悪
2015/07/03 03:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤枝 雅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これも『殺人鬼フジコの衝動』同様面白かった。
『殺人鬼フジコの衝動』で残された疑問に答える形の本書であるが、前半はフジコの叔母「下田茂子」、フジコにより殺害された同級生の母「小坂初代」が登場するだけであり、フジコとは別の事件を追う形を採っていた。そこから上手くフジコ事件に結びつけ、真実を白日の下に曝していく手法は見事だった。
最後、『殺人鬼フジコの衝動』の疑問点に完璧に解答を与えた後に残る少しの気持ち悪さ…これも作品を傑作たらしめている要因の一つであろう。
たしかに物語を収束させる展開の巧さはあるが、『殺人鬼フジコの衝動』ほどの衝撃は無かった点は残念である。しかし、個人的には、悪人が栄えるというラストは好きではないので、こちらの方が好みではある。
紙の本
面白かったです!
2013/02/20 14:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美綛 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「殺人鬼フジコの衝動」を読んでおり、気になって購入しました。
最初の方は前作とは全く違う話か?と思ったのですが、徐々に繋がっていきました。
文字が見やすくすぐに読めると思います。
前作が好きな方にはとてもお薦めできる作品です!
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"インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実"真梨幸子著 徳間文庫(2012/11/02発売)
・・・月刊グローブ編集部は騒然となった。男女五人を凄絶なリンチの末に殺害した下田健太。
その母である下田茂子から連絡があり、独占取材に応じると言う。
インタビュアーとして指定を受けた構成作家吉永サツキと編集部員の男女の三人は取材に向かうが・・・。
証拠不十分として不起訴、無罪の上告待ち状態の下田健太。その母である下田茂子はあの殺人鬼”フジコ”の育ての親でもあった・・・。
(以下、ネタバレ含む)
・・・”殺人鬼フジコの衝動”の続編。”殺人鬼フジコの衝動”は読んでおいた方が良いでしょう。名作!でしたし。
(限定版収録”私は、フジコ”は人物関連はありますが、特に読まなくてもよいかと。)
しょっぱなから下田・フジコ絡み以外の人物の死亡フラグがバリバリ立っていた恐ろしい作品でした。
暴力の力で弱者を支配する、下田健太の異質な、但しどこにでも存在しそうな感じはブルブルとさせられます。
人を従わせたい、言う事を聞かせたい、という感覚は多くの人が持っているかと思いますが、その手段として暴力を日常的に使用出来る人間は怖いですね。
”ラストまでに、「彼女」はあなたを三度欺く。”の通り転回点はあるのですが、ちょっとヒントが親切すぎる部分もありましたので騙され度は低いかも。
(”みっちゃん”の正体がバレバレすぎ・・・。(笑))
結果として前作の方が面白かったという印象ですが、前作の読後感が変わる、という点で読んでおいた方が良い作品ですね。
本書が売れると多分、続編が作られそうですし。
・・・続編の余地。
・関係者が残っている。また、Q教団も健在。
・”殺人鬼フジコの衝動”は早紀子が書いた小説。美也子が指摘した以外にも”事実”と違う点が存在する可能性がある。
・”ハヤシダ”の正体。作品で追求されている人物でほぼ決まりだろうが、確定はされていない。
・吉永サツキがフジコにこだわった理由。一番の根本部分。特に明示されてなかったかと。
このあたりを上手く繋げれば続編が出来そう!
(特にQ教団絡みで。)
ああっ、作中、名前が出たプランナーの深田は”クロク、ヌレ!”に登場していましたね。まぁ、これは関係ないか。(笑)
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読み始めた時から現今の尼崎事件を連想した。状況はかなり似通っているのではないか。連続大量殺人。作者はこういう事件が現実化することを見通していたのか?倫理観が欠落した人格が本当に居たなんて恐ろしいことだ。本を読み進めるに連れて、不気味さが増して行くとともに、結末を推理する面白さも兼ね備えている。
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殺人鬼フジコの続編なんだけど、単体でも普通に読める
前作読んでたほうが、より内容理解できるねって感じの別のお話
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相関関係が凄まじい‼殺人鬼フジコの周囲も殺人鬼だらけ…そして最後は衝撃の事実 『殺人鬼フジコの衝動』を覚えてるうちに読まなきゃ意味ないかも
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イヤミスというワードを認知させた真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」。
この真梨幸子問答無用の代表作から特別版の「私は、フジコ」をブリッジにして
繋がっている続編が、この「インタビュー・イン・セル」。
ちなみに文庫書き下ろし作品。
正直、ちょっと唸った。
大元であるフジコからの連携はもちろん完璧なのだけど、他作品の「クロク、ヌレ!」
とも全く無理なくリンクを作っているのが凄い。「私は、フジコ」の時に「更年期少女」
ともリンクしているから、結果5作品にクロスリンク。この作り方はかなりステキである。
そしてこの作品、伏線の拾い方が本当に絶妙。
相変わらず背筋が凍るような世界観の中にいるにもかかわらず、結局完全に予想の上を
行くラスト。ミステリーとしての完成度もかなり高い。脱帽です!
しかし、この作品を単品で読むのはちょっと厳しいかも。
最低でもフジコの限定版(衝動+私は)、出来れば更年期少女とクロク、ヌレ!も読んで
からコレを読むのがベスト。いや、もう絶対そうすべきだ、うん。
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北九州のあれをネタに!?と思っていたら、物語中にも言及ありで嫌~な気持ちに。あの物語のココとこれがココでつながるのね!!と一気読み。
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最初から不穏な空気で、どこかしらに何かの救いを求めて読み進めるけど、どんどん深い闇へ堕ちていくような。
徹底的だな!と思ってしまった次第。
誰一人、謄本取る人すらも間に合わないんだもんなぁ…。
まさしくイヤミス。
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続けきものは、あとに行けばいく程味気ないものになる。読者が味をしめ、期待する目でみるからだ。それを考えると、衝撃的なフジコからの期待値は必然的に高くなる。今作品はそれには答えてるのでは…。最後にサツキが全てを終わらしたのは少し残念なラストだが、前作品からの人間相関がみえたのはよかったと思う。
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傑作!殺人鬼フジコは正直それなりだったけど、この続編は最高。インタビュー形式なのも、語り手が途中急に代わるのも、混乱したけどゾクゾクした。一気読み。
クレイジーだけど、全てに納得がいく。
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「殺人鬼フジコの衝動」の方が衝撃が大きかったが、こちらはその謎解き的な感じで、そうだったんだぁ〜って感じ。
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やばい!
今回の話は面白過ぎます!
殺人鬼フジコの衝動の続編かと思いきや、真梨幸子作品とのいろんな関連があって、真梨幸子作品好きならいろいろ読んでから読むと楽しめます!
そしてみっちゃんの正体には驚きました。
下田の初恋の娘だからお気に入りだったのだろうかといろいろ考えましたが、考えるのも楽しめます!
さらに続編があってもいいくらい!
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『殺人鬼フジコの衝動』の続編。登場人物がフジコの事件について調べる、という形で前作の概要が紹介されるので、前作を読んでいなくてもわからないことはないですが、しかし前作を読んでおいた方が絶対に良いと思います。「あ、前作のあれはそういうことだったのか」という記述がありますから。ブリッジ短編「私は、フジコ」はまぁ、どちらでも良いかな。
さて内容は静岡県で起きた監禁殺人事件ですが、そこにフジコの関係者と「私は、フジコ」の登場人物が関係してきます。何とか主犯の犯罪を暴こうとする放送作家や編集者たちが、関係者にインタビューしたり資料を読み込んだりしていくという展開で、その内容が本書の主な内容となっています。
読み始めると止まらないのに読んでいても不快感しかなく、誰にも勧める気になれないイヤミスの傑作(褒めてます)。
前作はページをめくるたびに「じわじわくるイヤーな感じ」を味わっていましたが、今回は「恐怖」が強い。陰湿なイジメや自分の境遇への恨みつらみではなく、壮絶な暴力に対する恐怖感です。
(ここから先ネタバレ。最後に明かされる点まで言及します!)
今回は、藤子の従弟の健太が事件の中心になります。この人物は、前作では殆ど名前しか出てこなかったように記憶しています。だから「背景」程度にしか認識していなかったし、実を言うと要らんキャラではないのかとさえ思っていました。しかし前作での扱いはむしろ、本文を書いた上原早季子が意図的に省略した、と解釈するべきでしょう。早季子も健太の毒牙にかかっていたのかもしれません(いや教団の広告塔だから手は出せなかったかも?)。
記述に不自然な箇所や矛盾があるのは、手記の作者が意図的にそうしたから、というのはミステリとしては賛否のあるところかもしれませんが、この程度ならアガサ・クリスティにもあるくらいだし、いいかな。批判される点があるとすれば、それより教団が万能薬的に使われていることの方ではないかと思いました。
帯の「『彼女』はあなたを三度欺く」というのは、おそらく
1. 里佳子の交換日記の相手
2. 母親から「あんたも死ぬ? どうせ母親と同じ、ろくな人生じゃない」と言われたのが藤子だったこと(前作では、藤子とも早季子とも取れる場面)、そしてその「母親」が誰かということ
3. 高峰美也子(=みっちゃん)が生きていたこと
この3点かな、と思います。「彼女」が作者だとしたら、ですが。(ということは、その他の記述は額面どおりに受け取っていいの?)
個人的には「みっちゃん」の正体より、2の方が衝撃でした。藤子が養女だったというのは、途中でヒントらしきものがありましたが、実母は茂子だったのですね。「あんたもどうせ母親と同じように、ろくでもない男に孕まされて……」というのは、藤子が自分の人生を呪い、その恨みを早季子にぶつけているのかと思ったら、これは慶子の妹に対する悪罵だったわけです。これは恐ろしい。
これで前作から引き継いできた「フジコ」事件の真相はほぼ明らかになったと思いますが(小坂さんが事実を語���ていれば)、まだわからない点がいくつかありますね。まさかまだ続編があるのでしょうか。もう勘弁してほしいような気もします。
・ハヤシダの正体は失踪したあの人で決まりなのか
・記者殺害事件の真相
・里佳子が真夜中に聞いた「断末魔の声」は本当に健太だったのか
・月刊グローブ編集長は何か知っていたのか
それにしても、出張でお泊りなのに携帯電話の電池が切れたまま放置したり、社に連絡しないで寝ちゃったりしてはいけませんね。3日目のインタビューがキャンセルされたことをちゃんと聞いてさえいれば、里佳子さんはあんなことにならなかったわけですから。
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前作からの一気読みをおすすめ
すべてつながってるようで
すっきりしたような
それでもわかんないような