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過去の事件が現在の事件にまで波及。
ただ、それが繋がるとわかるのが徐々になので、最初のほうは過去の描写が入ることで話が途切れる気がして読みにくかったです。
どこでどう繋がるのかを調べるのが精一杯という感じで、今回はキンケイドたちが後手に回って次々犠牲者が出ます。
犯人が誰かということよりも、どう繋がるか、が気になって最後のほうは一気に読みました。
そして最後でようやく読者が望む方向になったと思います。
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オークションに出品されたブローチはジェマの友人・エリカの父の形見で行方不明のものだった。
ジェマは個人的に捜査を進めるが、やがてオークション関係者が謎の死を遂げていき…。
安定の警視シリーズも、早12作目。
毎回新作が出るのを首を長~くして待っている。
すでにタイトルに偽りありで、時を経て視点が何時の間にやらジェマに移っている。
これは作者が女性であるという点も大きく関係しているのだろうなぁ。何時の間にやら3Fと言って憚らないような状態。
いや、きっちり社会派視点で作られた物語は読んでいて充足感があって大変よろしいのですが。
悲惨な真相にあいたたたな思いをしながらも読後感がそれ程悪くなかったのは、キンケイドとジェマの家族としての形がしっかりしてきたことに尽きる。
作中、ジェマがキットを抱きしめるシーンには胸熱。
最後で大きな決断をしたジェマに、続きが楽しみで仕方がない。
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やっぱりこのシリーズはバランスがいい。過去の事件やできごと、現在の事件がうまくからみあって謎がとけていく、っていういつものパターンなんだけど。今回は、第二次世界大戦中、ドイツからイギリスにのがれたユダヤ人にまつわる謎で、そういうふうにいつも歴史的な面も見えてくるところもいい。
謎解きとは直接関係ない、主人公ジェマとキンケイドの話もほどよく気をもたせる感じで。今回は、ジェマと父母、きょうだいとの確執なんかも描かれていて。ラストにも感慨深いものが。しみじみうれしい。
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キンケイドとジェマのシリーズ最新作。安定して面白い。事件は後味の良くないものなのに、エリカの人柄のすがすがしさとキットとトビーのエピソードなどに救われる格好で読後感は爽やかでした。今回は完全にジェマの話でキンケイドは名脇役に甘んじている。次回作ではもう少しキンケイド視点の思索も読みたいものです。
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本作で12作目。
年に1冊として12年。いや、もっと昔から読んでたような。。。
ダンカンとジェマの関係もずいぶんと変わったが、お互いを思いやる気持ちは変わらず、キットは大人になり、相手の気持ちを慮る事も。更にはトビーも一人前の男の子に育っている。
事件は第二次世界大戦まで遡り、現代とリンクしている。
流れの中から予測はつくのだが、本質は謎のまま。
色々と思いを巡らせて読み進めることが出来ました。
いいね!って作品。
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このシリーズ、初めて読みました。後半からは一気読みです。おぞましい過去の出来事と今の事件とを本当に上手く繋いでいます。ジェマの両親、老ユダヤ人女性、人間の優しさを感じます。巻頭の引用も実に上手く選び出されています。シリーズの他の作品も全部読みたくなりました。ミ(`w´彡)
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警視シリーズ12作目。
毎回楽しみなレベルの高さです。
どの作品から読み始めても大丈夫ですよ。
警視ダンカン・キンケイドと、ジェマ・ジェイムズはもともと上司と部下の名コンビ。
恋人になった当初は、周囲には二人の仲を隠していました。
ジェマが警部補に昇進してノティング・ヒル署に移動し、今は二人の子連れで同居していますが、いまだに結婚の決意はつかない。
ジェマは友人に頼まれて、オークションに出たブローチの調査を始めます。
年上の友人エリカはユダヤ人で、ブローチは父の形見で行方知れずになっていた品でした。
アンティークのオークションの世界の事情も出てきて、興味深いです。
ところが、ブローチに関係した人たちに、次々に死者が‥?!
ダンカンは、事件の担当になるよう申し出ます。
ジェマは担当ではないのですが、私的に捜査に参画。エリカが話さなかったことにも気づくことに。
エリカが夫婦でイギリスに渡ってきた1940年代の出来事が、長く暗い影を落とします。
この部分が重厚で、魅力を増しています。もうこれぐらいお手の物という書きっぷり。
第二次大戦中の出来事を絡めた内容は、サラ・パレツキーの「ビター・メモリー」やS.J.ローザンの「シャンハイ・ムーン」に相当する感じでしょうか。
ジェマの母親が倒れて入院したため、ジェマは仕事の大部分を部下のメロディ・タルボット巡査に任せ、自由に出入りする許可を得ます。
このメロディと張り合うような~ダンカンの部下ダグ・カリン巡査部長との関係も今後、面白そう。
頑固な父とジェマはもともと上手くいかないところがあり、互いに心配でぴりぴりしているためにさらに気まずくなってしまう。
しかしこれは、家族のことをもう一度考え直す機会ともなります。
優秀な長女を自慢に思いながら、どこか脅威にも感じてつっかかっていたという、父の本当の気持ちをジェマは病床の母に教えられて‥?
人の話を聞き出すのが上手い親切なジェマは、ダンカンの息子キットとの関係に悩みますが、キットにとっても既に良い母親。
キットがジェマの父の店を一生懸命手伝うシーンも。なんていい子なのー!
複雑に絡み合う多くのことがあった後だけに、いよいよ心を決めるジェマ。
ほのぼのと心温まる~未来の見える結末でした。
2009年のマカヴィティ賞最優秀作品賞を受賞。
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オークションのカタログにのっていたのは、エリカの父が作ったダイヤモンドのブローチだった。
ジェマの母が倒れたり、殺人事件があったりで、ブローチの件に集中できない状態にフラストレーションを感じつつ、結局は全ての因果がつながっていくのでる。
つか、最初に、ジェマがエリカにブローチがどこで無くなったのかってことを、詳細に聞いておけば速攻解決だったんじゃないの?
って思うけど、それじゃあ小説にはならないんだろう。
ってことで、今回はいわばもどかしさを楽しむ作品かも。
事件のほかに、ホームパーティのシーンもあって、ありとあわゆるもどかしさがある感じ。
が、それが功を奏して…。
なんだと思うんだけどね。
最後に、安心いたしました。うん。
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キンケイド警視シリーズも今作で12作目。ジェマの親友が、過去にまつわる事件に巻き込まれ、ジェマ自身も家族の問題で悩みを抱えることになり・・・。とにかく、今作もジェマがいかに、現在のつらい状況を乗り越えて、事件を解決していくか、にハラハラしつつ、見守ってしまったお話でした。女性作家さんならではの視点で描かれる、ジェマの人物像が、本当に共感できます。大好きなピアノを弾いて、ささやかな幸せを感じる時間の描写とか、ちょっとしたディティールも実に細やかで。作中に懐かしい名前も出てきたので、また、これまでの作品も読み返したいなあ。
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家族、両親との精神的つながりは、どちらが優るともなく英国人と日本人とでは微妙に異なってい そうだ。タイトルと内容がしっくり噛み合わないのは不満に思う。
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警視キンケイド・シリーズの第十二作。
捜査を通じて知り合ったジェマの友人、エリカを巡るお話。
エリカの父が作った、そしてエリカが失ったダイヤモンドのブローチが、
オークションハウスのパンフレットにのっていた。
そこから、ブローチの出品に関わる現在と過去の人々の
人生の歯車が回りだす。
エリカの過去が、
ドイツからの脱出、
夫との冷たい結婚生活、さらにその殺人事件と続く悲惨な出来事の中で、
捜査担当刑事との出会いと別れが、
最も悲しくつらいものだった。
キンケイドの部下の恋愛模様がうまくいかないのが、
ちょっとかわいそう。
なんとかしてあげて。
黒猫シドは、猫であることを忘れたように、
ジェマのコッパー・スパニエルと仲良くやっていて、
良かった。
ジェマの母親の白血病が心配で、
キットの成長はたのもしいけど、
いよいよ次作はキンケイドたちの結婚式?