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オールカラーはやはり、読み終わった後、目がシパシパしてしまう
だから、基本的に2~3pのカラーページがあるだけのモノしか買わないのだが、これに関しては表紙から伝わってくる何かー今、こうして書きながら思うと、毒電波だったんだろうか?-に惹かれ、迷わずにレジへ
画そのものは雑ではないが、丁寧では決してない。しかし、画力の拙さなど微塵しか感じさせないほどに内容が青春ど真ん中
適切に表現できているか、自信はないのだが、レギュラー陣が時々、揺れそうになっても、ヘシ折られても、逆境に足掻いて泥に塗れてでも自分の中から譲らない『信念』をしっかりと持てている点に、非常に好感を抱ける
最終的にあんな結果になってしまったとは言え、権堂先生は自分のそれを貫き、自分の意思で見切りをちゃんと付けた上で、何だかんだで可愛がっていた生徒に自分の想いを託した
そんな彼は、私には非常に格好良く見えた
また、206pのシーンはどっかで見たような雰囲気にしても、月見の『感謝』、『敬意』、『惜別』の念が伝わってきた
上巻で、娘の「本気』を悟り、実現の可能性が現時点では明らかに低い夢を何だかんだで黙認するようにしたヒノデ父
下巻の87pでキツい言葉を言っている。しかし、私にはこう聞こえた
「今の描き方が自分に向いてないものならば、自分に向いている画法を見つけなさい」と
勘違いだ、と言われるかも知れないが、私はこの辛辣な台詞に、不器用に娘を愛する父のエールを感じ取れたような気がした
下巻の四コマ漫画の三本目は、それが如実に現れているw
また、正ヒロイン(?)である電波は『哀』以外の感情が表情に出ていないが、逆にそこが彼女の絵に対する真摯な姿勢が見て取れ、「あぁ、本当に絵を描く事を心から楽しんでるんだな」と読み手にしみじみと感じさせる、確固としたパワーが無表情にある
それだけに、下巻のオマケ漫画が短いのは非常に残念・・・・・・
次回作はWEBでなく、是非、サンデースーパーの方に掲載していただきたいものである