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筋肉痛みたいに後から来ました。河原で魚が腐っていくような話。
自己否定と快楽との葛藤は生々しく、また、救いがある、克服したとは言い難い結末に悶々とします。
ジメジメした話が好きならオススメです。嫌いじゃない。
第三紀層の魚の方が万人受けしそうだと思いました。
男の子の複雑な意地っ張り可愛いです。
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素姓、環境の影響は免れ得ないことは是か非か?判断がつかなかったが(つまり主張がわからなかったが)、といってそこに虚無感を感じさせないのは得点であるとも思う。芥川賞受賞作品らしい。
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読んどいてやった。
冗談です。
文庫化したら是非読もう!と思っておりました。
なかなかの世界観。
個人的には表題作の『共喰い』より
二つ目の『第三紀層の魚』にグッと来ました。
更に瀬戸内寂聴さんとの対談も入っていて420+税にしてはかなりの満足感。
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高校生の俺、一つ年上の彼女、酒とsex,何を業としているか分からぬ父、継母でスナックで働く若い さん、実母で同じ町で魚屋を営む さん
父は誰これ構わずSEXをしたがり、暴力を振るう事に快感を覚える…
反目している俺だが、父に似ている事に気づかされる
かなりショッキングな内容だが、卑猥感はなく、文学として読めた。
想像以上に面白かった!
登場人物が、非日常的なのに不思議なリアリティがあった。
展開もナカナカ!
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この作品を読んだ後「赤目四十八滝」と「苦役列車」を思い出した。泥川の匂い、魚の生臭、女の汗…、映像以上に強いイメージを掻き立てられる文章に煽られ、一気に読了。映画での母親役が読んでる最中にイメージしていた田中裕子さんと知り、映画も益々観たくなった。本を読む楽しみをあらためて味わえる作品だと感じた。
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表題作は特に感想はありませんが対談が面白かったです。個性的な作家という印象でしたが、田中先生がごくごく普通の人なんだと分かりました。
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DV男を父に持ち本人も暴力に惹かれ気味な男子高校生の話、て粗筋見ただけなら絶対読まなかったけど、読書会用に買ってきた。
面白くも感動したりも共感したりもないけど!良かった!
淀んだ川の臭いがして、主人公の抑えきれない衝動が自分にも湧き上がる気がする、久々の感覚が味わえました。
同時収録の「第三紀層の魚」も良かった。好き嫌いならこっちの方が好き。
マゴチ釣って泣いちゃうところと葬式の日の丸のところが特に好き。
さらに同時収録の瀬戸内寂聴との対談は何かかわいかったです。
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著者の「もらっといてやる」発言で話題になった芥川賞受賞作が文庫になったので、早速買ってみた。一日で読み終えてしまった。
高校生の遠馬は父親と父親の愛人と三人で暮らしている。父親はセックスの時に相手の女性を殴る性癖がある。遠馬は父親と同じ衝動に駆られながらも、必死にそれを抑えている。しかし、次第にそれは抑えられなくなってくる。そして、大雨の祭の夜、あまりにもおぞましい事件が起こる‥。
前に読んだ中上健次の『岬』によく似ている話だった。どちらも「親と似てしまう恐怖」というのが物語の中核にある。
暗い話だったけど、僕はけっこう好きだった。なによりも遠馬の父親のキャラクターが凄い。身近にいたら絶対にいやだけど。息子の彼女にあんなことする人なんて。
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文庫になったから読んでみました。あっという間に読めたけど、共食いは、う・・・・・ん・・・・という読後感でした。
男って不思議???
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芥川賞受賞作品となった本作が文庫化されたので読んでみました。
本作は以下の3つが収録されています。
・共喰い
・第三紀層の魚
・瀬戸内寂聴さんとの対談
共喰いが特出しているのは確かですが、
何れも面白い話でした。
共喰いに出てくる非人道的な感じが
いかにも文学という感じでした。
終始衝撃を受けます。
終わり方も読めますが、衝撃的な結末です。
現実にあれば、100%逮捕されます。
瀬戸内寂聴さんとの対談は、
筆者の正直な感情がたくさん出ていて面白いです。
源氏物語を読んでみたくなります。
共喰い自体で評価すると、
若干後味の悪い話だったので星は4つで。
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芥川賞をとった作品だから、というよりも
芥川賞の受賞会見での作者のふるまい、下関出身(今も在住だろうか)ということと、その生い立ちが気になって、読んだ。
つまり、作者の人となりに惹かれて読んでみた。
昭和63年の、山口県下関を舞台に、
暴力と性、父と息子の血と血のしがらみを描いた短編、共喰い。
主人公は、女を殴る父親に嫌悪を抱きながら、同時に、自身に流れる血に、父親と同じ獣性を見いだしていく。
作品の全体を通して感じるのは、におい、だ。
かおり、ではなく、におい。
匂い、臭い、におい。
よどんだ川と魚、血と潮風の、におい。
舞台設定、からも、主人公たちの営みの中にある生々しさからも、
そんな共通した「におい」を感じる。
暴力や性というテーマは、古典的というか。
使い古されたテーマ(というと使い古されてないテーマなんてないかもしれないが)できたんだな、と読みながら思った。
「共喰い」というインパクトのあるタイトルから想像していたよりも、
ずっと淡々とした、抑制のきいた、ただその営みを、描くために描いたような、ある意味、素朴な短編だったように思う。
その淡々とした描き方が、
ストーリーやテーマ自体がもつぬっちゃりとした陰鬱さを、辛うじて渇いたものにしていると思う。
例えるなら、陽と潮風をうけて、パサパサに渇いて張り付いている、ワカメみたいな(?)。そんな乾いた生臭さを感じる短編だった。
個人的には、もう一つの「第三紀層の魚」のほうが、好みだった。
どっちにしても、なんてことない営みを、淡々と描いている。
特別キャッチーなドラマ性もなければ、おしつけがましいメッセージ性もない。
退屈、気が滅入る、と感じる人もいるだろうと思う。
まあ、嫌いじゃないです、という人はいても、
大絶賛されることは稀なのかなあ、と。
村上春樹の本が、甘ったるいクリームたっぷりのケーキで、
東野圭吾の本が、白飯だとしたら、
彼の本は、焼き魚の皮、みたいな。
独断と偏見にみちた抽象的な感想だけれども。
感覚的には、そんな感じだ。
作者に対しては、とても親しみを感じる。
良い印象をもっている。
私自身、下関に数年住んだ。
独特の気持ちを、あの町にもっている。
ので、これは純粋に作品自体への評価というよりも、
この作品を生み出した作者と、作者のバックグラウンドを含めての、好意なのだと思う。
「共食い」「第三紀層の魚」ともに、作者の出身地である下関を舞台に描かれている。
田中氏は、下関という町についてきかれたときに、
ズバリ一言で「非常に渇いた町です」と答えた。
とても的を得ているように、私には感じられる。
応援したい。
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あの受賞会見から、想像していた話と全く違ってた。
純文学?!最近は読みやすい話ばかり読んでいたから、妙な感じ。
会話がテンポよく進んでいくところは読んでいて気持ち良かった。
主人公が、父親と二人の母親と幼なじみとの間で揺れる、思春期の心のうちが生々しい。
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芥川賞受賞作品。
記者会見からどんな変化球で攻め行く小説なのかと思いきや、予想外のストレートど真ん中に来て吃驚。悪癖を持つ父親の血を受継ぐ自分に怯えつつ、その目覚めを自覚する主人公。荒々しく暴力的で、生々しい。個人的には、2話目のほうが好き。さらには、その後の寂聴さんとの対談が面白い。
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個人的には合わない文体でした。
くどいと言うか。
純文学と評してる方が多い様です。
性交の描写が生々しいと聞いていましたが、個人的にはそこまで生々しさは感じませんでした。
読んでいてとてももやもやしたのは、雨の降らない蒸し暑いあの場所と、主人公の鬱々とした感情を上手に表現されていたからでしょうか。
くどいと感じたのは、そういった理由かもしれませんね。けどくどい。
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衝撃を受けた「あの」芥川賞の受賞会見。
文庫化したから購入してみた。
あらすじを全く知らずに読んだから、「こういう作品だったんだ!」と改めて衝撃を受けた。
田中さんって、何処か達観したような印象を受けるんだけど、巻末の対談を読んで納得。
収録されている二作品はその感じが投影されてるように思う。
どちらの作品も主人公自身が客観的に自分を見つめ、突き放したようなそんな感じを受ける。
決してハッピーエンドじゃないんだけど、一筋の光みたいのが見える気がした。
他の作品も読んでみたいな~