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2012年13冊目。
ユーラシア・アフリカを2年間旅した日本人女性の記録。
見聞きし、体験した数々の物語への視点は、ウェットというよりはドライ。
素直、率直に心情が綴られている。
そんな著者だからこそ、「思いやり」「助け合い」などのあたたかい描写が現れると、心に響く。
一つの国につき短編一つ、くらいのペースで書かれているのが読みやすい。
その一つひとつの物語には、異国を旅するスリルや、おもてなしを受けるあたたかさがあふれている。
旅欲のあるときに読むと、ダメ押しされる本・・・
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ノンフィクションはあまり読まなかったけど、前から気になってたので。
一文を短くしてあって読みやすい。ちょっと気取った感じもあるけど気持ちの良い文章だったな。
内容は関連知識を学生時代に学んでいたこともあって楽しく読めた。といっても結局机上だけでやってたので、こういう体験もしたかったなぁ。といったところで結局耳学問であることに変わりはなく。むぅん。
アフリカは資本主義というシステムに平等に組み込まれるには発展が遅すぎたのかなぁ。理想的な形で発展するための陣痛と捉えるか、むしろ発展に価値をおく考え方そのものに合わないと捉えるか。
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時間をかけてゆっくりゆっくり、旅をするように読みました。
本の醍醐味である疑似体験と学びがたくさんできます!
著者の足元にも及びませんが、視野が少し広くなったように思います。
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ノンフィクション作品は好きで良く読むが、その中でも旅行記や紀行文のような、自分の知らない土地を旅する話しには、特に心惹かれるものがある。本書は日本を出発し、中国、東南アジア、中央アジア、中東、アフリカを経てポルトガルへの、約2年間の旅の様子が書かれている。
この手のジャンルの本を読むと、必ずと言っていいほど途上国の貧困や失業に関する記述がある。物資の豊富な日本に住む我々からは、想像もつかないような生活を送っていて、同じ地球という星に住んでいながら、全くの別世界の出来事のように感じてしまう。
しかしながら、日本のように沢山の物や情報に囲まれた生活が、本当に豊かなのだろうかとも考えさせられる。途上国と呼ばれる国には物資も仕事も少ないかわりに、ゆっくりと流れる時間や助け合いの精神など、日本では希少となってしまった豊かさが残っているのだ。
資源を奪い合いながら画一化された価値観の中で競う先進国、追随しながらも独自の文化や国民性を保つ途上国、どっちが幸せなのかなんて簡単に答えは出せない。しかし彼らから見ると僕ら日本人もまた別世界の人間なのだろうと思う。
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中村安希垂直読み。テーマをもって書く、その前にはこれほど!って大量に体験することがたいせつなんだな、の47か国旅行記。短い各国のエピソードで切り取られる風景はさすがの視点。
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表紙と題名に惹かれて買ってしまいました。
本書は第七回開高建ノンフィクション受賞作です。題名と表紙の清々しさが気に入り出張先で購入しました。
26才の女性が単身でアジアからアフリカを約二年間に亘り放浪した記録ですが廻った国々の殆どは貧困国や紛争地域で恐らく殆どの同年代の女性が楽しむ海外旅行とは対極な旅行?を少ない予算の中で未知の地域を進む著者と出逢った人々の生活や思想は昨今の表層しか語れないメディアで知らされている彼らの姿とはあまりにもかけ離れた素のままの日常が描かれて居ます。
現地で生活している人の目線で著者が語り感じる様は臨場感溢れ困難な放浪旅行?を実行した勇気と行動力には感心と羨望の思いです。
著者のクールで知的な思考と行動で困難な二年間の記録には物と欲望が溢れている日常生活では絶対に得られない経験がふんだんに綴られて居り素晴らしい作品ではありますが何となく先進国の時間とお金を持った人間の上から目線的な思考も目に付いたのは残念だった。
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人と自然が近くに在るところを一人旅する。その土地の人と話し、その土地を旅する人と話し、交渉し次の旅をする。人の語ったこと、自然の語ったこと。作者に聞こえてきたことを沢山話してくれる。
先進国は偉くない。便利さを求めて走っている私たちは幸せか?のんびり歩いているアフリカの人たちは不幸せか?
旅する人たちに、心を開いていただろうか私は……
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読む前は単なる旅行エッセイだと思っていたのだけれども、内容は様々な国の人々との関わりを通して「貧困」「先進国」「差別」「植民地」等のトピックを包括する、思ったよりも考えさせられる作品。
バックパックの旅行は人生で一度もしたことが無いのだけれども、この旅行記を通してみると、全てが決められて先が見える旅よりも、何が起こるかわからない「偶然」に身を任せて旅をするのも悪く無い気がする。
印象に残ったのは、作者がアフリカを旅をしている際に「貧困」という言葉が、現地の人々の生活/表情を実際にみてから「=」でうまく繫げられなくなったという点。先進国に住んでいる人間が勝手に貼ったレッテルは、実際に生きる人々の生活には見当たらなかった、そこには物を分け合い、助け合い生きる豊かさがあった、そういう点に気づいたこと。
「既成概念を設定し、そこから逆算しようとしていた。既に出ている結論に対し、正当性を与える為に根拠を無意識のうちに探していた」
作者がアフリカの貧困に対して、知らず知らずのうちに取っていた思考。でも、これは普段生きている自分たちの日常にも当てはまるなと思う。
「こうだ!」と勝手に思った事に対し、「だからだ!」というような理由探しを無意識のうちに、確実にやっている。こういった、既成概念の正当化は、見直せばきっと前向きに生きるヒントに繋がる気がする。。。
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日本を出る前にこれを読んでおいてよかった。日本の中にいては決して見えない世界の厳しさと優しさにこれを読んむことで少しは触れた気がする。僕らのレンズの曇りを拭い去るのは太陽と雨しかない。
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最初は行程が飛びすぎで大味な印象を受けたが、途中からぐいぐいと引き込まれた。それはひとえにアフリカの記述によるものだろう。非常に興味がある大陸なのだが、色んな意味での現実を見せてもらえた。行動力に恐れ入る、というわけではなかったが、それは淡々と書かれているからのみであり、ものすごいことをやってる。恥ずかしながらちょっと怖くなってしまった。
他、海外支援についての考察などは非常に勉強になった。色々疑問に思っていたが、事実は予想通りであったことが若干残念で、視点が変わった。
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〔善意とプライド〕の章が印象的だった。「ひとびとの小さな声に耳を傾けるー。」その言葉通り、訪れた土地での人とのかかわりが描かれる。旅行記としては沢木耕太郎の『深夜特急』ほどのドキドキ感はなかった。章ごとに途切れた印象があり、2年間の旅のつながりを感じにくかった。
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非常に静謐で野蛮、強くて脆い。
人間の本質が現れているなぁと。
女性一人でここまで突っ込んだ旅ができる、
それだけでもすごいのに、
彼女の観察力、冷静さ、描写力がすごいなぁと。
人って優しくて、怖いな。
とても心に残った本。
そして、
久々に購入してしまった本。。
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旅行記だが、スケールがでかい。本当にこんな旅行できるのか?と思うほど。またいろいろな国々での出会いやエピソードが面白いが、なんでこの筆者のまわりにこんなことが起きるんだろう、とうらやましくなる。きっと行動力が違うのだろう。視点もおもしろく、特に旅の終盤で述べている哲学的な部分は集大成のようでおもしろかった。
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これは何度でも読みたい。
旅行記的な読みものでおもしろいと思ったのは深夜特急以来。
とてもコンパクトに一冊にまとめられているのだけど、欲張りすぎてないのがいいのかも。
国際支援の実情とか、わかりやすく解説されている。
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いわゆる旅行エッセイと思って読み始めたが、もうちょっと詩的であり哲学的と思った。
えっ、ここで終わるの?!という感じでぷつっと文章が途切れる所が深いととるか、軽薄ととるかは読む人で分かれるところかな。