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雪国に住む陰を抱えた女子高生たちの息詰まるような閉塞感。
彼女たちが我慢して受け入れてきた運命はいつしか狂いはじめて・・・。
小説すばる新人賞受賞作品。
もう少し焦点を絞るともっとずしんとくる作品になった予感。
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仄暗いストーリー展開。雪の描写が印象的で、読みやすく丁寧な文章でした。引き込まれる内容だったけれど、個人的にはラストに少し物足りなさを感じました。次作に期待。
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新潟の長い冬の中の学校だったり、家庭での話。
よくある設定ちゃ設定なんですが、
冬の雪の情景描写が、雪の降らない所に住むわたしにもすごく伝わりました。
雪の圧倒的閉鎖感っていうのが高校生の狭い世界と家庭に閉じ込められているかんじがひしひしと感じた。
悲しくて、温度がすごく低い小説だけど、読ませる力をもった良い小説。
冬のあとには必ず春がくるという当たり前のことを、なんかすごくいいなあと思ってしまった。
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地方の、子供時代の閉塞感が書かれている作品。個人的には好きな話でした。中盤までは引き込まれて読めたが、ラストが飛躍していた。あまり読後感がいいものではないが、そんな本が読みたいときにお勧めです。
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女の子たちのやり取りがなんともリアル。 酒に溺れ小柚子も、叔父の介護のために生まれてきてしまったと思う弥子も、リスカをうまく使い親より優位に立つ苺実も、愛されず役立たずの京香も、みんなみんなリアル。 それでもみんな強がってぐらぐらしながら必死に生きてるあたりがずしんと来ました。 後味は決してよくない、でも読んだよかったと思えます。
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小柚子は弥子をとても大切に思っている。弥子もまた小柚子を守らなければと思っているのだが、苺実がグループに入ってきたことから小柚子に弥子への不信が生まれる。
それぞれが抱える家庭の事情や屈託と、苺実の、本人は何にも感じていない悪意が呼応して悲劇的な結末へと向かう。
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新潟の雪深い町を舞台にしたサスペンス・ミステリー。
ホラーテイストだけれどそこまで恐ろしさは感じない。
冒頭にはある停電の夜、火災により民家が全焼したというニュース記事が紹介される。
最初はその家に住む母子だと思われていたが、若い遺体は長女のものではないと判明、長女は別の場所で保護された。
本編はその事件から時間を遡ってはじまる。
全焼した民家に住む小柚子は、母子家庭で育ち、母との折り合いがあまりよくない。
母のボーイフレンドが苦手で、過去のトラウマから恋愛関係もうまく行っていない。
弥子は精神病質の母に支配され、家事やひきこもりの叔父の面倒を見させられている。
表紙からも冒頭の記事の遺体は弥子なのではないか、と想像する。
そして家庭に問題を抱えながらも、ごく普通の女子高生だったふたりが事件に巻き込まれたのかを想像しながら読み進めていく。
遠くに引っ越していった幼なじみがふたりの前に現れたことで平穏な学校生活は崩れていく。
テンポよく、先を読み進めたくなる構成なのだがその分重厚さが足りなくてさらっと終わってしまった。
崩壊の引き金を引く少女の精神状態と行動について唐突感があって、その違和感が消えなかった。
文章もきちんとしていてストーリーも無駄なく、ストレスなく読めるから軽く楽しく読むのはちょうどいいのでは。
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破綻があっても、生々しい少女の息づかいを感じられればいいと思い、あまり上手さは期待していませんでしたが、寧ろ、新人らしからぬ安定感のある作品でした。予定がとても調和していて、読み易かったです。帯の文句である「地方都市の、暗く病んだ人間関係」の「地方都市」はあまり関係なく、各家庭の問題でした。それより、雪、雪、雪。雪国の雪掻きは大変なのがよくわかりました。タイトル、装丁が魅力的でした。
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本当に櫛木理宇は気持ち悪い話を書くなぁ。(褒め言葉)いやぁ、怖い怖い。
ところで、寒そうな季節の話なのになんでこの表紙になったの?
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血と雪かと思ったけど
火と雪かな。
閉塞感、歪み。
でも寒さは感じなかったな。
十代の孤独とか歪みとも違うような。
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赤と白
櫛木理宇さん。
人それぞれ。
いろいろなことを抱えて生きている。
高校生。
抱えているものが、重すぎる。
学校では普通に過ごしているけれど、
家庭状況が重すぎる。
抱えて頑張って抱えて。
重すぎて壊れる。
悲しい。
けれど、生きていく。
生きて欲しい。
引き込まれて先へ先へと。読み続けました。
うん。
おもしろかった。
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重い。最後までひたすら重い。それなのに、ページをめくる手が止まらない。
表向き明るく振舞っているけれど、家庭に問題を抱える小柚子と弥子。仲がいいからこそ打ち明けられず、それ故にすれ違っていく2人。親友にとって自分が一番でなければ許せない、あの年頃特有の傲慢さ。あー、何か分かる気がすると、そこだけは共感できる。
とにかくどうしようもない親しか出てこない。病気の兄に臓器提供させるため、叔父の世話をさせるためにつくられた子供って何だ。
そして嫉妬と狂気に満ちた苺実。
ミステリーでもホラーでもないけど、地味に恐い話だった。
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雪深い田舎町に暮らす高校生の小柚子と弥子は、幼い頃からの親友だったが、互いに好きだからこそ言えない秘密を抱えていた。
2人にとってかつて親友だった一家が再び町へ帰ってきたことで、次第に2人の関係は変化していく。
田舎町と思春期、どちらにも存在するある種の呪いのようなものが執拗に丁寧に描かれていて、ヒューマンホラーとして背筋がゾッとした。
どうして思春期って「何もかも壊れてしまえ」「みんな死ね」って衝動を持ちやすいんだろう。人間の心って不思議。
健全な青少年、が逆に嘘っぽく感じるのはわたしがねじ曲がった人間だからなのかしら……。
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読みやすくてサラサラっと読めた。
読後感が良くないってあったけど、読んでる途中の方が気持ちが沈んだ。
女子高生の友だち間のすれ違いってアルアルだけど、弥子も小柚月も毒母に追い詰められて、いつ止むのかわからない大雪に追い詰められて、2人の感じが息苦しさがたまらない。
新潟の雪はたまらない。冬は殆ど太陽が見えないし、積もった雪に大変な思いをさせられるのに溶けてしまえば、あの苦労はなんだったんだろう?と虚しくもなる。
京香がもっと絡むのかと思ってラストまできたけど、逆にあっさりとした絡みで、そんなハズレもまた楽しかった。
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各々が抱える事情。
親しいからこそ知られたくない事はあるだろうが、隠し続けることが出来ないなら話すべきなのかもな。
明らかに間違った言動なのに、すぐに注意出来なかった結果なのかもしれないな。