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40代のオタクである著者の奥さんは、20代の中国人。
奥さんがある日、「日本語学校に通う」と言い出した。高い授業料を払うことに悩む著者だったが、授業料を「取材費」ということにして、奥さんの日本語学校での日々をネタに一冊描いてしまおう、という結論に落ち着き、奥さんは日本語学校に通うことに――。
日本語学校の個性的な生徒と教師の日常と、日本人もきっと知らない、日本語の面白さと難しさを描いた、書き下ろしエッセーコミック。
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『日本人の知らない日本語』を読んだときも思ったけど、日本人って日本語の大部分を理解していないまま、日本語を使っているんだなあ。知らなくても困らないけど、訊かれると答えられないことばっかり。
で、本編でも詳細に解説されているのですが、日本語の最も端的な特徴が、「正解」があってないようなもの、だということ。良く言えば「変化」や「曖昧さ」に寛容的、悪く言えば「いいかげん」とでもいいますか、時代ごとに使い方が全く異なっている言葉が多い。これ、程度の差こそあれ、日本国民の平均的な気質も関係あるのかな。
東日本大震災後のエピソードも収録されています。とても哀しい展開になっています。
今、国家間の軋轢と、旅行者と観光地との軋轢が大きくクローズアップされていますが、こういう人たちがいることも、もっとクローズアップされてほしいですね。同じアジア系でも文化は異なるんだから、互いが互いの文化や価値観を理解して認め合えば、少なくとも個々人間での軋轢は減っていくんじゃないか――、と考えるのは、私が常に【和】を意識する「日本人」だからでしょうか。
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日本語学校にはいろんな学習者がいるんですね。マンガでざっと読めて、1000円だけど800円ぐらいの価値はあるかな~。
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「中国嫁日記」で有名な井上純弌先生のコミックエッセイです。
今作では井上氏の奥様の月さんが日本語学校に通学されていた時の話題を中心に構成されています。
日本語学校についてのコミックエッセイでは、『日本人の知らない日本語』シリーズが有名ですが、本作では生徒の立場から見た日本語学校や、生徒同士のつながりについて、日本語学校にかよう生徒たちの生活についてなど、日本に暮らす外国人という視点が存在することが独特な点だと思います。また、月さんが通った日本語学校は大学・専門学校への留学に力を入れて要る学校であるため、特にアジア系の生徒たちの日本生活を特別に掘り下げていく内容になっています。ただし実際の著者は日本人である井上氏ですので、「日本人が面白いと思う外国人の日本での暮らし」という視点ではありますが。
特に「ニコニコさん」という中国人の登場人物は留学のために日本に来た富裕層ではない中国人で、彼の生活ぶりからは他の日本に長期滞在しているお金持ちの外国人のエピソードからはうかがえない、とても楽とはいえない滞在生活の一面も見えてとても興味深かったです。
また本書の後半では東日本大震災について、在日外国人の方々がどのような対応をしたのかが書かれています。そこでは地震や放射能を恐れて一刻も早く日本を出国しようとする人、親類からの要請で帰国せざるを得ない人、日本に留まる人、そこには様々な決断があったのだということが本書を読んでわかります。あの時を境に日本語学校の友達というつながりがあっという間に断ち切られてしまいましたが、今でも月さんと交流のある同級生がいるということに少し救われる気がします。そして再来日を願っている彼が再びこの国に降り立つことができることを切に祈りたいと思います。
外国人の目を通して見た日本語の素朴な疑問という点では『日本人の知らない日本語』シリーズに比べると個々の話題について掘り下げ不足という点で、少し残念でした。もう少しテーマを絞ってでもある程度構成されたものであったら良かったです。
ということで在日外国人の日本生活について、とても面白くのぞくことができる一冊だと思います。
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ある日40歳オタク男のもとにある日やってきた20代の中国のお嫁さん、「月(ゆえ)」。彼女が『日本語学校に通いたい』と願い出たときから物語は始まった。彼女達と日本語にまつわるお話が秀逸でありました。
本書は書き下ろしなんだそうです。『中国嫁日記』のヒロインである月(ゆえ)さんは
「日本語学校に通いたい」
といったところから物語りはスタートします。
授業料の高さに躊躇するも『取材費』と割り切ってゴーサインを出す筆者こと『ジンサン』しかし、そこに集う留学生は中国や韓国からやってくる人が大半で、彼ら彼女らはその全員が主人公ではないかと錯覚するような大変個性の強い人々ばかりで、とても面白く読めました。合間合間にはさまれている日本語に関する知識にも『なるほど。そういうことだったのか!』と何度も驚かされることがあり、普段何気なく使っている言葉にもこういった成り立ちや意味があるのかと思ってしまいました。
さらに、ATOK開発にもかかわった筑波大学教授(日本語学)矢澤真人氏の執筆するコラムや、彼とジンサン&月が対談する回も見ごたえのあるものでした。そして、日本で使われている漢字と中国で使われている漢字の『意味』の違い。これに戸惑う月さんの『魂』の叫びは大学受験で漢文をやっていた僕の叫びにも通じるものがあって、そんなことを思い返しておりました。
そして東に本題震災を経て、彼らとの別れ…。せつないラストで余韻を残しつつ、本書は幕を閉じるのですが、一つの日中比較文化の書として、また、国際交流の書としても読め、多様な解釈のできるマンガであると思います。
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気楽に読めて面白いです。
やはり異文化に身を置くのって大変だと思います。
「ダーリンは外国人」とかと同じ様な感じです。
日本人でも良く分からない、曖昧にしてしまっている日本語に対する理解も少しだけ得られます。
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読んでる途中で「引越」があり、
一時期行方不明になっていたので
読了にえらく時間がかかった(^ ^;
日本語学習中で好奇心旺盛な月さんと、
ごくごく一般的な日本語ネイティブのジンサン、
マニアックで話に歯止めがかからない「先生」と
とてもバランスが良く、楽しく読める。
レベルとしては「入門書」程度かな。
言葉「マニア」には物足りない印象か(^ ^;
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面白かった。類書はたくさん読んだが、なかでも本書では生の日本語学習者の毎日が描かれているように思えた。
また話の構成も素晴らしい。後半近くでは何度か目頭が熱くなった。
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「ワタシもう日本語学校イイデス」
今流行りのエッセイ漫画でしょ?とか
いやいや、とんでもない。
日本に住む外国人にとって、
「あの地震」とはなんだったのか。
この漫画は、東日本大震災についてのマイノリティの記憶の物語でもある。
あとは、月さんが可愛すぎる。
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月ちゃんかわいい~。
それと、以前、中国人のネイティヴに中国語を習っていたときの、先生の口調を思い出して、何か懐かしかった。
「すごいいい」は40~60代の世代語だという話があった。
「すごく」の誤用だと思っていたのだが、世代の問題だとは・・・。
私は「すごくいい」「すごいいい」「めっちゃいい」どれも使うけどなあ。
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40代の日本人オタクと20代の中国人女性が織りなすドラマ。中国嫁が日本語学校に通うことを決意したところから話が始まる。著者は、3か月で10万円かかるので辞めさせようとしたが、中国人女性は頑固でしかも東北人(ドンベイレン)は頑固の中の頑固ということで、一度決めたらぶれない性格。著者は、学校に通えば友達もできるし、取材の費用として出すことにした。
通っている学校には、個性豊かな学生がいる。中国と韓国からの留学生がこの本に登場してくる。「日本人の知らない日本語」シリーズに出てくる学校の生徒に負けず劣らず面白い人たちが勢ぞろい。
読んでいて驚いたことがある。それは韓流ブームの火付け役ともなった「ヨン様」と呼ばれている、韓国のペ・ヨンジュン。韓国人学生曰く、「あのおじさんがなぜ」、「日本で言うなら竹中直人がイケメンとしてハリウッドで大人気!の感じ」と言っている。竹中直人とはびっくり。韓国内でのヨン様の位置がよく分かる。それにしても竹中直人を知っているとはなかなかの日本のエンタメ通だな。昨日見た「謎解きはディナーの後」に登場していた。最近ではお目にかかることのできない役柄で出演して面白かったな。
その他には、日本語能力検定試験、東日本大震災、その後の留学生たちの状況についてなどが掲載されている。最後に中国嫁の「月から日本のみなさまへ」と言う形でのあいさつが原文のまま載っている。
まだまだ、留学生と日本語にまつわる題材はたくさんあるはずなのでこれからもこの種類の本は出てくるかな。
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最初は笑いながら読んでましたが、3・11以降の話が切なかったです・・・
しかしソンヒ君のご両親って何やってる方!?
みんな、「日本が大好き」と言ってくれてありがとう
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西日暮里の日本語学校 大学受験するレベル ペヨンジュン竹中直人がイケメンとしてハリウッドで大人気の感じ K-POPは複雑 ソンヒ君株急上昇 全然カッコイイ新しい言い方その時代ごとに正解 今でも政府はニッポン一押し 雰囲気ふんいきふいんき ウリナラ我が国 なんというナショナリスト日本では 簡体字 四川地震 開店休業状態 銀座 池袋億ション
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日本語学習の中級以上の人にとっては結構よい副読本なのではないかなぁ、と思う。「日本語は分かる、でも細かいニュアンスがね....」という、ハーフの人にもお勧めかもです。
ただし、筆者グループ(というか観察対象?)が漢字文化圏出身なので、それ以外の言語圏出身の学習者にはハードルが高いかもしれないが....。
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2015.6.6市立図書館
「中国嫁日記」の月(ゆえ)さんの日本語学校体験をベースにした作品。基本的に大学進学をめざす学生さんの集う学校だったらしく、日本語の勉強を経て日本の大学に進学しようとする主に中韓出身の留学生の立場や日常・心情がいろいろわかるのがよい。
職業上、矢澤先生による「クエスチョン!」への月さんの回答が興味深かった。
こどもたちがママのお仕事を理解する上でもちょっと参考になる内容だったかも。(「何年生教えてるの?」はじめ、自分たちの学校の外の世界はなかなか想像しづらいようなので)
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妻が日本語学校で学んだ事と、学んでいる人達の事。
どうしてそう使うのか、どうしてそうなるのか。
なんとなく、な解答はできますが
正確な解答かは自信がありません。
疑問を解決するためのお金だと思えば
月10万はまぁ…安くはないですが
妥当やもしれません。
そんな疑問を、ちょこちょこと解決してくれます。
という目的ある生活より、メロドラマの方が
かなり気になります。
恐ろしい…恐ろしすぎる女の子!!
いや、そこまでかっこいいのだ、と言えるかも?