紙の本
ひんやりとした読後感
2015/11/15 23:58
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくまりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはないでしょう。いくらなんでもこれはない。あなたが私のかわりにあれを突っ込む相手が、よりによってあの子だなんて・・・(「それでも前に進め」)。彼といるのは幸せだけど、彼にとって、私はどんどん女じゃなくなっていくのかな(「あと少しの忍耐」)。仕事もできて、頭もよく、周囲から信頼されている。そんな大人の女たちの物語で紡ぐ短編集。セックスについても心得ていて、決して男に溺れるような下手を打たない。でも、どうしてだろう。女たちはどうしようもなく、ひとり、なのだ。そしてある日突然、自分の心の中に潜む闇に向き合う時が訪れる。きっと、このレビューを読んだあなたにも、そんな瞬間あったはず。彼女たちの孤独に寄り添えるあなたなら、この短編集の幸福な読者になれるだろう。性の描写が多いけれど、なぜか生臭くならないのは、作者の表現技術の高さによるもの。ひんやりとした読後感が心地よい。
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女性の欲望の話。
そういう企画だったにせよ
村山さんどこへ向かっていってしまうのか。
エロティックな話があってもかまわないけど
短編じゃないほうがいいかな。
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我が男だからか。
女性の性を開放的に描くことに、頭じゃ理解しつつも、ちと、嫌な気持ちになるのは。
自我の解放と倫理観のせめぎ合い
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村山由佳にしては珍しい、短編集。
12本、12人の大人の女性の物語。なかなかアダルトです。
『ダブル・ファンタジー』以降の作品では、一番好きかもしれない。
“まだまだ村山由佳を読んでみよう”と思わせてくれる。
そして、文庫派の私には、未読の新刊予定はまだまだあるのです。
小説すばるで連載中の『天使の柩』を含めてね。
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女性視点からですが、これは男性視点からだとどうなんでしょうね。
まー、一人ひとりの生き方というのは、あとがきや解説にある通りなんだと思います。
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はっ!!となって思わず、友達にも勧めました。
電車で読んでたら隣のお姉さんに覗かれて、こちらもススメました。
知らない人も気になるアダルトエデュケーション。
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女性の性をテーマにした12編からなる短編集。
ヒールをカツカツいわせるキャリアウーマンがいるか思えば、ちょっと頭の足りない苦労知らずの女の子がいて、倒錯した愛に溺れる女性カメラマンも‥‥。
性をテーマに12編も?、飽きそう‥と思っていたけれど、変化にとんでいたので予想よりは楽しめた。
それにしても性に自立が絡められるのは女性だけな気がする。いいのか、悪いのか。
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12人の女性の心の闇が丁寧に描かれている。
中でも「それでも前へ進め」は、客観的に見て、あるあるネタなだけに、ふっと忘れていたことを思い出させてくれた。
傷ついても、泣きわめいてもいいから、自分を偽らず生きていければ、夜も明けるというものだ。
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官能小説って言うからドキドキしながら読んだけど、エッチなシーンそのものよりもお話全体が心の痛くなるような話ばかりでもう官能どころではなく泣きたくなった。
・言葉はいらない
私は騙されました。官能的なシーンがあったのでなおさらまさかそういうことだったとは・・・と、衝撃でした!
・聖夜の指先
うーーーーん、男も最低なんだけど、やっぱりそんな男と付き合うこの女の子もおばかなのよね・・・でも一番心が痛かった。
・哀しい生きもの
作家さんとバーのママさんの話ねんけど、作家さんってほんとに自分の経験を活かしてお話書いとるんかなあと興味深かったです。
・誰も知らない私
精神科医のお姉さんとAV男優さんの話ねんけど、なんかこの二人はうまくいくのかなあ~とワクワクしたけど、潔い終わり方で終わってしまった。この話が一番好きかもしれぬ
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同名の曲、Daryl Hall & John Oatesが歌っていたように思います。
男女の仲にセクシャルな要素は避けて通れない。でも男の側はその部分に対する考えはぞんざいで乱暴。
作者自身の後書きで、「この短編の中で女性たちはみな自らの性に罪悪感を覚えている。…中略 …私だけかと思っていたらいっぱいメールや手紙をいただいた」「肉体を伴わない恋愛なんて花火の上がらない夏祭りのようなものだ!」
編集者(女性です)は、
「いつか何かのはずみで村山由佳さんとエッチしちゃうかもなぁ」と解説の冒頭に書いています。
いわゆるエロ本ではないですがその辺のエッセンスが詰まった本です。12本の短編を集めたものになっているのでさらに凝縮感があるんでしょう。
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村山由佳が、こうゆう短編集を書くなんて。
かなり取材をしたんだろう、想像・妄想だけでは描けない。
犬にはビックリしたけれど…。
女性目線のソフト官能小説。
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女性目線の官能短編集。読み終わって印象深いのはラブシーンじゃなく、彼氏を取った後輩の女の子のコートに鼻水をつけるところ。。笑った。
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天使の卵みたいなピュアさはなくて、でもエグさもちょい足りない気がした。
いろんな形の恋愛があるんだなってとこはアリなんすけどね。。
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女性の性がテーマ。12編の短編集で、物語ごとに主人公が違えば、考え方も違う。官能的で、後ろめたさを感じつつも欲求に抗えない女の呪縛。
単純に男からは描けない表現を見てみたいと思って購入。女の求める性を文章におこした物語で、男の描いた女目線の物語もやはり緻密で繊細。ただし、私が男だからか、もっと抑揚だったり、激しさがほしかった。あまり読んだことのないジャンルで挑戦したれど、はまりはしなかった。
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村山由佳がある時期から、作風がガラッと変わってエロ真っしぐらになった見本のような本。
登場人物の背後に作者自身が見え隠れして個人的には痛い感じを受けた