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一気読みしました。
情報化された近未来。
ある日、プログラムのデータを削除して持ち逃げした人物を探して欲しいと言われて、その人物が主人公が十四年前に一週間だけ講義をしてもらった老人。
十四年の歳月を経て、いなくなった恩師の残したプログラムから暗号を読み取り、再会を果たし、恩師は自殺。量子葉を持つ中学女児をを預かる。
その恩師がやりたかったことが、死後の世界を知ること。
タイトル通り、知ることに重点をおいた本でした。
私自身、情報系の道に進みながら、プログラムのことは全然できないので、負い目を感じながら読みました(笑)
本を返す期限を過ぎていて一気読みしましたが、3時間ほどで読み終わりました。
文字列のくせに、寺での襲撃は映像を見ているかのような感覚を与えられました。
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久々にレビュー。
SFが読みたくなってとりあえずハヤカワ的に買った本だったけれど、思っていた以上に良かった。
電脳系作品だけれど、ストーリーも綺麗に収束していって最後まで一気に読めました。
タイトルはknowであり、きっと脳であって、能でもあると思っています。
こういう雰囲気が嫌いじゃない方は是非手に取ってみてください。
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久々にハヤカワ・ミステリ・シリーズと並べても遜色ない作品に出会い興奮。電子葉を脳に埋め込みネットに直接接続できる情報化社会の未来形や、有主照・問ウ、道終・知ルなどのネーミングもよく考えられていると思った。が、次第に体言止め多用のラノベ文体になり、素月・切ルのえげつない描写で興ざめ。流石にこの人格で*はないだろう。京都御所への入り方も説明不足の感があった。ちょっと残念だったけど、最後の終わらせ方はよかった。
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野崎まど作品に最近ハマッてしまって、刊行作品を追う意味で
『〔映〕アムリタ』から『2』までの作品を読了後に読んだので
思ったよりもガッチリとSF作品していておおっ?と一瞬構えながら
読み進めていったのだけど、普段SF作品を読み慣れない自分でも
著者が構築するSF世界に比較的すんなり入り込めた。
超情報化社会、電子葉という脳機能の拡張、
それが一般化した後の格差社会と、世界を規定した天才学者、
ブレイクスルーを遂げた社会にさらなるパラダイムシフトを齎すであろう
超人2人の邂逅と対決、その後・・・。
というSF作品の展開としては馴染み深い流れで
読者を置いていかずに引っ張っていく牽引力もあるし
動きのあるアクション場面も用意され、キャラクターも立ってる。
一つのSFエンタメ小説として見ても高水準にある作品だろうと思う。
ただ、自分が野崎まど作品として求めていた
野崎まど作品を読むことでしか得られない驚きや
斜め45度突き進んでる感を得られたかというとそうではなく、
唯一無二の野崎まど作品というよりやや普通の面白いSF小説に
寄ってしまっているのが少し残念だった。
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あー、パンツァークラウン・フェイゼスとknowは設定的に重なる部分があるけれど、説得力があって洗練されているのは明らかにknowだなぁ。取得した情報の「管理の問題」としてプライバシーにレベルをつける設定などは、ビックデータ時代の格差として納得できるし面白い。「隠されていないものには興奮できない…」みたいな、テクノロジーや制度の変化による感じ方やモラルの変化、みたいなディテールは大好物ですはい。
野崎まど「know」読了。知ルの設定は、長谷敏司「BEATLESS」の人類未到達物を彷彿とさせる。そうした存在が出てきたとき、人間の役割や、人間と道具にと環境について哲学したのが「BEATLESS」。「know」はより純粋に、究極的に我々が「知りたいこと」に焦点を当てた作品。
究極の「知りたいこと」についてのラストはもちろんのこと、作品の世界観の設定が非常に好み。情報は取得されるものであることを前提に社会を設定して、取得した情報の「管理」の問題としているのが面白い。また、そこで生じる新時代の格差の話などは、リアリティーがある。
つうか、個人的にはこの社会設定を前提にした長編作品読みたいですw メインとなるアイディアを活かすために出来てきた設定なのかもしれないけれど、膨らませていけばもっともっと面白い社会を描けそう。いずれにしても、楽し読書になりました。
にしても、こんな素敵な設定をサラッと使えてしまう野崎まど氏は、確かに凄いな。また早川でも新作期待っす。
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情報が支配する世界を描いたSF小説。
きっと野崎まどはずっとこの手のが書きたかったんだろうな。
個人的にSFは苦手で、特に説明が多い序盤は読みづらかったけど、ヒロインが登場した頃からはどんどんと物語に引き込まれていった。
ラストも、予想通りだけど納得の結末。
SFが苦手な人も安心して読める1冊です。
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ひゃー。すごい面白かった。超絶想像力だわ野崎さんったら!「知っている」「知る」「知りたい」というワードが頭の中でグルグルしてます。そしてその先にある物から無事に戻ってきたであろう“結果”の詳細を、エピローグだけじゃなく私は『知りたい!』
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いやあ面白い
昔のエンタメって
薄い1冊のなかに
濃い内容がつまってるのに
さらっと読ませてた
そんなのを思い出す
人間の頭がとてもよくなり
あらゆる情報が入ってくるとしたら
どうなる?そんなSF
ちょっと嫌味な感じのする語り手に
それを凌駕する知ル
知ルの圧倒的な戦闘場面
語り手の師匠の天才性
(森博嗣描く天才並の天才だ)
そして知ルの目的地
おもしろいなあ
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良かった。久々のめっけもの。
構成が見事、良いバランス。
中身も、中学生だからラノベっぽいけど、結構ハードなSFと思った。あらすじだけ見れば「ニューロマンサー」ぽい。「攻殻機動隊」かも知れない。あと、京都が舞台なのも良い感じ。
know、知る、脳、知識(knowledge)、・・・。振り返ると、タイトルに集約してゆく色々なキーワードも心地よい。
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SFをほとんど読まない私が一気読み。面白かったー。非常に読みやすく馴染みやすいのだけど、多分しっかりと理解して読むとものすごいことが書かれているんだろうな、と思う。SF初心者にもラノベ世代にもオススメだ。と思っていたら本の雑誌社「オススメ文庫王国2014」で大森さんがベスト10に入れていたのできっと本格的SFファンでも楽しめるんだろう。
「知る」という事の本当の意味は多分この世界にいる限り「知る」ことはできないのだろうね。
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いやあ、これはこれは!久々に「SF」を読んだなあという満足感でいっぱい。危うくパスするところだった。よくぞ読んだものだ。
大森望さんの「萌え要素をちりばめながらそっち方面には行かない」という評がなかったら、この表紙ではまず手に取らなかっただろう。控えめではあるけれど、はっきりとラノベ的。おまけに冒頭部分があまりにも陳腐で、投げ出したくなったのを我慢して読んでいったら、だんだん引きこまれていった。大森氏の言う「ちりばめられる萌え要素」はまったく好きではないけれど、物語の行き着く先は堂々たるSFの大技だ。
もっとはっきりちゃんとしたSFってわかるようにしてよね!と思いかけて、ふと気づく。いやこれは逆なんだな。「本格SF」じゃないなら読まないもん!なんて奴より、ラノベ風の看板にひかれて読んだら、あらまあこれってすごいんじゃない?って思う人の方がずっと多いってことだ。
提示されるビジョンの大きさがとてもいい。想像力を駆使して、思いも寄らない景色を見せてくれるのがSFの醍醐味だろう。しかもそれが突飛なものという感じがないところが本作の優れているところだ。いやまあ、常識的には十分突飛なんだけど。
あと、大森氏も書いていたが、京都で学生生活を送った身には、設定が感涙ものだ。2080年の未来にも京大がまだあって、それより何より、進々堂が創業150年を迎えているというんだから!確かに京都は(特にあの近辺は)少々の時の流れにはびくともしない感じがある。いろんな意味で楽しんで読みました。
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なんと言えばいいか、オチには不満だけど、物語としては終盤近くまで楽しませてもらいましたというところ。
野崎まどなので、ちょっと警戒したのは事実だけれど、何も知らない人がそのまま読んでも問題はないでしょうね。おそらくは語られないままの何らかの世界設定があるのでしょうが、それが、あまり意味をもっているわけじゃないだろうと思います。舞台が京都であることとかね。
ただ、アイディアと、ヒロインの強烈さで引っ張りすぎなので、それ以外の部分の味わいが不足してて、もったいない。ああ、結構頻繁にもったいないって言ってるなぁ。思うに、登場人物それぞれにもっとドラマがあってしかるべきだし、まあ、そういうことを始めると、翻訳物なみの厚さになるだろうけれど、そういうのが読みたいし、そういう様々なドラマを配置しうるだけのストーリーたりうると思います。だから、これをモチーフというか、「ノルウェイの森」における「蛍」のようなものにして、あるべき本編たる長編小説を書いてくれればいいのにな、なんて思ったり。
あと、蛇足ながら。
オチが嫌いなのは、それが救いのような仮面を被っているからですよ。とはいえ、どうやら、そこがキモのアイディアなので悩ましい。別れた人にもう会えないということには、切実さがあるがゆえに、物語としての味わいをもたらすと思うんですがね。
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今から何十年も先の情報技術が非常に発達した世界を舞台にした話です。情報を扱うための人口の脳葉を使って、視界に情報を表示したり、いろいろな情報を瞬時にネットで検索したりできるという設定がとても面白かったです。
1章は主人公とそれらの技術を開発した研究者との関わりについて描かれており、その話が面白かったのでのめり込んで読むことができました。
2章以降は知ルという不思議な少女と行動を共にしていく話です。そこも大体は面白いのですが、彼女の持っているあるものが、いかにすごいかという描写が結構あり、それがちょっとくどいです。
どんな風に話がまとまっていくのか、というのがなかなか想像できない話でした。今までに出てきたいろいろな会話が最終的に収束していき、綺麗にまとまってよかったと思います。
ネットワークとかパソコンとかが好きな人は特に楽しめるんじゃないかと思います。
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久々の一気読み。
攻殻機動隊の電脳のように、脳をネットワークに接続すべく「電子葉」を移植が義務化された世界の話。(といっても話はその技術の最先端である京都で完結する)
「電子葉」はありとあらゆるものに使用されている「情報材」を介して情報を取得する。
人にも全て情報が付与されており、いわば国民総タグ付けの世界である。
また、人のクラスによって、取得できる情報量と守られる情報量が決定されている。
伊藤計劃の「ハーモニー」的な世界観に近いか。
情報社会のあり方だとか将来的な話かなと思って読み進めていたが、どっこいもはや哲学のお話である。
「哲学は自然科学の最前線だよ」
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Twitterにて飛浩隆氏が楽しく読んだ旨を投稿していたので手を出してみたが、303ページで床に叩きつけたのが今さっき。
文章自体は基本的に洗練されているものの、ライトノベルレーベル出身作家特有の表現技法や性格づけ、言い回しなどが時折顔を出す。実際、出版当時に購入をためらったのも試し読みした際冒頭2、3ページの展開から既に軽い嫌悪を覚えたためだ。
『失踪した恩師の目的とは?』というサスペンスじみた展開になり始めてからは確かに面白い。科学の門外漢である私にはこの本の娯楽小説としての側面しか理解しきれないが。展開が突飛でご都合主義であること、描写が雑で門外漢には難解であることから星はふたつとさせていただく。
繰り返すが、303ページでとうとう床に叩きつけた。そんな上手い(美味い?)話があってたまるかよ。