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ネットワークの進化と脳の高速化の描き方は、結構説得力があると思う。それを最も古典的な街である京都を舞台に描くというのもおもしろい。
物語のキモでもある2人のクラス9の会話が、そこに至る過程も含めて、もうひとつ理解が追いつかない。凡人には理解できない、という意味でもこの描写もありだと思うけど、ちょっと残念なところではあります。
三縞副審議官がすごくいいキャラなのにほとんど出てこないので、彼女視点で外伝でも書いて欲しい。
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ライトな読み口で透明感のある近未来SF。情報化と脳機能の拡張の先にあるものというこれまでも問われてきたテーマに正面から向かい合い、作者なりの世界観で描いて見せた。難しいところも読者のイメージを喚起してすいすいと読ませ、主人公らの知的な興奮に同調させてくれます。情報の過不足がなく、本当にムダがなくよくできた物語です。
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最近の若手作家らしく、テンポが良くて読みやすい文章。多少引っかかるところはあるが、気になるほどではない。
個人的にはもうちょっと文体に特徴がある方が好みではあるが……。
最後の1行がガツンと来る。
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ラノベブログサイト
アキネ会の日常
know (けーた)
http://blog.livedoor.jp/akinator/archives/30892407.html
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野﨑作品らしく、やはり人類超越系の女の子が登場します。
素月さんのアクの強さが嫌いじゃなかった。まああれ以上登場シーンが長かったらそうは思えないだろうけども。
ダンスシーンをアニメで見てみたい。
読み終わった後に改めて表紙のイラストを見て、「ああ」って思った。
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人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年。情報庁の官僚、御野・連レルは情報素子のコードの中に失踪した恩師の天才研究者、道終・常イチが残した暗号を発見するのだが……。
野崎まど初の本格SF。ハヤカワということでかコミカルさは控えめながらも、テーマはこれまでの作品と共通かな。とにかくラストの一行が秀逸。
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「知る」ことで、人はどうなっていくのか。情報化が進んだとしても、人間はさほど変わらないのではないか、と考えさせられて、興味深かったです。
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野崎まどワールド全開。
この著者の作品はいつも、究極の、を目指した一種哲学的内容となっており、毎回期待を裏切らない。
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ついに野崎まどがハヤカワで出したか…ずっと待ってた…。
今までは「意識」をメインテーマにして、潜在的なSFをメディアワークスで出していたのを、話の根幹からSFにすることでハヤカワらしい作品に仕上がっています。
その反面、ライトノベル的な軽妙なやり取りが大きく減っていました。最後に御野の「ミアという若くて出来る女性がいて」という台詞に三縞が情報庁を退庁してアルコーンに来たというくだりくらいか。
ただ、このままハヤカワで出して、もっと知名度が上がるのが1番だと思うので、ライトノベル色が薄れるのは寂しくもあり、嬉しくもあります。
内容に触れれば、構造的にはパターンだった「女性に振り回される男性」は変わらない印象。こちらの方が動かしやすいんですかね。
あと読んでいてそこはかとなく感じたのは、エルフェンリート(漫画)を思い出したこと。特にクラス6の男と対峙するシーンはまさにそのものだったかと。
道終•常イチが復活することで、死後の世界の情報を知るという流れになると思いながら読んでいました。しかし流石野崎まど、情報のブラックホール化によって最高の情報状態、走馬灯状態を自ら創り、また医療対応状態で死ぬことで帰還の用意もしておく。そんな想像など及びつかない。
もっと野崎まどのハヤカワから出る作品を読みたいですね。
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2013 8/2読了。ジュンク堂書店池袋本店で購入。
ずっとメディアワークス文庫で活動してきた野崎まどが、まさかのハヤカワ文庫進出・・・ってことでどんなSFになるやらと思ったら、野崎まどらしくSFしてた。
京都の街を舞台に、情報化が進み切ってあらゆる物がネットワークにつながり人々の脳には大量の情報を処理する装置がつけられている社会で、「だいたいの」情報を得る権限を持っている役人の主人公が、「すべて」にアクセスし処理できる少女と出会って・・・という話。
いわゆる電脳的な話で、新機軸って感じではなかったんだけど、読みやすいし面白い小説だった。
あと情報のアクセス/保護権限が0だとあらゆる情報が見られちゃう=女の子の場合は・・・ってのが実にドキドキしますね。
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(2013/08/11)
メディアワークス文庫で活動されていたことは知っていましたが、野崎さんの作品を読むのは初めてです。
SF要素の詰まったライトノベルのように読みやすかったです。
これからMW文庫の作品も手にとってみようと思います。
(再読 12/9)
改めて読み返して、最後の1行が本当にいい。
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前作の何かのご縁略でハートウォーミングな作風を披露した鬼才・野崎まど。
そしてハヤカワJAという新フィールドから出版になったこともあり、作者初のSF作品とも言える本作。
随所にSF的お約束が散りばめられており、またも新境地かとも思ったが読み進める内にいつもどおりの野崎まど作品となった。
ただこのSF仕立てが上手く機能していて、言ってしまえば「SF版[映]アムリタ」ではあるのだが最原最早の神のごとき能力にSF的理屈をつけるとこうなる、といった感じでそれが面白い。
その理屈というのが、作中には電脳的な物体が登場するのだが人間の精神というものは全て電気的信号に変換が可能でそれらは全て"情報"であるため、アクセスするための経路(媒体)さえあれば人体ハッキングだってできるという、私の敬愛する作品と似たものだったのでハッとしてしまった次第。
これ以外にも作中では全体的に物質世界の法則を"情報"に当てはめて考えようというメソッドが多用される。脳構造を現実のネットワークで再現するとどうなるか、そこに意識は生まれるのか、過度の質量がブラックホールを生み出すように過度の情報が集まると精神にどのような変化が起きるのか、といった具合であるのでもう堪らない。
主人公も一応は電脳世界のエリートであるはずなのだが、前述の哲学的と言える問いかけに対して彼はまったくの無知・無力で科学技術が進歩しても人間の根源的なところは変わらないのだろうなあと思わせる一方で、ヒロインは軽々とその難題を飛び越えてしまい誰も居ない荒野をずんずん先へと進んでいく構図は見慣れたものであり、そういった点でもこれはやはり「[映]アムリタ」「2」に続く正統派野まど作品だった。
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面白い映画を観終わったような心地よい感じが残るSF小説でした。
超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。
情報庁で働く官僚の御野・連レルは、情報素子のコードのなかに恩師であり現在は行方不明の研究者、道終・常イチが残した暗号を発見する。
その“啓示"に誘われた先で待っていたのは、ひとりの少女だった...
Ⅰ.birth から V. death 、そしてepilogueへとぐいぐいと物語を運んでいく。
コレ映画にしたらきっと面白い。
超情報化社会ビジョンが興味深い。ICT屋さんが考えている未来ビジョンよりも愉しいw
ハリウッドが好む建築物的な未来造形ではない。
見えている世界はあまり変化がない、しかし見えていない世界を感じ処理しようとする捉え方が面白い。
情報爆発社会とかビッグデータとか今でも言っているけど、もっと精神世界へと踏み込んだ超情報化社会観。
「哲学は自然科学の最前線だよ」
知らないことを知ることは悦びです。
知る対象は過去、現実の世界、そして異性だったり。
本を読むことは知らないことを知るとても愉しい手段です。
知らないを知り、知り得たことから未来を知ろうとする。
うん、愉しい。
御野・連レルと恩師・道終・常イチとのやりとりに惹き込まれた。
『know』は小難しいSFオタク向けの物語ではなく、エンターテイメント性も盛りだくさんです。
御野・連レルが出会った少女が魅力的。
最初は全知全能のロボット?と思ったw
後半に出てくる御野・連レルと少女のとあるシーンは必要ないかと思ったが...
(そんな所は悪い意味で映画的に感じた)
野崎まどさん、興味深い作家さんです。
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溢れる情報化社会に対応するため、人造の電子葉を脳に移植する事が義務化されていた。ただそれは新たな格差を生み出していた。そして更なる人造の量子葉が開発されていた。
脳が脳を考えるって哲学的で、さらにそれを人造脳が考える。SFが宇宙ではなく人間のメンタルに向く事が多くなってる最近の作品の中で一番面白かった。
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初読の作者さん。図書館新刊コーナーで目立ってたので借りてみた。
超情報化対策として「電子脳」の移植が義務化された2081年の京都が舞台。
面白かった。「知ル」の「私〇〇って初めてです」に何だかほほえましくなりつつ読んでた。
冒頭のダメ人間な感じにえぇ~と思ってましたが、ラストの一文はいいと思った。