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高校で放送部に入った米村真弓子。同級生の大河原くんに光を持つものの、一向に相手にされる気配はない。そんななか、真弓子に地元のラジオ放送局のアシスタントアナウンサーの声がかかる。しかし、ある日の放送を聴いた大河原は真弓子に対してさっぱり冷たくなってしまう…。
山本幸久なので、ドラマ展開としては申し分ないし、すんなりと人生が進むと思いきや、真弓子の人生は予想外の方向へ進んでしまい、そこで新たなドラマが始まっていくわけで。
とはいえ、いつもの山本幸久らしからぬ前のめりな展開に、主人公真弓子をはじめ、あまりビジュアルが思い浮かばない、ちょっと浮ついたキャラクター設定に戸惑ってしまう。いつもなら俳優のあの人かな?なんて自分の中で配役を作って読むのだが、今回は殆ど浮かばなかった。ただ一人(?)柴犬のベンジャミンを除いては。
まあそうなのよね、青春と失恋をテーマにしながら、これは動物小説なのだと思うのだ。それ以外の人の描写があえてほとんどなされていないのだから。
いつもの山本幸久の「良かったー」という読後感は、無いわけではないが、あまり期待せずに軽く読み始めたほうが良い小説であろう。
でまあ、いつもの蛇足小説つき。んー、いらんなあ。ワタシなら真弓子主人公で、電話で連絡を取り合う仲とかにするかなあ。視点がそっち?となるので。