紙の本
日本の労働史
2017/04/11 17:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小林 - この投稿者のレビュー一覧を見る
我が国の雇用・労働に関するこれまでの経緯が簡潔にまとめられており、この1冊を読めば労働史の概要は掴めます。ただ労働問題が遅遅として改善があまり見られないのは本書の様な本があまり読まれていないからだと思われます。
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ここにこうして改めて過労死について学ぶと、日本という国で働くことが本当に嫌になる。
戦後の高度経済成長のときから、日本人は働きすぎることをむしろ誇りにしていたのでしょうか。
戦後復興のために身を粉にして働く。
それは戦中の意識と大差ないではないか。
お国のため・・・・・・。
経済成長が生んだ負の遺産ともいえる「会社奉公」
お国奉公。
現代もその亡霊に悩まされ続けている。
経済も大事だけど、亡国となってしまっては身もふたもない。
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戦後に本は人権尊重と個人の尊厳が定着する前に企業組織だけが突出して成長し、企業の価値規範が社会生活全般を律するまでになった。35
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しんどかった…
特に寝る前に読むのはダメ。お勧めしない。
でもみんな読むべき。就職前の子供には、これのダイジェスト版なんかあったらいいな。
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公平な契約や法体制で成り立っているはずの現代日本において、過労死がなぜ生まれるのか。一つ一つのケースとその背景・構造を我が身に引き当てながら、重い気持ちで読み進めた。
基本法の制定に加えて、男女雇用機会均等や介護の問題と同様に一人一人の意識の変革が必要な問題であると感じた。
追記:「過労死等防止対策推進法」が本書発行後の2014年11月1日より施行されている。
・ILOの有給休暇条約
・賃金不払い残業は最大の企業犯罪
・豊田労基署の相談員に豊田関連の天下りOBがいたという問題。
・労働者の権利の軽視と消費者の利益の重視。
・2012年3月の大卒者のうち、60%が就職者。内定率9割に惑わされてはいけない。
・15~34歳の死亡原因のトップは自殺で、先進7カ国では日本のみ。
・労働基準監督官の圧倒的不足。5%前後の事業所しか見れない。
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日本の長時間労働の実態、過労死研究、実際の過労死事件や過労死対策に一貫して取り組んできた著者の長年の労作ともいうべき著書。データを交えて分かりやすく書かれており、しかもこれまで著者が取り組んできた情熱が迸り、読者にも事の重大さがヒシヒシと伝わってくる。残念ながら故人となった今、著者は、やっと途についた「働き方改革」をどう見ているのだろうか。