投稿元:
レビューを見る
エピゲノムに関しての入門書が少ないので貴重だが、例え話が多く、しかも長いのが気になる。肝心の本体の内容の方が説明が短くて分かりにくい。
投稿元:
レビューを見る
わくわくしながら読みました。おもしろかったです。
たぶん、現在市場にあるエピジェネティックについての一般書として最良の本ではないでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
分子遺伝学のホットトピックであるエピジェネティクスを紹介した一般書の中ではかなりオススメできる本.高校生物程度から解説が導入するので,じっくり読んでいけば理解できると思います.
ただし,用語は大学レベルのものがガンガン登場するので,重量感のある印象をうけるかも.読み切るのは簡単ですが,この本の内容をマスターするには教科書を読むのと大差ないほどの努力を要するかも知れません.
これまではラマルクの「獲得形質の遺伝」の否定に見られるように,生後の自分の行動や努力が,遺伝的に自分の子供へと与える影響は無いとされてきました.
しかしそうした社会的な影響もエピジェネティクスを介して遺伝的に後世まで継承される可能性があることが分かってきました.これは単なる生物学の発見だけでなく,我々が社会生活を営む意味を考える機会にもなりますね.
より詳しく学ぶ場合は『生態進化発生学』などがオススメです.
投稿元:
レビューを見る
エピゲノムって何?から始まる、初心者向け遺伝子生物学。
題名の面白さから手に取ったんですが、高校時代生物は苦手だったことを思い出しました。合間に入る閑話休題みたいな話は面白いんですが。普通の人は100万色を認識出来るが女性の8人に1人はスーパー色覚を持ち1億色認識出来るらしい。世の中はどんな風に見えるんだろう?
ゲノム刷り込みによる染色体とか優劣による染色体とか事例を交えた話も面白い。鼻が私に似ていて気に入らん!とか言ってる娘の染色体はどうなってるんだろう?
DNAがらみのSFも多いし一読の価値は有るかも。
投稿元:
レビューを見る
当方にとっては難しすぎるという意味で★3つ、この本の価値では決してないと思いますのであしからず。
初心者向けか、、、大学受験で生物を選んだレベルでは、この本で言うところの初心者には当たらないものと思われる、無念、、、
ただ最後半はなかなか面白い、著者が非常に俗なレベルに話を落としてくれているからだろうな。
それにしても科学とは「我々はどこから来たのか、我々は何者か、そしてどこに行くのか」を知ることですか、自然科学は今もって学問として成立していますなぁ。
それに比べて人文系でこのような純で壮大な目的を高らかに宣言することは最早稀じゃないかな、やはり共産主義の崩壊という現実が「社会科学」の息の根を止めたのかも。
投稿元:
レビューを見る
最近の生命科学の発達は著しく、なかでもDNAにまつわる研究は枚挙に暇が無い。様々な病気や、障害の原因DNAが次々と発見され、素人目には、まるで寿命から知能指数、性格に至るまで、ほとんどすべてがDNAで決まってしまうような錯覚に陥る。しかし、だからといって一卵性の双生児が、まったく同じ人間に成長することはなく、例え、その一人が遺伝性の病気を発症したからといって、もう一人も必ず発症するということはない。そもそも、自分たち一人一人の身体がすでに、全て同じDNAを持った細胞の集まりであるにも関わらず、個々の細胞はまるで別々の形をしていて、種々の働きをこなしている。さてもいったい、個々の細胞のDNAはどのようにして発現しているのか。最新の研究結果の明らかにする「DNAだけでは決まらない新しい遺伝学」=エピジェネティクスのダイナミズム。なぜ、三毛猫のクローンは成功しないのか、女性が遺伝的に強いのは何故か、スーパー色覚発現の条件から、老化、社会的遺伝に至るまで、興味に事欠かない濃い一冊。DNAを突き詰めるほどに、生命は、機械的でも、宿命的でもなく、自らの意志と、めぐりあわせの偶然が織り成す奇跡だと信じさせられる。
投稿元:
レビューを見る
「エピジェネティックス」という聞きなれない世界を紹介しようとする本著だが、組成式や構造式が多く紹介される前半では手にしたことを軽く後悔した。終盤は生活習慣病やアンチエイジングといった身近な話題が取り上げられ、それらと密接にかかわるエピゲノムについて少し理解できた気にさせてくれる。
投稿元:
レビューを見る
DNA だけに頼らない遺伝の仕組みについて、素晴らしい文章で綴られている。良い入門書の典型だと感じました。
投稿元:
レビューを見る
一卵性の双子は全く同じ遺伝子を持つのに、微妙に違うのはなぜ?その答えはエピゲノムにあり!話題のエピジェネティクスについて楽しく学べる本です。
投稿元:
レビューを見る
エピジェネティクスの最新の話題が詰め込まれていて、ある程度話をかじったことのある人にはいい本。それでも難しかったので、まったく予備知識のない人には中盤以降きついかも。レビューの論文を読んでいるよう。ただ源氏物語からの導入はとってもわかりやすくて、洒落ている。
飢餓状態への対応策としてエピジェネティクスが進化してきた可能性って、おもしろい。ホルモンの話でもそうだけど、わたしたちのからだは栄養の獲得という観点で作られている面が大きいんだなと改めておもう。それは生物として当然の摂理だけど、飽食の時代をもし何万年と生き抜いた人類がいるとしたら、どんな進化を遂げているんだろう。
ミツバチの話は初めて知った。食べ物によってあそこまで形態が変わることもあるなんて、エピジェネすごすぎる。
投稿元:
レビューを見る
ここ数年の最新の研究で明らかになってきた遺伝の仕組みについて解説した本です。
DNAは不変的なものではなく、その生物を取り巻く環境によってDNAそのものやその周囲が変化する。その変化は細胞分裂や世代を越えて継承される。
大学の時読んだ生物の教科書では、ヒストンというタンパク質はDNAを巻き付けているだけ、イントロンはDNAタンパク質をコードしていない無駄な部分とだけ扱われていたのが、実は遺伝子発現にダイナミックに関わっている。
投稿元:
レビューを見る
「DNAの偽装」エピゲノムは同じDNAの配列を用いて柔軟で多様な表現型を生み出すしくみ。遺伝の概念を覆す生命科学の最前線を紹介する。
投稿元:
レビューを見る
分子生物学・遺伝学の専門家が、「エピジェネティクス」の世界を解説したものである。
従来、遺伝形質の発現は、「DNA→RNA→タンパク質」という全ての生物に成り立つ遺伝情報の流れにより、DNAに記録されている遺伝情報が実現した結果とされる、「セントラルドグマ」と呼ばれる原理で説明され、その形質の変化とは、遺伝情報の変化であり、それはDNAの塩基配列の変化が原因とされてきた。
しかし一方で、DNAが全く同じ一卵性双生児に後天的要因を超えた差異が現れたり、一卵性の三毛猫の模様が全く異なっていたり、ロバとウマを掛け合わせてできるラバ(雄ロバと雌ウマ)とケッティ(雄ウマと雌ロバ)が外見も性格も全く異なっていることなどが観察されている。
また、人間には60兆個の細胞があり、その一つ一つの細胞は、基本的に1個の受精卵と全く同じ、一人の体全体を作るのに必要なDNAを全て持っているが、細胞の分化に伴い、それぞれの細胞は一定の機能(脳だったり、心臓だったり、骨だったり)のみを発揮する。
そして、こうした、同じ塩基配列のDNAを持つ細胞が異なった性質を表すのは、それぞれの細胞の中ではごく一部の遺伝子のみが使われていることによるもので、それは、「染色体クロマチンを構成するDNAのメチル化」や「ヒストンの化学的修飾」といわれる現象で遺伝子の活性が抑制されることにより生じ、そうしたDNAメチル化や ヒストンの修飾が規定する遺伝情報(エピゲノム)を介して、環境によって獲得された形質の一部が次世代に引き継がれることもわかってきたのだという。
まさに、エピゲノムとは同じDNAを使って柔軟で多様な表現型を生み出す仕組みであり、生物はエピゲノムによって、環境にしなやかに適応する能力や複雑な体を作る能力を得たと言えるのだろう。
更には、iPS細胞について、山中教授が発見した方法(山中因子と言われる遺伝子を細胞に加える)とは異なる、DNAメチル化やヒストンの修飾状態を変えることで作り出すことができるといい、臨床面からも更なる研究が期待される分野でもある。
専門外の私には、中ほどで説明される「DNAのメチル化」や「ヒストンの修飾」についての細かい説明には正直ついていけなかったが、エピジェネティクスの世界のイメージを掴むことはできたように思う。
(2015年7月了)
投稿元:
レビューを見る
全般的に難しかった。それは用語の難しさから来ているように思う。しかし、じっくり読めば、生命発現の基本的な機構は理解できる。
日本人がノーベル賞を受賞したiPS細胞やオートファジーなども出てきます。
*興味深い話題
・女性でスーパー色覚を持っている人が8人に1人いる。
・顔の形を決定する遺伝子は5つ。
・雌だけから生まれたマウス「かぐや」。
・胎児期に母親がどういう栄養を取っていたかで子どものメタボを始めとする疾患と関係してくる。
・飽食のツケはエピゲノムにしっかり記録される。
・一度は学説として否定された獲得形質の遺伝がエピゲノムを通して、世代を超えて伝わっていることが分かりつつある。
投稿元:
レビューを見る
源氏物語からの導入はとてもわかりやすくて、洒落ている。
全く源氏物語の例えは言い得て妙で、中身は同じでも、服によって人の雰囲気は変わるものだ。ビキニを着たら泳がないといけないし、喪に服したら派手なことは控えないといけないだろう。そのばその場の環境に合わせて、DNAの「服」が、ドレスコードのように一つの意味を持つ。
エピジェネティクスとは、DNAという情報の上位の階層に、もう一つの情報を書き込む仕組みである。
Geneticsはいわば遺伝子Geneの制御のことだ。一方、EpigeneticsはGeneticsというシステムそれ自体を制御する。