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2013/9/6 Amazonより届く。
2017/1/10〜1/14
完全なる首長竜の日、を読んで以来、5年ぶりの乾作品。
人の記憶にまつわるサスペンス。3つのストーリーが断片的に進んで行くが、中盤以降で一気に繋がる展開に引き込まれる。カメラマン志望の千佳が魅力的であった。実は「完全なる〜〜」はあまりピンと来なかったのだが、この作品はとても良かった。次の作品も楽しみである。
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登場人物たちが、悪いほう悪いほうに転がっていくので、読んでいて少しめげました。ただ、主に廃墟のホテルで起きている事象から目が離せなくなっていって、途中からはぐいぐい引き込まれました。終盤に向かってパズルのピースがはまっていく感じは気持ちよくさえありました。
なかなか救いのない話ですが、ラストシーンは少しだけほっとしました。
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複雑な構成になっているものの、その意図がよくわからない。感傷的なストーリーとミスマッチのように思われ、最後まで振り回されただけで特に魅力がない作品でした。
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それぞれの話が繋がってゆくのはとてもすっきりしました。
ちょっとずつ謎が解けて行くのが、心に恐怖心を少しずつ植え付けて行く感じ。
最後がやるせない気持ちになりました。
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乾いた感じがいい。
首長竜もそうだったが、テイストがはっきりしてていい。
面白いんだけど、ちょっと切ないかなあ。
救いがないのがちょっと…。
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語り手が話していることは現実か非現実か、それを対比させながら物語を進める。
このミス大賞「完全なる首長竜の日」の作者、乾緑郎の話の進め方は読み手を物語へ引き込む力が強い。
写真学校へ通いながら裸婦モデルのバイトをしている千佳、
近頃の物忘れの激しさから検査をすると若年性アルツハイマーと診断された中年女性、君枝、
そして東京から二時間ほどの温泉街の奥にある廃ホテルの一室を住みかとする記憶をなくした男。
この三人の視点から物語は進む。
三人が語る日常は、日常生活そのものなのだが、どこか違和感を感じるような、その違和感に物語は緊張で張りつめる。
廃ホテルの一室で見つかった白骨死体は現実なのか、過去なのか、記憶なのか。
どこに進んでいるのか見えてこない霧の中を歩いているような、この作者の本はそんな感覚を呼び起こす。
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何だかとっても切ないラスト。
なかなか読み進められなかったけど、読了してみるともっとこの人の本を読んでみたいと思えた。
目蒲線物語:https://www.youtube.com/watch?v=Kp8-arLEql0&feature=share
P. 155 「ソーセージみたいなもの」=「どうでもいい」(ドイツ語)
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美術モデルのアルバイトをしながらカメラマンを目指す千佳。訪れた廃墟で、何者かの気配を感じ……。認知症を患う妻の介護に専念する靖史。妻から目が離せなくなった靖史は……。廃墟ホテルに住む記憶を失った男は、ホテルで一眼レフカメラを持った女性を見つけ、彼女の後を追う。三人の記憶と現実が交差して、糸角ファインダーに収まったとき、世界は見事な反転を見せる。
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惹句に絡んでも仕方がないが、「見事な反転」ってなんだろう? 別の紹介文で「驚愕の真実」と言うのもあったが、正直なところ、さすがに困ってしまう。お話の方は不穏要素多めのヒューマン・ドラマで、哀切な感じがなかなか。けれども、やりきれないラストですね。